東京にいる妹を訪ねてみようと思い立ったのは正月明けであった。
昨年、腰の骨を折ったが、順調に回復したということだった。
電話では快活な明るい声ではあったが、運動不足などで体力が衰えているだろうと気にかかっていた。
2月には日程を決め、取り敢えず便だけ予約した。
東京には仕事で数えきれないほど行ったが、目的を達したら、とんぼ返りばかりだった。
横浜には一度だけ立ち寄ったことがある。
列車を降りて、横浜駅前のレストランで娘と昼食を食べただけだった。
これじゃあ、横浜に行ったことにはならない。
そんなことで、妹の元気な顔をみたら横浜・川崎を歩いてみようと決めた。
5月中旬。
那覇空港10時発の全日空機で那覇を発った。
薄めのジャケットに長袖のスポーツシャツ、所謂、春の気候に合わせた。
この頃、日本全土は冬になったり、夏になったりの不安定な気候だったので、バッグには半袖のポロシャツと長袖のアンダーシャツと長裾の下着を入れた。
お土産は数日前、沖縄の菓子類を買い込み、ダンボールに詰め込んで宅急便で送ってあったから身軽だった。
沖縄を離れるのは5,6年振りだった。
5年前、免許証を自主返納したから、空港には出迎えも、見送りにも来ることがなかった。
久しぶりの筈なのに、以外に時の流れを感じることはなかった。
空港ロビーの賑わいも、売店の陳列も搭乗口で待つ人々の列も変わらなかった。
搭乗の際、機内に入るところで「新聞は・・・」と問うと、
「新聞は積んでおりません」と中年の女性スチュワーデス、否、客室乗務員から言われた。
席について、落ち着いて機内を見渡すと、通路を行き交う乗務員たちがほとんど中年だった。
やはり時代は変わっているのだと苦笑いした。
窓外の景色を楽しもうと窓側の席を予約していた。
離陸するときは、ほぼ満席だったので助かった。
格納庫の前の駐機しているのは海上自衛隊の哨戒機P3Cだろう。
10数年前、あのP3Cに乗って、ここから尖閣列島上空を飛んだ事を思い出した。
糸満上空。
曇りであったが、市街を見下ろすことが出来た。
離陸後、直ぐに外界は雲海に一変した。
雲海をぼんやりと見下ろすのは嫌いではなかった。
遠くに盛り上がる雲は、時には雪を抱く高山の峰にも見えた。
ときには雲海が広く切れて、まるで湖のようにも感じた。
想像を逞しくしたものだった。
きょうの空には魅力を感じなかった。
こういうときは機内で新聞を隅々まで読み、退屈な時間を過ごしたものだった。
その新聞のサービスはないという。
座席に取り付けられた袋から雑誌などを漁る。
イヤホーンを使ってみるがすぐに飽きた。
隣席の中年男性から声をかけられた。うとうとしていたらしい。
通路にワゴンを押す乗務員がなにか言っている。
一段と耳が遠くなったらしい。
面倒だからコーヒーを頼んだ。
有料だったか、サービスだったか、一ヶ月を過ぎた今は記憶にない。
隣席の男性の話が面白かった。
今年65歳になるという。
歳を聞いて驚いた。50代前半と思っていた。
今年、引退するつもりだという。
会社を経営しているという。
「観光税というか沖縄観光に来る人から500円取ろうかという案が検討されているらしい」
とこの若々しい、エネルギーに満ちて、話し上手な彼に話題を投げかけてみた。
彼は知らなかった。
「新聞で一度見かけただけですから・・・」とことわりを入れた。
このことが契機となって、彼からとてつもなく面白い経験談を聞くことになる。
話の内容は割愛するが、彼のアイデアとその行動力には突き動かされるような衝動を感じた。
これほど心を動かされたことは10数年なかった。
「これからの沖縄を、沖縄観光をどうするか」というものであった。
気が付いたら、機は着陸態勢に入っていた。
「その案は捨てないで、なにか方策があるかもしれませんよ」
別れ際、携帯番号を交換して別れた。
30年前、沖縄に来たとき、驚いたことがふたつあった。
ひとつは、「日本で最後の大和撫子が残っている」ことと、
いまひとつは、地方なら、当然県外に出ていたであろう「才能ある素晴らしい先輩たちがいる」ことであった。
