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永世王将誕生によせて

2007-03-21 | 将棋
ついに羽生善治が永世王将という偉業を達成した(王将というタイトルを10期獲った)。すでに達成済みの永世王位、永世棋聖、名誉王座、永世棋王につづき永世5冠ということになる。このまま永世7冠も夢じゃない(あと2つは名人と竜王)、まったく凄い男だ。化け物と呼ばれても反論できんだろ。

相も変わらず飽きもせず将棋をやっている。努力の甲斐なく半端なく弱いと時々書いているが、実際にはほんのわずかずつは進歩しているんだと思う(思いたい)。

「弱い」というのは、将棋の世界を知れば知るほどその宇宙のような壮大さを感じ直しているということで、多少強くなっても世界が広がってけば相対的に己の小ささを感じてしまうわけだ。

将棋クラブやインターネットで以前ほどは指さなくなったが、指すとそれなりの手ごたえは感じるようになった。
将棋というのはまるっきり数学で、数学の得手不得手が大きく影響すると思っていたが、どうもそうじゃない。もちろん、プロになるようなのは飛びぬけたセンスが必要だが、ある程度まで強くなるのは手筋を覚えているかどうかによるようだ。

手筋とは「こう指したらこう指す」みたいなお約束事で、単純に何種類とはいえない。細かく選別したら数千に上るかも。それを実戦や詰将棋や棋譜集などで覚えていくわけだ。だからドカタのオヤジが強くても不思議ではない、IQではないのだ。

最近は「指す」より「見る」がメイン。日曜日のNHK将棋トーナメントは欠かさない。なんか、思いっきりジジイだなあ・・・
(ちなみに18日の今期決勝戦は今回王将戦の挑戦者・佐藤康光が優勝)
で、見てて思った。トッププロも実戦での狙いどころは我々へなちょこアマと同じようなものだということ!

いや、誤解を招いたか?手順=方法は全く違うが、目指すところは初心者が学ぶような「王手飛車取りの筋」だったりするのだ。
まだ表現が安易過ぎるか?例えば飛車の頭に歩を打って、その歩を取ったら王手飛車取りだから取れないとか、王手飛車の筋を避けて不本意ながらこう指し進むとか、そんな基本中の基本を軸にして展開している。そういった解説を見るたびにあたりまえのことだけど、ああ、こいつらも我々と同じゲームをしてるんだと認識できる。

まあ、それが見通せなくて王手飛車を食らうわけだが。その見通しを経験で補っていくのだろう。だから牛歩のようなスピードでもやってれば進歩するのだと、多少勇気を持てた。松井やイチローが今でも素振りをやるように、結局何事も基本が大切なのだ。まあその基本に忠実ってのが意外と難しかったりするんだけどね。