あけぼの

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澄んだ目と「常に勝利に向かって=Hasta la victoria siempre」の字が踊るTシャツ

2015-04-14 08:50:56 | 旅行記、多文化教育、国際

  美しいトリニダーの街とバラデロの海 「幸せですか?」夫は人々に質問した。「お仕事は何ですか?お給料は?幸せですか?カストロさんを好きですか?」政治の話題は避けるべきだろうし、こんな質問には答えられないだろうと思ったが、6人ほどに尋ねた。「教育費や医療費の無料は助かります。母の病気では徹底的に治療を受け無料でした。でも人民ペソ(CUP)で受給し、だっ換ペソ(CUC)で買物するのは楽じゃありません。CUCでしか買えない物が多いから」とレストラン従業員女性。CUCの価値はCUPの24倍だ。「大学の看護学部に5年間行きましたが無料です。私はこの国が好きですが姉はアメリカに去りました」と看護師女性。民宿経営者曰く、「宿泊客リストはお役人が毎日点検に来る」と。ホテルのベル・ボーイは「毎日12時間立ちっぱなしでとても疲れる。チェの理想とした社会は良かった。今の政府は国民にうまく分配しないので生活は苦しい。外国などとても行けない」。「カストロさんを好きですか」の答えは五分五分だった。タクシー運転手の1人は「共産主義はいいけどカストロは好きではない」と答えた。皆さん正直に答えてくれたのは予想外だった。

 チェのベッド 質素でしょ。 常に勝利に向かって スペイン植民地時代そのままの古い街、世界遺産、トリニダーを訪問したが、18、19世紀のコロニアル建築が佇み、時が止まったように静かな街だった。チェ・ゲバラの霊廟のあるサンタクララは特別美しい街だった。革命戦争指揮官姿のチェの台座には「常に勝利に向かって」とスペイン語で彼の名言が。ハバナのチェ・ゲバラ邸も訪れたが、質素な建物に質素なベッド。アルゼンチンはコルドバ郊外の裕福な家庭に育ち、医者となったチェ。フィデルと出会い、キューバ革命には軍医、指揮官として参加、体制打倒後も要職に甘んぜず、地位に執着せず、未開放地区の人々を幸せにしたいとコンゴに出向き革命失敗、次にはボリビアに行き、政府軍との戦闘で捕虜となり、翌日銃殺された。39歳の若さだった。このゲバラ邸には彼の使った治療用具やボリビア潜入地の服装等の写真が展示されているが、その優しい顔と目が彼の信念、自信、頭脳、人間愛、行動力等の人間性と魅力で惹きつける。人民愛から兵士として死んだチェ、日本でも多くのファンがいる。筆者はボリビアやコルドバ市の実家等、彼に因む多くの地を訪問したが、コルドバのバス停前の埃っぽい店で買ったTシャツ、彼の澄んだ目と「Hasta la victoria siempre」の文字の踊るTシャツは筆者の宝だ。限りなく懐かしさ人間らしさを感じた国を去る日、後ろ髪を引かれて。(彩の渦輪)

 クラシックカーの客待ちタクシー サンタクララに建つチェの像


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