「誇」-URAWA REDS-
共に…
 



天気予報は雨。
“望むトコロだ”
埼スタには雨が良く似合う。
“陽が差してきたよ”
点呼、先発を仲間に任せ、遅い「出勤」。
シーズンの終わりを告げる冷気が舞い込むスタジアム。
「あと3試合」。
僕に出来ることを精一杯、やろう。

GK山岸
DF内舘・闘莉王・ネネ
MF平川・啓太・長谷部・アレックス・暢久・ポンテ
FWワシントン
リザーブ都築・細貝・相馬・伸二・永井・達也・岡野

動く、走る甲府。
素早いチェックにボールが足につかない浦和。
“固くなってるのかな”
“3バックだね、今日は”
平川が右ウイング、内舘が右DFに入っている。
4分、啓太に警告。
“もう出したよ、カード”
“嫌な感じだな”
主審は岡田正義氏。
耳障りな笛が試合の流れを遮る。
“五月蝿いんだよ、まったく”
強いボディコンタクトに弾かれる相手選手。
“いいぞ!”
直後に吹かれる笛。
勢いに乗りそうな所でプレーが中断する。
“リズム、掴めてないな。ウチ”

右斜めから狙い済ませた暢久のループは枠の外。
ロビーのシュートはGKセーブ。
シトンのヘッドもGKキャッチ。
“ドンピシャだったのに・・・”
徐々にウチらしさが窺い始める。
アレックスからのクロス、平川の3人抜きドリブル。
揺さぶりを掛ける浦和。
“ヒラ、速いねぇ”

34分、相手陣内でロビーが倒される。
レッドカード、PKスポットを指す主審。
“もらった!”
キッカーはワシントン。
中腰になり「その瞬間」を待ちわびる。
右へ飛ぶボール、右へ飛ぶGK。
PK失敗。
“・・・・”
“一人多くなったんだ、落ち着けば(点を)取れるよ”
37分、再びPK獲得。
“あれ?カード(警告)出さないの??”
キッカーはワシントン。
“右に蹴るなよ”
“右に蹴るんだろうなぁ”
右へ飛ぶボール、右へ飛ぶGK。
PK失敗。
“だから言ったのに・・・”
“さっきの方が(ボールに)勢いあったよね”
溜息が出そうになるのを堪え、試合に戻る。
“先制点、欲しいな”
名古屋戦の展開が頭を過ぎる。

前半終了、0-0。

後半開始早々、ウチらしいパスワークが蘇る。
46分、暢久のクロスにワシントン。
浦和、先制。
“PKの方が簡単なんじゃないの?”
“今日シトン、3点目だよ(笑)”
緊張していた僕らにも笑みがこぼれる。
両サイドからヒラ、アレックス。
中央を荒らす長谷部、暢久、ロビー。
中盤の底を支える啓太。
一人多いアドバンテージは闘莉王が「利用」する。
“戻んなくなってるよ、闘莉王”
ボールを支配する浦和、カウンターからチャンスを生み出す甲府。
“もう1点取れればいいんだけどな”

64分、暢久がPA内で相手を交わしシュート。
サイドネットを揺らすゴール、2-0。
“前半も同じようなやつ、あったよね”
“暢久、いいよねぇ。どうしちゃったんだろう”
68分、アレのCK。
“決めろ!”
叩きつけるヘディングシュート、シトン2得点。
“簡単なのは決まらないのに、これは決まっちゃうんだもんねぇ”
3点差、ようやく僕の肩の力が抜ける。
“もう大丈夫、かな”
“得失点差、広げるチャンスだよ”

キレが戻ったロビーに集まるボール。
次々に生まれる決定機。
あとちょっと、が決まらない。
“ロビー!”
74分ネネout細貝in。
“傷んでたからかな、ネネ”
“萌ちゃん、頑張れよ”
シトンが相手選手と交錯、プレーが止まる。
“痛そうだよね、かなり・・・”
判定への苛立ちを隠さないシトン。
“落ち着いてくれ、頼むよ”
足を引き摺ったままピッチに戻る。
“代えないのかな”

78分平川out永井in。
“永井、魅せてくれよ”
攻守の切り替えが早くなる。
互いにシュートを放つも、決められず。
“無失点で終わろう”
“貪欲に追加点、狙おう”
そんな思いが交錯する。

86分アレックスout相馬in。
“達也、伸二に出番なし、だよ”
シトンのヘッドはバーの上、ロビーのシュートも決まらず。
“決まらないなぁ”
甲府のシュートはバー直撃。
“向こうのマウスは入らないんだね、きっと”

ロスタイム4分。
“そんなにあるの・・・”
時計とピッチを交互に追う。
主審が笛を咥える。
“良し、終わりだ”
“サンゼロか、得失点稼げたかな”
仲間から入る吉報。
“川崎負け、ガンバ引き分け”

“次か、次で決まるのか・・・”
夢が現実になる時が来る。
“次だ、次で決めよう”


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コメント
 
 
 
ワシントン (TOSS)
2006-11-24 13:08:45
久々に彼の試合でしたね。
最初のPK、GKの動きから「もらった!」と思ったら・・・どうしちゃったの?
2本目、おいらがGKでも右に飛びましたね。
ブラジリアンだから、絶対固執すると思ったし、振る舞いから「意地」しか感じませんでした。

びっくり!同じような冗談をおいらも言ってました。
シトン2点目の場面
「今日すげーよコイツ、4点目だからな」
なんて。

気になったのは、2回目の蹴る直前。
パラパラ起こった拍手はなんだったんでしょう?
リーダーが煽るとも思えないし。
沈黙を守ることも、中腰になることもなくなってしまった。
これはウチの文化というより、サッカー観戦者のマナーの問題なんですがね。
聞く耳持たない人が増えたのかな。
 
 
 
勝つために、勝たせるために (otteru)
2006-11-25 09:04:51
TOSSさんおはようございます。
ゴール前で見せる冷静さとは裏腹の熱き魂。
彼もストライカーなんだな、と感心?してしまいました。
スタジアムにいた誰もが「右に蹴る」と思ったのではないでしょうか(笑)まぁ、勝ったから笑い話で済んでいる訳ですけどね。

変わりましたよね、ゴール裏。
1年ぶりに「上浦」した仲間も
「コールが早くて軽い」
「ウチらしさが消えた」
と嘆いていました。
PKの場面もしかり。
マナーというか何というか・・・。
「勝つために、勝たせるために」
一番大切なものを置いて来てしまったような気がしています。
 
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