「誇」-URAWA REDS-
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「綺麗になってるね」
数年ぶりのC大阪戦。
前回は工事中だったJR長居駅も高架化され、
すっかり近代化されている。
待機列もすっかり捌けた15時、スタジアム着。
「あんまり入ってないね」
J1昇格、春休み、土曜日の午後、浦和戦。
「ウチも代表いないし、前ほど魅力ないしね」
大きなスタジアム、空席が目立つ。

GK山岸
DF細貝・暢久・坪井・宇賀神
MF阿部勇樹・柏木・ロビー・セルヒオ
FWエジミウソン・達也
リザーブ大谷・スピラノビッチ・堀之内・堤・啓太・高原・原口
前節に続き右SBは細貝、柏木がボランチ、セルがスタメン復帰。
岡本に代わり堤がベンチ入り。
攻撃的なスタメンと、守備的なベンチ。
今月3度目のアウェイ戦。

「出てこないな」
攻撃的なイメージのあるC大阪が攻めて来ない。
互いを探り合うような立ち上がり。
達也が動く、細貝が上がる。
浦和が主導権を握る。
「これならいける」
桜が綻び出す季節、寒さから開放されつつある3月の大阪。
声も出る、跳ねることに慣れてくる。
4試合目にして漸く“試合勘”が戻ってきた。

ボールを囲う速さは浦和。
柏木からの縦パスも効いている。
相手7番、8番を自由にさせない。
「これならいける」
中盤のパス交換からクロスを上げる。
「決まった!!」
21分、浦和先制0-1。
「達也?達也だよね!?」
一番決めて欲しかった選手が決めた先制点。
「さあ行こう!」
直後のリスタート。
「何もたついてんだ…」
「しっかり!クリア!!」
21分、C大阪同点1-1。
中央の混戦を捌けず、失点。
「その前も同じようにやられそうだったよね」
やられるならこのパターン。
危惧していた綻びを、修正出来ず。
「どうしてかなぁ・・・」

31分、宇賀神警告。
「焦るな、落ち着いて」
細貝が相手9番に倒される。
「ガツガツ行ってるからな、萌ちゃん」
「怪我しなきゃいいけど」
セルの様子がおかしい。
「ダメ、か?」
37分、セルヒオout原口in。
「グッチ、頼むぞ」
原口が仕掛ける。
スピード感溢れるパス、ドリブル。
「いいぞ!」

前半終了、1-1。

前線からプレスを掛ける浦和。
中央突破を狙うC大阪。
細貝が、暢久が、坪井がPA内への侵入を許さない。
「頑張れ、しっかり」
スルーパスにエジが抜ける、GKを1対1。
「落ち着け、エジ」
ゴールマウスへ転がるボール。
「やった!」
54分、浦和勝ち越し1-2。
「しっかり、集中して」
得点直後、前半と同じ過ちは御免だ。

原口が突破、PA内へ。
「打て!打て!」
「打っていいのに・・・」
次第に勢いを失う浦和。
58分、暢久警告。
殆どこちら側に来ない。
「マズいな・・・」
防戦一方。
いつやられてもおかしくない展開。
69分、達也out啓太in。
「これで少し落ち着いてくれれば・・・」
ゴリゴリ攻める相手を交わし切れない。
「しっかり!」
深い位置まで攻められ、クリアで逃げる。
まるで試合終盤のよう。

80分、C大阪同点。
取られるべくして取られた失点。
「時間の問題だったな・・・」
「どうしてこうなんだ、ウチは」
突き放す強さも、守り切る粘りもない。
「ほら、頑張れ!」
ロングボールの処理にもたつくDFにエジがチェイス。
身体を入れ前を向く。
「エジ、走れ!」
フォローが間に合わない、
シュートを打つ角度がなくなる。
「打てるか!?」
ボールがサイドネット内側を揺らす。
「入った!入った!」
81分、浦和勝ち越し2-3。
「こんなもんなんだね、サッカーって」
苦労しても取れない得点が、失点直後にあっさりと。

90分、ロビーout堀之内in。
「しっかり守ろう、勝って帰ろう」
ロスタイム4分。
前へ前へ向かうC大阪。
「頑張れ、もう少しだ」
長い。
「まだ終わらないのか・・・」
何度も時計に目を移す。

勝った。
勝ったよ。
どうなの、それでいいのか。
ま、いいことにしよう。
ホーム側から選手へのブーイング。
「向こうにしたら勝てた試合ってことだもんね」
「もうウチ相手に惜敗ではないんだね」

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