「誇」-URAWA REDS-
共に…
 



原宿~新宿~御茶ノ水~錦糸町…。
刻々と迫るキックオフ。
“駅からタクシーなら間に合うかな”
五井駅前に停まるシャトルバス。
“これ乗るの、初めてかも”
何度も通った場所を反芻するように進むバス。
“あの辺の駐車場に停めてスタジアムまで歩ったよね”
光輝く照明。
“スタメン(発表)は終わっちゃってるな”

既に熱気溢れるアウェイゴール裏。
“早く僕も追いつかなきゃ”

90分で2点差を追いつけばいい、延長30分で決着がつかなくとも「覚悟」はして来た。俺たちの浦和のために、戦い抜く。

“ねぇ、メインみんな立ってるよ”
“試合中も立ってるのかな?”
“きっとそうじゃない”
ここに集った「赤き誇り」。
~みんなで国立に行こう~
そんなんじゃない、
我等が浦和レッドダイヤモンズのために、闘うんだ。

闘志溢れるイレブン。
1秒たりともボールから目を離さない。
“俺たちがいるからな”
僕らも全てを集中させて闘わなくては。
“左が長谷部?右が永井でボランチがヒラと暢久なんだ”
GK都築
DF坪井・闘莉王・内舘
MF永井・暢久・平川・長谷部・ポンテ
FW達也・マリッチ
リザーブ山岸・堀之内・酒井・アレックス・岡野
“絶対に勝つんだ”
激しいプレスが掛かる、ウチらしい攻撃。
18分、左CKからゴールが生まれる。0-1。
“まだまだ、さあ行こう”
喜ぶヒマなんかない、それはひっくり返すまでお預けなんだ。
堂々と戦う浦和、萎縮する千葉。
不安定なジャッジ、ファールすれすれの相手のプレイ。
“気にすんな、次、次行こう”
文句言う余裕なんかない、まだ負けてるんだ。
24分、ポンテ警告。
“何で?異議?”
“水差すなよ、主審”
26分、ゴール前の混戦からネットが揺れる。0-2。
“良し、追いついた。ここからだ、ここからだ”
勢いに乗る浦和。醜いプレイが目に障る千葉。
低いポジションから攻撃参加を図る永井、「集中」する暢久。
“いいぞ、暢久”
“永井に(得点を)取らせてやりたいな”
メインもバックスタンドも、立っている、跳ねている。
“勝てるよ、勝てる、勝とうよ”

ハーフタイム、鋭いシュートを決めるアレックス。
“アレ。力、溜めといてくれよ”
中2日、やはり声が掠れる。
“あと1点、大丈夫、取れるよ”
しかし52分、阿部に決められ1-2。
“いいんだ、また取ればいいんだ”
“俺たちが勝たせてやるから”
52分、闘莉王。
“決まった!やったぞ”
“えっ、違うの?何で…”
“オフサイドはないぞ、ファール…? どこが??”
切り替えよう、時間勿体無いよ。
息を吹き返してしまったのか、千葉のサイドが活発化する。
“追いつこう、できるよ俺たちなら”
69分、長谷部outアレックスin。
70分、PA内で闘莉王が相手DFのスタイディングタックルに遭う。
“PK?ノーファール?”
上川主審のジャッジは闘莉王に警告。
“2枚目じゃねーか”
“お前、その位置から見えたのかよ”
“副審、何とか言えよ”
1点ビハインド、10対11人。
“(試合)壊さないでくれ、カミカワ”
劇走する達也、闘争心溢れるマリッチ、必死のディフェンスを見せる坪井。
“頑張れ、頑張ろう”
75分永井out岡野in。
“永井なんだ…、頑張ってたのに”
マークが集中するポンテ。
“痛んでるよね、ポンテ”
82分ポンテout堀之内in。
“疲れてきてるね、ウチの選手…”
“1点返そう、一緒に戦ってきたじゃないか”
86分、2-2。
“決まったの?”
必死に抗議する都築。
“あんなに抗議するってことは、またミスジャッジじゃないの”
判定は覆らず、都築に警告。
“まだまだ”
心の隅に沸いた「敗戦」という2文字を打ち消す。

“まだまだ、まだだよ”

