「誇」-URAWA REDS-
共に…
 



“雨、大丈夫そうだね”
“結構混んでるね、地下鉄”
久しぶりの神戸ユニバ。
今回は神戸空港から三ノ宮経由で現地入り。
“そうだ、この地下鉄って遠回りしてくんだよね”
“で、地上に出たらもうすぐって感じで”
数回通った過去の記憶を辿りながら、18時、スタジアム着。

“あんなトコ買いに行ってたら試合始まっちゃうから”
トイレも売店もバックスタンドに。
仲間から譲ってもらったビールを一気飲み。
いつものパターンでキックオフを待つ。

出場停止の啓太のポジションに阿部勇樹、DFに坪井が入る。
“伸二はベンチスタートか・・・”
厳しいポジション争いの中、細貝・堤・小池がベンチ入り。
「世代交代」が進みつつあるのか。

溜めていたテンションをキックオフと同時に爆発させる。
“ヤベ、直前に(ビールを)飲むんじゃなかったな”
身体が重い。「跳ね」がキツイ。
“ムシ暑いな・・・、まったく”
自分の汗がそのまま蒸発していくような暑さ。
堪らない。

両サイドに大きく展開する浦和。
その裏を突くようなロングボールを繰り出す神戸。
平川からチャンスの予感が広がる。
暢久が「いつもの」悪い癖を覗かせる。
“ノブヒサ!しっかりしろ!!”
固いDFラインからサイド攻撃へ。
“真ん中から前が上手く行かないな”
黄色いスパイクの不在を感じてしまう。
“ハセ、頑張れよ!”
“もっと思い切りやればいいのに”

達也が走る、追う。
ロビーがボールを散らす。
“ウチのペース、だよなぁ”
暑さとの戦い。
跳ねて声出してるだけの僕だって苦しいんだから、
選手はもっとキツいはず。
“頑張れ!”
阿部勇樹が倒される、流される。
“何続けてんだよ!”
主審は扇谷氏。
30分過ぎ、達也のパスカットから永井。
“惜しい、もうちょっとだ”
何とか選手たちを盛り上げたい。
勝たせてやりたい。
汗で視界が遮られる。
“じれったいな、もう”

前半残り15分。
神戸が主導権を握る。
ボールを持たせてもらえない浦和。
“堪えろ、頑張るんだ”
“いいぞ、都築!”
“暢久、止めろ!”
一方的にシュートを打たれる。
“落ち着けよ、頼むぞ闘莉王”

前半終了、0-0。

“リズム悪いんだよな”
“ハセ、らしくないんだよな”
“阿部勇樹も馴染んでない感じ、するよね”
“頑張れよ、勝って帰ろうよ”

「ウォリアー」
ゆったりとしたリズム、これが本当のウォリアーなんだ。
身体に染み付いたこのリズム。
心が、高鳴る。
“絶対勝つぞ、行くぜ!”

49分、達也先制ゴール。
“やったぜ!”
ピッチから遠いスタンドからも美しく映えた、達也のシュート。
“今だ、今なら追加点行けるよ”
永井のシュートはDFに当たる。
阿部勇樹のシュートは枠の外。
“もう1点、もう1点欲しいな”
永井のポストプレーが決まる。
ヒラが左サイドを抉る。
“永井に決めさせてやりたいなぁ”
暢久がPA内で倒される。
“あっ!”
ノーファール、蹲る暢久。
“何で・・・?”

ロビーが長谷部がボールをコントロールする。
都築が決定機を防ぐ。
永井が華麗なドリブルを魅せる。
74分、ホリのヘディングに達也が反応、2-0。
“ヨシっ”
小さく拳を握る。
77分、ロビーout伸二in。
“達也・永井・平川と伸二だよ!”
“見たかったんだよ、これ”
79分、左を突付かれ失点。2-1。
“大丈夫、集中しよう!”
83分、闘莉王に警告。
“何でだよ、遅延ってこと!?”
85分、暢久out細貝in。
“萌ちゃんがそのまま右だね”
88分、細貝警告。
“これは?遅延??”
“何なんだ審判??”
89分、永井out内舘in。
直後、チャンスが訪れる。
“決めろ!!!”
駆け込んだのは内舘。
“ウッチーがそこまで来てたんだ・・・”

ロスタイム3分。
“困ったら伸二に預ければいいんだよ”
“伸二なら(ボールを)取られないんだから”
汗を吸って重くなったシャツ、冷たくなったタオルマフラー。
暑く、厳しい試合。
“あと少し、もう少しだぞ”
伸二がキープ、狙い澄ました左足からのシュートが外れる。
試合終了。

膝に手を当てる。
面を上げる余裕がない。
“勝った・・・”
肩で呼吸をする。

まだまだ夏は、終わらない。



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