ずっと「朝ラー」とやらをしてみたかった。会津喜多方ラーメンや、静岡の藤枝あたりで朝ラーメンが流行っていると知ってからずいぶんと経つ。わたしの旅のスタイルは基本B&B(朝食付き)で、夜は地元の居酒屋で呑む。つまみは相当に口に合わない限りあまり食べないので朝食はしっかり食べてしまう。だからなかなか朝ラーができなかったのである。そうだ。ふと天啓が閃いた(それほどのものか?)。東京に築地市場があるではないか。あそこなら早朝未明から食堂もやっているはずだ。鮨屋やら魚屋などが魚などを仕入れにきて食べる朝食は海産物とは限るまい。ラーメンやらカレー、定食なんかがあるはずである . . . 本文を読む
翌朝、早めに朝食をすませると時間調整のために玄関ロビー脇にある喫煙室で一服する。そろそろいい頃合いだなと、連絡通路を通り併設されている日帰り入浴施設「カルナの館」に急ぐ。タオルは持ってきている。とにかく、温泉好きとしては宿泊棟の内湯だけで帰るわけにはいかない。この時間帯には日帰り客はまだ入れず、宿泊客専用である。その宿泊客もきっと今頃は朝食会場にほとんどが行ったはずだ。・・・思ったとおり、脱衣所はガランとしている . . . 本文を読む
火燈しごろにそぞろ歩くなら、歌などでは銀座だろうがやっぱり温泉町に限る。そぞろ歩きにうってつけの温泉町なら、まずは城崎温泉だろう。城崎の柳が夕風になびいてる情緒たっぷりの川沿いを、浴衣にタオル、下駄をからんころん鳴らして歩くのだ。夜の帳が降りるころ、燈篭に火が燈る。このころ、温泉町はわりと静かである。あれほど客であふれかえり賑わっていた通りも、宿の夕餉どきとあって静けさをいっときとり戻すのだ。赤提灯の出番もまだすこし早い . . . 本文を読む
猛暑がいよいよ始まった七月に、なぜか突然、五月なみの気温の二日間があった。ならばと、昼飯に赤坂飯店に出かけ熱々の坦々麺を食べた。この店のヤツは普通の坦々麺よりもちょいと辛い。喉から腹までが、カァーッと熱くなる。あまりにも前に食べたのでよく覚えてなかったが、麺は湯麺などによくある平打ちであった。好みをいわせてもらえば普通の麺のほうが合うと思う。辛さに痺れた舌を、デザートにつくよく冷えた杏仁豆腐の、ほどよい甘みが心地よい . . . 本文を読む