準決勝敗退。
選手はよく戦った。
俺たちもやれることはやった。
けれど結果は伴わなかった。
“途中まで乗せてってくれる?”
市原臨海競技場。
ひとりで帰浦するには遠すぎた。

コメント ( 8 ) | Trackback ( 0 )



« フェアプレイ どこへ行く… »
 
コメント
 
 
 
はじめまして (紅緒)
2005-10-06 21:27:48
いつも拝見させてもらっています。



昨日はメインで観戦でした。埼スタも駒場でもメインでは思いきりコールすると自分の声だけで浮いてしまい恥ずかしくなって、だんだん手拍子だけの応援になってきていましたが、昨日は最初から最後まで大きな声でコール出来ました。周りの人たちが皆負けないくらい大声でコールしてたからです。夕べの試合後は「勝たなくちゃ、国立に行けないなら何の意味もない!何をしにこんなへき地まで来たの?」と感情的になってしまいましたが、今、このブログでメインの写真を見て認識できないけどここに私がいたんだなって思って、選手もサポも皆がんばったなって思ったら何の意味もない試合ではなかったと思えてきました。うまく言えないけど。



栄光を掴むにはこういう悔しい経験も必要ですよね。最後に笑えるようこれからもがんばって遠い地もへき地でも行ってサポートします。
 
 
 
はじめまして (otteru)
2005-10-06 23:16:41
紅緒さん、コメントありがとうございます。

「決勝に進出できたら、メインスタンドのお陰だな」と思ってました。頼もしかった、そして、嬉しかった。ちょっと感動してしまいました。ゴール裏も昨日はみんな必死でした。やれば出来る、という訳にはいきませでしたが意地の欠片くらいはみせられたんじゃないでしょうか。

「へき地」ですよね確かに。

あんなところに毎年通ってたんですよね、昔は。



追伸

「紅緒さん」というと「はいからさんが通る」を思い出してしまいますね。では、今後ともよろしくお願いします。
 
 
 
 (ゆう)
2005-10-07 00:27:38
初めまして。

昨日はテレビ観戦でしたが、応援の声がよく聞こえました。この記事を読んで、スタジアムでの雰囲気がよく伝わってきて、ちょっと涙が出そうになりました。

いろいろとおかしな判定はありましたが、仕方ないととにかく気持ちを切り替えて、残りの試合もがんばって欲しいですね。
 
 
 
Unknown (otteru)
2005-10-07 12:36:04
ゆうさんこんにちは。

戦評を述べるほどの眼力はないので、その時感じたことをストレートに書くようにしています。千葉戦はいい意味で「夢中」になれました。結果は残念でしたが…

残り試合も頑張りましょう。
 
 
 
ワタシもそこに居ました。 (たつパパ)
2005-10-08 00:58:25
ブログ拝見してます。初めてコメントします。

ワタシもこの試合,ゴール裏で見てました。メインスタンドの人々も総立ちだったのには,サポのこころを感じました。自分のブログにも書いたけど,アウェイならではの盛り上がりってあると思うんですよね。



試合は残念でしたが,不思議と悲しい気持ちはしませんでした。終了後の挨拶も,サポは罵声を浴びせるでもなく,コールを上げるでもなく,拍手と「下を向くな!」という声で迎えてたのが印象的でした。
 
 
 
はじめまして (otteru)
2005-10-08 22:08:21
たつパパさん、はじめまして。

浦和の魂、感じましたよね。

やればできる、やればできるんです。

「前を向け、胸を張れ!」

プライドを賭けて戦ったのだから、俯いてはいけないいんですよね。
 
 
 
ゲーフラ (たつパパ)
2005-10-10 00:53:55
返信ありがとうございます。(^^)

ところで,写真のアングルからすると,私の居た場所にかなり近いような気がします。

当日,私のいた3段くらい下に「誇」のゲーフラが出ていたのを覚えていますが,それってotteruさんご自身ですか?
 
 
 
Unknown (otteru)
2005-10-10 10:43:04
たつパパさんおはようございます。

僕はゲーフラ出してないんですよ。選手を鼓舞するアイテムとして必要なのか、ちょっと疑問に思ってたりするので…。(作るのメンドくさい、というのが本音ですが)

「誇」のゲーフラの方、ほぼ毎試合来られてますね。

僕のブログの方が後発なので、申し訳ないなと思ってます。

 
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。