温泉クンの旅日記

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読んだ本 2024年5月と6月

2024-06-30 | 雑読録
  <読んだ本 2024年5月と6月>

「くそっ! どんだけ待っても無人になる瞬間がこねえわ!」

 

 嵐山の竹林の小径にある「野宮(ののみや)神社」の、正面に建つ鳥居は「黒木の鳥居」と呼ばれ、樹皮が付いたままの「椚(クヌギ)」の木で組み建てられている。両袖を囲うのは、「黒文字(クロモジ)」の木を束ねた「小柴垣」である。
 日本最古の鳥居様式と伝えられており、紫式部による『源氏物語』の第十帖「賢木」の巻にも登場するのだ。
 押し寄せる人波は、圧倒的に外国人観光客が多い。
 ずっと構えてシャッターチャンスを狙っているのだが、いい加減、鳥居をあきらめることにした。

 

 野宮神社は、縁結びや子宝、学問などさまざまな祈願ができる神社として人気がある。
 恋愛成就のご利益もある最強の神社としても、カップルたちや、特に女性に大人気だそうだ。

 

(いずれ・・・また早朝に来ることにしよう・・・)
 嵐山のほんの小さな神社でさえ、ニュースでよく聞く「オーバーツーリズム」をまさしく実感できた。

 

 京都は、円安の影響もありインバウンド客がやたら多い。
 なにしろ1泊5万円を超す宿泊料金を「安い!」というのだから、始末に負えない。需要と供給の大原則に従って、宿泊料金は軒並み高くなってしまった。
 次の京都旅の宿泊には、そろそろまた滋賀とか大阪も考えたほうがよさそうだ。でもそれだと、嵐山に早朝到着のためには、どんだけ早起きすることになるだろうか・・・。

 さて、5月と6月に読んだ本ですが、微増しての7冊、累積で21冊。

 1. ○市塵 上            藤沢周平        小学館文庫  
 2. ○紅刷り江戸噂         松本清張        光文社
 3.◎正義の弧 上         マイケル・コナリー   講談社文庫
 4.○正義の弧 下         マイケル・コナリー   講談社文庫
 5.○佐渡流人行          松本清張         新潮文庫
 6.○陰陽師             夢枕獏          文春文庫
 7.◎下鴨料亭味くらべ帖 2   柏井壽          PHP研究所

 陰陽師を読んでいたら、<方違え>の法がでてきた。
 足利で5カ所ある「八雲神社」で迷って苦労した際に、悔しくて、うろ覚えの陰陽道の<方違え>をしたんだと苦し紛れの言い訳をしたのを思いだした。
 
  『方違え(かたたがえ)というのは、外出時に、その方向が天一神(なかがみ)のいる方角であった場合、
  いったん別の方向に向かって出発し、目的地と異なる場所で一泊し、その後に、目的の場所へ向かうことをいう。
   禍つ神(まがつかみ)のわざわいを避けるための、陰陽道の法である。』


 どうやら正しくは、一泊するらしい。

「下鴨料亭味くらべ帖2」。
 老舗料亭「糺ノ森山荘」の九代目女将の明美は思う。

  『そう言うたら、最近の京都で一番人気を呼んでる料理は海鮮丼なんやそうです。
   わたしらみたいに京都で生まれ育ったもんには、とんと理解できません。
   京都の街なかは海から遠いさかい、生のお魚をそのまま出すんやのうて、ひと手間掛けてお出しすることで、
   京料理て言われるもんが発達してきたんです。
  ― 略 ―


 

   スーパーで売ってるお刺身盛り合わせを、ご飯に載せただけの海鮮丼を、京都の名物料理やなんて言うたら、
  うちの父が化けて出そうです。
   漁師町の店やったらそれを名物にしはってもええ思いますけど、京都と海鮮丼は似合いません。
   あんまり大きい声では言えしませんけど、最近のお客さんは、<映え>さえしたらそれでええ、
  と思うてはるように見えます。おいしいかどうか、より、先ずは<映え>てな風潮はいつまで
  続きますんやろ。』


 あまり<映え>を考えないが、食べる前に、癖でいつも「ブツ撮り」してしまうわたしには、なんとも耳が痛い。

  →「読んだ本 2024年3月と4月」の記事はこちら

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