
やや~、狩野川能は半年の稽古の成果をみごとに発揮して、小中学生の演目は大成功を納めました! あ~~よかった~ ぬえは幸せです~ (^^)V
今回の狩野川能での子どもたちが出演した番組は次の通りです。
連調(小鼓と大鼓の合奏)『高砂』=小2~4年
仕舞『吉野天人』『小督キリ』=中1・2年
連管(笛の合奏)『破之舞』=小5~中2年
そうして子ども創作能『伊豆の頼朝』。恒例の子ども創作能ではありますが、今年は新作の初演です。台本は ぬえをはじめ何人かの能楽師の共作なのですが、頼朝の蜂起という史実を脚色するため、ぬえが『吾妻鏡』やら『平家物語』などから本文を引っ張ってきちゃったものだから、文章は難解を極めることに。。台本を作った ぬえさえも完璧には覚えきれないほどで、これで舞台上でお役の子どもに絶句されちゃったらどうしよう、と内心びくびくしながら地謡の後見を勤めていましたが。。
ところが ぬえのそんな心配はよそに、み~んな大きな声で謡って、物怖じなく演じきることができました! なかでも最後に戦って敗れる平家の伊豆目代・平(山木)兼隆の、その戦いの場面では ちょっと面白い演出を考えたのですが、ここはお客さまからも「おおっ!!??」と どよめきが起き、その後万雷の拍手を頂きました! これは子ども創作能でも初めて感じるリアクションでした。まあ役者にも恵まれたし、彼らのチームワークも抜群だし、彼らの力によって勝ち得た称賛でありましょう。
動作の派手さよりも貫禄と気品を期待した 源頼朝役の伊藤瞭くんですが、これも狩衣・風折烏帽子姿も凛々しく、言葉も明瞭なのに立ち居振る舞いは物静か。まさに適任のお役だったと思います。どうしても小学生にはチャンバラをやるお役の方が人気が偏るのですが、中にはこういう「風情」が必要な役に応えられる人材もあります。その意味では前述の平兼隆役の鈴木礼智くんも、稽古のはじめこそ戦いの場面に興味を示していましたが、やがて平家の当地の頭領のお役の自覚が出てきたのか、歩き方や姿勢まで堂々としてきました。
それから今回 特筆すべきは地謡の充実でしょう。毎年 お役も地謡も含めて、子どもたちの稽古のときには毎度毎度口をすっぱくして「大きな声を出して!」と、ぬえの方が怒鳴っている感じで、やがて彼らが責任感を感じてくるに従って、ようやく声も出てくるものです。ところが今年に限っては地謡が最初から完成されちゃっていました。地謡は小学校の低学年の子に担当してもらうのですが、まあ~物怖じせずに最初から大きな声で謡ってくれる子が何人もいて、ぐいぐい みんなを引っ張って行っちゃいます。ついでに ぬえまで引っ張って行かれちゃいました。(^◇^;)
立ち方のお役については、今年は男の子がたくさんいたために、このような難しい台本でもビジュアルとしてちゃあんと成立させることができました。来年はどうなるのかな~~ 今年と同じ、いや より良い舞台になることを期待します!
トップ画像は ぬえが勤めた玄人能『望月』です。こちらもほぼ間違いもなく勤めることができたと思います。『現在七面』『望月』と、ぬえには難しい能が あまりにも近い時期に重なっておりましたが、まずは大過なく勤められました事をありがたく思います。ご来場頂きましたお客さまには心より御礼申し上げます~
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