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『ビブリア古書堂の事件手帖3』三上延

2012-08-21 | 読書
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内容(「BOOK」データベースより)
鎌倉の片隅にあるビブリア古書堂は、その佇まいに似合わず様々な客が訪れる。すっかり常連の賑やかなあの人や、困惑するような珍客も。人々は懐かしい本に想いを込める。それらは予期せぬ人と人の絆を表出させることも。美しき女店主は頁をめくるように、古書に秘められたその「言葉」を読みとっていく


まず、シリーズ化して続いていくらしいことを素直に嬉しく思う。中に出てくる古書の知識はとてもありがたい。ぼくは取り立てて古書マニアとは呼べないが、それにしても自分の知らないところでこれほどの市場があることはすごく興味深い。

今回では古典SF『たんぽぽ娘』という作品に激しく興味を持ったが、調べたらやはり高価だった。誰も知らないような古い本が数万円で取引される実態に驚愕を覚える。

推理小説というほど大上段には構えておらず、ほんわかした空気が心地良い。舞台となっている鎌倉という土地柄がそれに拍車をかけているのか。

読者レビューでは「キャラが薄い」だの「謎解きが安易」だの、不平も多いけど、個人的にはキャラや謎解きはおまけみたいなもので、太宰治から藤子不二雄までジャンルを問わない古書の豆知識はそれだけで十分楽しめる。

中でも今回宮沢賢治が採り上げられてテンションが上った。あたりまえだけど好きな作家が脚光を浴びてつまらないわけがない。

そういう意味では“本好き”に限りお薦めしたい本かな。

ところで、巷では「ビブリアバトル」なるものが開催されるようになったそうだ。要は書評コンテストのことで、個人的には興味津々だが、まあ都内の話だろうから田舎モンには関係なし。