温もりが伝わる銀色の鉄棒。
苦しいときも、悔しくて堪らないときも、
挫けそうなときも、僕を支えてくれた。
久しぶりの感触。
身体が「型」を覚えていたよ。
両手で、片手でそれを軽く掴みながら跳ねる。
気合を入れ直すために、思い切り声を出すために
それを梃子にして気持ちをピッチにぶつける。
前半は、いや後半途中まではそうだった。
でも、最後は違っていたんだ。
掴まらなくても、添えなくても、
いや、触らない方がうまくヤれたんだ。
手摺りが、僕のものではなくなっていた。
もう僕は、駒場の人間ではなく、埼スタの人間なんだなって。
そう思ったんだ。
時刻が、流れているんだね。
| Trackback ( 0 )
|