「誇」-URAWA REDS-
共に…
 



さすがの僕も、定時あがりが精一杯。
“アウェイだったら休んじゃったかも知れないけど・・・”
一時帰宅。
そそくさと着替えを済ませ、駒場スタジアムへ。

スタメン発表前、空席の目立つSB席。
いつもより余裕のあるゴール裏。
“4月の水曜日は、キツいよね”
にも関わらず、先発してくれた仲間たちに感謝。

GK山岸
DF坪井・闘莉王・阿部
MF相馬・暢久・啓太・細貝・梅崎
FWエジミウソン・高原
SUB都築・堤・堀之内・内舘・平川・岡野・永井
ギシくんがスタメン、DFラインは「日本代表」。
相馬と暢久が両サイド。
ナビスコ杯、メンバーを弄ってきた。
“これが「仕様」なんだよね”
“闘莉王が漸く定位置か・・・”
“これが機能しないとヤバいかも”

遠く小さいオーロラビジョン。
平たいピッチ、馴染めない手摺り。
「駒場」に戸惑っている。

“前回の後半と同じ、みたいだ”
サイドを封じられる。
激しいチェックにラインが下がる。
“ウチがそれ、やらなきゃいけないのに”
不安定な山岸、動かない選手たち。
“闘莉王の使い方に迷ってるのかな”

“暢久!何やってんだ!”
バックパスをカットされる。
15分、失点。
“しっかり!集中して!”
勝たなければ行けない試合。
勝たなければトーナメント進出が厳しくなる試合。
“たかがナビスコ、じゃないよな!?”

浦和入り以来、最高の動きを見せる高原。
“エジとフィットし切れてないんだよなぁ”
慣れないスタジアム。
試合に乗り切れない僕がいる。
「故郷」のはずなのに・・・。

39分、唯一得点の匂いを感じさせてくれた梅崎の得点。
1-1、同点。
“ひとりで突っ込んだよ”
軽くタッチを交わすだけ。
まだ同点。
笑顔を見せるのは勝ち越してからだ。

後半、京都が先に動く。
“2人一度に交代、か”
右サイドで粘る高原からセンタリング、エジのオーバーヘッドは決まらず。
“いいぞ、高原!”
左を突破する梅崎。
“もう一丁だ、梅崎!”
“惜しい、いいぞ梅崎!”

58分、暢久out岡野in。
“流れ、悪くないのに・・・”
“暢久は良くないけど・・・”
足の筋肉が張ってくる。
手摺りを掴む腕が疲れてくる。
“ギシ!!”
がら空きのゴールマウス、阿部勇樹がクリア。
“た、助かった・・・”
一番近くにいた京都リザーブメンバーが抗議する。
“入ってたのかも・・・”
掴みかけたリズムを失う浦和。
“高原に(点を)取らせてやりたい”
ベンチでは永井が準備。
“誰と!?”

69分、高原out永井in。
“永井、頼むよ!”
“そう毎回うまく行くのか?”
2つの気持ちが葛藤する。
遠く感じたピッチが近くなる。
忘れていた「駒場」の感覚が甦る。
“ここで負けちゃいけないんだ!”
低い弾道のシュートはバーの右に反れる。
“永井くんだよ、惜しい!”

82分、梅崎out堀之内in。
闘莉王が前線に上がる。
“結局これしかないのか・・・”

ゴール前の混戦、京都DFを破れない。
“打て!打て!!”
ロスタイム3分。
“勝たなきゃ、ダメなんだよ”

重い試合だった。
“「基本」に戻してコレか・・・”
“次、どうするんだ?”
まだ4月。
明日なき戦いには、早過ぎるよ。


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温もりが伝わる銀色の鉄棒。
苦しいときも、悔しくて堪らないときも、
挫けそうなときも、僕を支えてくれた。
久しぶりの感触。
身体が「型」を覚えていたよ。
両手で、片手でそれを軽く掴みながら跳ねる。
気合を入れ直すために、思い切り声を出すために
それを梃子にして気持ちをピッチにぶつける。

前半は、いや後半途中まではそうだった。
でも、最後は違っていたんだ。
掴まらなくても、添えなくても、
いや、触らない方がうまくヤれたんだ。

手摺りが、僕のものではなくなっていた。

もう僕は、駒場の人間ではなく、埼スタの人間なんだなって。
そう思ったんだ。

時刻が、流れているんだね。

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