内容(「BOOK」データベースより)
家族のことが、好きですか?郊外のダンチで暮らす京橋家のモットーは「何ごともつつみかくさず」。でも、ひとりひとりが閉ざす透明なドアから見える風景は…。連作家族小説の傑作。
結論から言うと、微妙・・・かな。
なんか宮本輝に続けて同じような色合いの小説読んじゃった観。宮本輝のほうがもうちょっとスカッとしてるかな。
とにかく嫌悪感を抱く。にも関わらずどんどん読み進めたくなる。「読みたい!」と思わせるのが作家の腕ならば、この著者もプロフェッショナルであることは間違いないのだけど。
「家族間に秘密を持たない」というモットーを持つ家族がその実秘密まみれだった、というのはそれほど新しくはないし、家族だけでなく人間のコミュニティってものは基本こんなものだと思う。秘密ゼロの人間って、ありうるの?
なかでも一番厭なのは、お母さんも長女も長男もおばあさんもそれぞれに内なる悲しみを背負ってそれでも明るいキャラを演じているように書いといて、お父さんだけ単なるマヌケとして描くって・・・あんまりじゃないか。
反発を覚えながらもやめられないのは、型にとらわれない文章の卓抜さか。そこは評価するのだけど。でももう一回読もうとは、思わないかも。なにしろ読後感が悪い。
せっかく話題の人気作家に手を付けたのに、1作目の選択が悪かったかな?