「誇」-URAWA REDS-
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「日陰は涼しいね」
東京戦から1週間。
あの蒸し暑さが嘘のような、真昼の埼スタ。
ここで勝てば上位に喰らいつけるなんて、
10年以上前に交わしていた言葉なんだよね。

GK山岸
DF岡本・スピラ・暢久・サヌ
MF細貝・柏木・ロビー
FW原口・エジミウソン・峻希
リザーブ大谷・坪井・堀之内・濱田・林・高崎・達也
達也が復帰、
平川が離脱した右SBには岡本拓也が入る。
「峻希と岡本って、一緒にやってるよね」
誰が出ても変わらない。
というより誰が出ても質が変わらなくなりつつあるのか。

「暢久、これで2回目でしょ」
「何で伸二にパスしてんだよ…」
故障上がりの伸二のポジショニングは、
相変わらず上手い。
「ファール!」
PA付近で原口が倒される。
「そろそろ、取れるかな」
ロビーのFKを洋平が弾く。
「惜しいなぁ」
相手に合わせることのない、互角の展開。
「ウチ、やれてるよね」
柏木、細貝の精力的な動きが目立つ。
「凄いよ、柏木」
「萌ちゃんも欠かせないね」
清水との差が縮まっている。

左から中央へ、右に走るエジミウソン。
「決まった!」
18分、浦和先制1-0。
美しい形からの得点。
「さあ、行こう」
峻希が競る、エジが打つ、弾かれたボールに原口が詰める。
「もう1点、今ならいける」
ホームスタジアムの雰囲気が甦る。
「伸二、イマイチかな」
「ヨンセン、消えてない?」
浦和が、浦和のサッカーをしている。
「大丈夫、しっかり!」
「打たせるな!」
37分、清水同点1-1。
膝を付く暢久。
「ワンチャンス、だよな…」
それを生かすのが強いチーム、
守り切れないのは弱いチームということか。

「さあ、頑張ろう」
まだ同点、この雰囲気なら何とかなる。
「あれ?ロビーが傷んでない!?」

前半終了、1-1。

HT、ロビーout達也in。
「やっぱりロビーはダメだったか…」
「大したこと無ければいいけど」
「2トップ気味かな」
達也が入り前線が一層活性化する。
「いいね~、達也」
「もっと前でやらせてあげられたら」
ボールを受ける、前を向く。
これだけで胸が躍る。
タテに切れ込む原口、高い位置でボールを受ける峻希。
「もうちょっと、もうちょっとだよ」
攻めている、清水が引いている。
達也が打つ、打つ。
「決まらないのか…」

73分、伸二がベンチに下がる。
「向こうも必死だな」
南側で選手が倒れている。
「誰?岡本!?」
76分、岡本out堀之内in。
サヌのクロスから峻希のシュート。
「峻希も足攣ってるよね!?」
懸命に戦う選手たち。
勝ちたい、勝たせてやりたい。
声が上擦る、掠れる。
81分、原口out高崎in。
「高崎頼む、決めてくれ」
クロスを上げる、FWが突っ込む。
繰り返されるチャレンジ、決まらない。

アディショナルタイム3分。
清水が攻めて来ない。
「何だよ、ドローでいいのかよ」
攻め倦む浦和。
主審の手が挙がる。
「ここまでか…」

浦和1-1清水。
拍手していた。
引き分けなのに、勝てなかったのに。
見えていた差が、見えなくなりつつある。

もしかしたらウチは、強くなっているかも知れない。
この航海は、途中で降りちゃいけないんだ。



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