人妻と不倫をしてる大学生の僕は、蛍という少女に心惹かれるのだが、
彼女は、一緒に「ダイナマイト心中」をして欲しいと言う。。。
心をわしづかみにされた僕は、いとも簡単に、その申し出を受けてしまう。
やがて、その実行の日が近づくのだが。。。
今風の若者らしく(?) 不倫も、恋も、死も、
あっさりと受け入れてしまう僕に、ちょっと疑問を持ちつつも、
この僕の行きつけの喫茶店「前奏曲」に集う人たちとの交流が、
この物語に厚みを加えていて、読み応えたっぷり。
妻を死なせてしまって悲しみにくれるマスター、
風俗で働いていたというウエイトレス、
戦争で残虐な行為をしてしまったという年老いた老人、など。。。
みんな、それぞれが辛い過去を背負い、悩み、
明日への希望を見出せないでいる。。。
それでも、心優しい人々。。。
そんな人たちに囲まれて過ごす僕は、蛍の愛にどう応えるのか。。。
何度も、じわーんと涙がにじみました。
おすすめです。