「誇」-URAWA REDS-
共に…
 



8時、出立。
肌寒い街を抜け、新見沼大橋を目指す。
今年、この道を通うのはあと1回。
南広場から北へ向かう人の流れ。
こんなに早い時間から、多くの人が訪れるスタジアム。
「幸せな空間」が6時間後も同じでありますように。

GK都築
DF坪井・闘莉王・阿部
MF平川・啓太・細貝・相馬・ポンテ
FWセルヒオ・達也
リザーブ山岸・堀之内・暢久・梅崎・永井・エジミウソン・高原
“3バック?”
“エジまでスタメンから外してるよ”
“4でボランチが阿部勇樹??”
シーズン終盤、未だに固定できないシステム。
“どうする気なんだろう…”

細貝が右SB、坪井と阿部勇樹がセンターDF、左SBは平川。
“ボランチ闘莉王、か…”
期待より不安の大きい立ち上がり。
“今日の方が丸亀よりマシだよ”
少しでも「いい部分」を見出せればポジティブになれる。
不満は誰にでもある。
けれど、試合中は「勝つこと」だけに集中しなければ。
「声」「手拍子」「跳ね」。
僕らに出来ることはこれだけなんだ。

決定機を与えない、決定機を得られない序盤戦。
21分、浮き球を合わせられ先制点を許す。
“またビハインドからか…”
辛い時間が、始まる。
諦めない、諦めちゃいけない。
「あの2文字」に手が届く所にいるのだから。
闘莉王の中央突破、相馬のオーバーヘッド。
ゴール前の混戦からセル、達也。
勝ちたい気持ちが伝わってくる。
“頑張れ!”

前半終了、0-1。

ワンタッチでパスが繋がる。
後半立ち上がり、次々とフィニッシュまで持ち込む浦和。
“相手だってそんなに強くないんだ”
“ウチには懸けるもの、あるんだから”
闘莉王、ロビーにボールが集まる。
“追い付こう、追い越そう”
長身DFに囲まれ、小さなFWが奮闘する。
細貝、坪井が精力的に動く。
“いいぞ、それでいいんだ”
“頑張ろう、頑張れ”
選手に向けてではなく、ネガってしまいがちな周囲を鼓舞していた。

67分、相馬のクロスに闘莉王。
浦和同点、1-1。
“まだまだ、これからだ!”
止めない声、跳ね、手拍子。
一気に攻めれば勝てる。
ここを逃したら…、勝てないかも知れない。
達也が抜ける、GKを交わす。
“決めろ!!”
相手DFがクリア。
角度のない位置からセルのシュート。
“惜しい!!”
“中央に闘莉王がいたのにな…”

啓太が消えている。
セルが、細貝がピッチに足を取られる。
“みんな、一杯一杯なんだ…”
勝ちたい気持ちと定まらない戦術。
“頼む、決めてくれ…”
苦しい局面を打破し切れない。
82分、カウンターから失点。
1-2、清水リード。
“チクショウ!!”
枯れる声、悲壮な感情。
“負けたくない、このままじゃ終われないんだ”
82分、相馬out暢久in。
“そのまま左なのか…”
左へ流れるボール。
暢久から生まれるチャンス。
“右でしか蹴れないのに…”
もどかしい。
適材適所とは言い難い起用。
84分、達也outエジミウソンin。
“遅いよ、交代…”
特定の選手に浴びせられる罵声。
“誰だって構わないんだよ、決めてくれれば”

前線に張り付く闘莉王。
“何でもいい、追い付こう”
ロスタイム3分。
“まだだ、負けるな!”

1-2、敗戦。
あの二文字が遠ざかる。
息が上がる、ふらつく足元。
頭の中が白くなる。
“これが限界なのか…”
認めざるを得ない現実。
“どうしてだよ、どうして…”

残り2試合。
生き様、見せてやる。


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