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ぬえの能楽通信blog

能楽師ぬえが能の情報を発信するブログです。開設16周年を迎えさせて頂きました!今後ともよろしくお願い申し上げます~

チーム神戸 in 幡ヶ谷(!)

2011-12-10 01:13:19 | 能楽の心と癒しプロジェクト
あまりにも突然なことでびっくりしました。

この年末に4度目の石巻訪問を計画している ぬえら「能楽の心と癒しプロジェクト」は、現地でとっても頼りになるボランティア団体「チーム神戸」のお世話になっていて、いまも報告やら相談やらを度々メールで申し上げているのですが。そのリーダーの金田真須美さんから「東京で仲間と飲むんですが いらっしゃる?」とお誘いを受けました。へ?東京に見えるんですか??

そして伺いましたのがここ、新宿にほど近い幡ヶ谷にある「36°5」というアコースティック・ライブ・バー。。んん~~っ!?

ぬえが驚いたのも無理はない。ここ幡ヶ谷は ぬえの師家のお宅にほど近く、ぬえは書生時代10年以上をこの街で過ごしていたのでした。この歩道は ぬえの汗と涙が染みついている場所なんです。涙は本当に染みついているかもしれません。

で、このお店。ぬえはまだ入ったことがなかったのですが。。このお店になる前は。。一時ラーメン屋さんでしたね~。その前は。。ピアノが置いてある、やはりライブもやるカフェ兼バーのようなお店でした。この頃は何度も訪れたことがあるのですが。

さて到着してみると、若い方々が「チーム神戸関係者」として一角を占めている席に案内されました。なんとなく話しているうちに、「能の方ですよね?」なんて、ぬえの事を知っている方まであってまたびっくり。程なく「チーム神戸」リーダーの金田真須美さんも登場して、一気に盛り上がりました。金田さんは東京や神奈川の支援団体や関係者との打合せでこちらにいらしていたんですね。

さてようやく集った面々できちんと自己紹介。なんとここに集った若い人たちは、ほとんど阪神大震災の際に東京近郊から神戸に駆けつけた人々だったのでした(!)それ以来ずっと「チーム神戸」(…というか、これは東日本大震災の救援のために神戸で組織された混成ボランティアで、その母体となる「すたあと長田」という団体)の金田真須美さんとの親交があって、いろいろな形で「チーム神戸」とリンクして今回の震災の援助活動をされているのです。うわ~。神戸の震災のときは ぬえはまだ書生でして、この幡ヶ谷で朝テレビを点けて愕然としていたものでしたが。この、ぬえよりも若い方々はその当時からのお付き合いがあったとは。。

そうして、この「36°5」というお店を経営している若いご夫婦は、アコースティックのユニット「815」を結成していて、この日も歌って踊って楽しそう。



これを見ながら金田さんが ぬえに教えてくれました。「この曲…これはカバー曲なんやけどな。阪神の震災のことを歌った曲で。この二人はまだその頃は出会ってもいなかったんだけれど…」その曲に打たれて 自分たちなりに突き詰めていって…そうしてある日突然金田さんにコンタクトがあったのだそうです。「調べていったら…あなたに突き当たった…震災からずいぶん年も過ぎているんだけれど、何かできることはありませんか?」。「おお!あるで。」

こうして親交が始まったのだそうです。世の中って面白い。そうこうしているうちに「815」のお二人の歌も佳境になり、奥さんの方の「宇海(ううみ)」さんがピアニカを吹きながら廻っています! 金田さんは目を細めて「あの子…湊小でもああやって廻ってたんやで。ボランティア・テントの横で」と うれしそう。お店には「チーム神戸」のための募金箱もちゃあんと用意されてありました。

ふふ。なんか得した気分の一日でした。

「36°5」サイト
「815」サイト