
身体も大きければ声も大きい。現代劇にも多く出演されておられますが、私としては時代劇のイメージが強い。
代表作はやはり、必殺シリーズ第4弾『暗闇仕留人』の大吉でしょう。
石屋の大吉の必殺技は、その大きな身体を生かした力技、必殺「心臓ひねり」。クルミを握りつぶすほどの怪力で、人間の胸の奥まで手を突っ込み、そのまま心臓を握りつぶしちゃう。
どう考えても出来るわけがない技です。心臓の手前には皮膚もあり筋肉もあり、肋骨もあり肺もある。それらをどうやってすり抜けて心臓に到達するのか、無茶苦茶あり得ない技なわけですが、まっ、いいんです。なんたって「必殺」ですから(笑)
この大吉さんは無類の女好きで享楽主義者したが、一方、時代劇『江戸の旋風(かぜ)』で演じた南町奉行所同心・高瀬は無類の堅物。その大きな声で人を怒鳴りつけるために誤解されやすいが、実は情に篤い優しい人物。武骨で真面目な役柄を見事に演じていましたね。
この『江戸の旋風』。内容としては時代劇というより刑事ドラマに近い。しかしちゃんと時代劇としてなりたっているところが絶妙で、70年代当時のテレビ時代劇の質の高さをよく表している名作です。主演の加山雄三は粋な江戸っ子。軽妙な津坂匡章(現・秋野大作)にダンディで渋い露口茂。そして武骨な近藤洋介と、それぞれのキャラもよく立っています。
CS時代劇専門チャンネルではついこの間まで、この『暗闇仕留人』と『江戸の旋風』を連続して放送しており、あの2時間はちょっとした「近藤洋介アワー」でしたね(笑)
最近はあまりお見かけしなくなりましたが、2010年頃までは舞台出演もされていたようです。時代劇がすっかり少なくなってしまった昨今ですが、あの大きな声を是非にももう一度聴きたいものです。
御年84歳。まだまだ、これから。
近藤洋介さんの大きなお声、是非聴いてみたいです!ホントまだまだ頑張ってほしいですね!