「誇」-URAWA REDS-
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逸る気持ち。
少しでも早く着きたい。
出来ることなら、ランコに「さよなら」を言いたい。
リーグ戦中断前最後の試合。
ACLの影響で未消化だった5月初旬の仙台戦がここに組まれている。
中2日、相手は中3日。
「どうして条件同じにしないんだろう?」
向こうがアウェイ連戦だから?
理由は分からない。
ここ2試合のような楽な展開にはならないことだけは、分かっているつもり。

GK加藤
DF森脇・那須・槙野
MF関口・阿部勇樹・啓太・梅崎・原口・柏木
FW興梠
リザーブ山岸・暢久・坪井・小島・矢島・マルシオ・阪野
今度は平川が離脱。
メンバーを固定してきたツケが回って来てしまったか。

「風強いな…」
ゲート正面を吹き抜ける。
「上は巻いてるのかな」
フラッグがポールに絡み付き、揺れている。
「流れたのかな…」
柏木のCKは弧を描き、直接ゴールマウスに向かう。
「打てば何かが起こるかもね」
風下の浦和、前半から焦る必要はない。

「あれ、上手く行ってない?」
啓太にパスが通らない、森脇と槙野が上がれない。
「窮屈って程じゃないけど…」
相手の術中に嵌っているのか、それとも慎重に対応しているのか。
カウンターからチャンスを迎える。
「ウメ!」
「上がれないのか…」
「それじゃ貰えないよ…」
関口が空回りしている。
「狙われてる?」
右サイドを突く仙台。
「でも、向こうの左も穴じゃないかな」
決して仙台の調子がいいとは思えない、それなのにボールを奪えない。

「決定機、ないよね?」
何をどう抑えられているんだろう。
「研究されてるのかな」
押し上げる迫力を失う、連動した動きを封じられている。
「どうなってるんだ?」
弾いたボールに寄せられる。
「ノブヒロっ!」
危ういDF、辛うじてGKパンチング。
「前半はゼロでいい、守ろう」
風上なら、今は力を温存してるだけだよきっと。

前半終了、浦和0-0仙台。

「いいぞ、チャンスだ」
後半開始直後、PA付近右からのFK。
「左足でしょ、槙野じゃないよ」
柏木のFKはクロスバーの上。
「惜しかったな」
セットプレーでも何でもいい、先制すれば流れは変わるはず。
55分、梅崎outマルシオin。
「ウメ、走れなかったしね」
戦術に嵌ってるんじゃない、ウチが疲れて動けないのか。
関口が右、森脇が1枚上がる。

「抑えが利かないか…」
マルシオのパスから森脇のシュートはバーの上。
「1点勝負かな」
仙台のダイレクトパスが繋がる。
「そんなに続くはずがないじゃ…」
後手に回る、主導権を仙台が握る。

風上のはずなのに、攻め切れない。
「もっとマルシオ使わなきゃ!」
苦しむ浦和、突破口を開けない。
71分、啓太out坪井in。
「阿部勇樹をボランチに戻すのかな」
「遣り繰りしてるだけじゃないよね」
監督の判断は、
得点を奪うリスクよりも、失うリスクの方が高いということか。
「向こうも運動量落ちて来てるよね」
消耗戦、ACLを戦い抜いたクラブに余力は残っていないのか。

マルシオにボールが渡る、原口が仕掛ける。
「行け、走れ!」
PA内に進入する、倒される。
「PKだ!!」
苦しい苦しい試合、絶好のチャンスを迎える。
「阿部勇樹でしょ、阿部勇樹でいいんだ」
ボールをセットする。
パラパラと拍手が残っている。
「早く鎮まってくれ」
右に流す、左に飛ぶGK。
80分、浦和先制1-0。
「さあ、しっかり!」
「落ち着いて行こう」

残り15分、勝ち点3を積み重ねよう。
「打たすな!」
正面からミドルをシュート、弾いたボールを押し込まれる。
「また、か…」
88分、仙台同点1-1。
「どうして…」
あと少しなのに、堪え切れない。
「まだだよ!」
叫んでいるのに、心の中では諦めかけている。
「余力、残ってるのかな…」

90分、興梠out阪野in。
「ここでか…、時間ないぞ…」
アディショナルタイム4分。
「ワンチャンス、あと1回あるはず」
センタリングに阪野が合わせる。
「枠、行かなかったか…」

試合終了、浦和1-1仙台。
「勿体ないな…」
負けなくて良かった。
そう考えるべき。
分かっているけど、分かってるつもりなんだけど。


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