「誇」-URAWA REDS-
共に…
 



車で遠征だとさ、みんな飲めないから。
祝勝会が良かったけどね、素敵な?仲間と飲めるだけでも「ヨシ」とするかな。


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30分前から始まるコール。
“早くからテンパると、あんまり結果が良くないんだよな”
妙に気合乗りの早いアウェイゴール裏。
どうしても合点がいかない試合前のイベント。
「冷凍みかん」や「チアリーディング」に機先を削がれる。

GK都築
DF堀之内・闘莉王・坪井
MF平川・啓太・長谷部・アレックス・暢久・ポンテ
FWワシントン
リザーブ山岸・内舘・酒井・相馬・セルヒオ・岡野・黒部
主審は家本氏。
“最近どうなの?彼”
“ウチの試合で吹いてたっけ?最近”

引いて来ない清水。
往年の細かいパスワークほどではないものの「清水らしさ」が漂っている。
“この方が(ウチが)点取り易くなるよ”
シトンを軸に、長谷部、暢久、ポンテが絡み合う。
そして今日も闘莉王が上がっていく。
“そんなに上がらなくてもいいのに”
“バランス、あんまり良くないよね”
ピッチが遠いエコパ・・・、見辛い。
激しいチャージを受ける浦和。
今シーズンの風潮なのか、殆どノーファール。
“少しは(ファールを)取ってくれよ”
23分、相手2人に囲まれたポンテが倒される。
判定はポンテのファール。
“えっ、何でだよ”
早いリスタートが左サイドを切り裂いてくる。
清水先制、得点はマルキーニョス。
“またあいつかよ・・・”
主審に詰め寄る選手たち、判定は覆らない。
“今日はもう一人「敵」がいるってことだな”
“負けないよ、絶対負けねーぞ!”
しかし25分再び左を破られ失点、2-0。
“集中しろ、集中!”
選手たちだけではない。僕自身に向けて活を入れる。

浮き足立つ守備、単調な攻撃。
“落ち着け、大丈夫。まだ時間あるんだ”
相手の名前も良く分からない選手たちに翻弄されている。
一方的にシュートを浴びる。
雰囲気に飲まれている。
“流れ、変えてやらなきゃ”
“俺達が、変えてやらなきゃ!”
胸のエンブレムを握り締め、己を奮い起こす。
42分、遠いサイドで試合が止まる。
“またウチのファール取るのかよ”
PKスポットを指す主審。キッカーはワシントン。
右隅に吸い込まれるボール、1-2。
“追い付こう、行ける、勝って帰ろう”

46分平川out内舘in。
甦る浦和の攻撃力。
51分、ホリのシュートは僅かに左。
“またギドに怒られたな”
鋭い出足からインターセプト、素早いダイレクトパス。
“これなら行ける、大丈夫だ”
勢いを増す浦和。それを妨げる審判団。
54分坪井に警告。
“何もやってないんじゃないの?”
62分、PA内でGKと交錯したアレックスに警告。
“シュミレーション!?”
“そんな訳ねーだろ”
“お前(家本主審)、そんな遠くから見えたのかよ”
GKに詰め寄る啓太。
“洋平、正直に言ってくれよ”
64分都築に警告。
“遅延?どうして??負けてるのにそんなことしないだろ!?”
65分啓太にも警告。
“駄目だ、この審判・・・”
フラストレーションが溜まっていく。
集中しなければいけないのに、勝たせるために来ているのに・・・。
“俺達が勝たせてやるからな”
“絶対、勝って帰るぞ”
右から長谷部が抉る。
シトンに合わない、シトンが決められない。
“惜しい、次、次だよ”
闘莉王のHSは正面。
“そうだ、いい感じ、いい感じだよ”
73分暢久out岡野in。
“勝ちに行くってことだな”
シトンに集まるボール、シュートシーンが映し出される。
“引っ張ってるよ”
“PKじゃねーのかよ!”
激昂するギド。キレる僕。
“こんな奴らに負けない、負けたくないんだ”

82分啓太out黒部in。
動きが止まる清水。前線が圧力をかける浦和。
次々と訪れる決定機。決められない。
87分、坪井がベンチに引き上げていく。
“坪井(警告)2枚目?”
“最後までこんな笛かよ・・・”
ロスタイムは5分。
“有り得ない数字だよな”
ロングボールを多用し、最後の攻撃を仕掛ける。
“頼む、頼むから追い付いてくれ!”

サッカー以外の「何か」に支配された試合が終わった。
整列後、異議を唱えたロビーに2枚目の警告。
“消えてくれ、邪魔だよ家本”

ふらつく体、上がる息。
胸のエンブレムを握り締めたまま、霞むピッチをただ見つめていた。
やり場のない憤り。
自分の無力さが、情けなかった。

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