温泉クンの旅日記

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眼光に・・・

2012-08-31 | 俳句、なぁーんちゃって
  <眼光に・・・>

 この猫は決して鳴かない。
 頑なに鳴かない。

 いつでも完全黙秘である。
 それに首に付けた鈴を、どういうわけか鳴らさないで歩くことができる。だから、いつもどこにいるのかさっぱりわからない。

 でもけっして鳴けないわけではないのだ。
 病院に連れていくと、治療室からライオンのような咆哮が聞こえてくる。この猫が「あたしに触るんじゃない! その汚い手をいますぐに離せ!」と威嚇しているのだ。

 この猫は鳴かずに、強烈なその視線でダイレクトに心に語りかけてくる。
 眼は口ほどにものを言い・・・とはこの猫のためにあるような言葉である。

  心奥を 瞬きもせず とっくりと




 まさに、ひとの心奥(しんおう)を見透かし、見破るような眼光眼力だ。

  眼光に 思わず気圧され 顔逸らし

  心奥の 秘密を見抜く 眼力よ




  →「海、すねる」の記事はこちら

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