縁あって、その先輩たちの酒席に同席することになった。
ゴルフもした。旅行もした。
驢馬が駿馬の群れに紛れ込んだようなものだった。
彼と別れて、ふと、その事を思い出した。
滑走路に入ったところで、この写真を撮るのが精一杯だった。
<それぞれの画面をクリックしてください。拡大画面になります>
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昨年、腰の骨を折ったが、順調に回復したということだった。
電話では快活な明るい声ではあったが、運動不足などで体力が衰えているだろうと気にかかっていた。
2月には日程を決め、取り敢えず便だけ予約した。
東京には仕事で数えきれないほど行ったが、目的を達したら、とんぼ返りばかりだった。
横浜には一度だけ立ち寄ったことがある。
列車を降りて、横浜駅前のレストランで娘と昼食を食べただけだった。
これじゃあ、横浜に行ったことにはならない。
そんなことで、妹の元気な顔をみたら横浜・川崎を歩いてみようと決めた。
5月中旬。
那覇空港10時発の全日空機で那覇を発った。
薄めのジャケットに長袖のスポーツシャツ、所謂、春の気候に合わせた。
この頃、日本全土は冬になったり、夏になったりの不安定な気候だったので、バッグには半袖のポロシャツと長袖のアンダーシャツと長裾の下着を入れた。
お土産は数日前、沖縄の菓子類を買い込み、ダンボールに詰め込んで宅急便で送ってあったから身軽だった。
沖縄を離れるのは5,6年振りだった。
5年前、免許証を自主返納したから、空港には出迎えも、見送りにも来ることがなかった。
久しぶりの筈なのに、以外に時の流れを感じることはなかった。
空港ロビーの賑わいも、売店の陳列も搭乗口で待つ人々の列も変わらなかった。
搭乗の際、機内に入るところで「新聞は・・・」と問うと、
「新聞は積んでおりません」と中年の女性スチュワーデス、否、客室乗務員から言われた。
席について、落ち着いて機内を見渡すと、通路を行き交う乗務員たちがほとんど中年だった。
やはり時代は変わっているのだと苦笑いした。
窓外の景色を楽しもうと窓側の席を予約していた。
離陸するときは、ほぼ満席だったので助かった。
格納庫の前の駐機しているのは海上自衛隊の哨戒機P3Cだろう。
10数年前、あのP3Cに乗って、ここから尖閣列島上空を飛んだ事を思い出した。
糸満上空。
曇りであったが、市街を見下ろすことが出来た。
離陸後、直ぐに外界は雲海に一変した。
雲海をぼんやりと見下ろすのは嫌いではなかった。
遠くに盛り上がる雲は、時には雪を抱く高山の峰にも見えた。
ときには雲海が広く切れて、まるで湖のようにも感じた。
想像を逞しくしたものだった。
きょうの空には魅力を感じなかった。
こういうときは機内で新聞を隅々まで読み、退屈な時間を過ごしたものだった。
その新聞のサービスはないという。
座席に取り付けられた袋から雑誌などを漁る。
イヤホーンを使ってみるがすぐに飽きた。
隣席の中年男性から声をかけられた。うとうとしていたらしい。
通路にワゴンを押す乗務員がなにか言っている。
一段と耳が遠くなったらしい。
面倒だからコーヒーを頼んだ。
有料だったか、サービスだったか、一ヶ月を過ぎた今は記憶にない。
隣席の男性の話が面白かった。
今年65歳になるという。
歳を聞いて驚いた。50代前半と思っていた。
今年、引退するつもりだという。
会社を経営しているという。
「観光税というか沖縄観光に来る人から500円取ろうかという案が検討されているらしい」
とこの若々しい、エネルギーに満ちて、話し上手な彼に話題を投げかけてみた。
彼は知らなかった。
「新聞で一度見かけただけですから・・・」とことわりを入れた。
このことが契機となって、彼からとてつもなく面白い経験談を聞くことになる。
話の内容は割愛するが、彼のアイデアとその行動力には突き動かされるような衝動を感じた。
これほど心を動かされたことは10数年なかった。
「これからの沖縄を、沖縄観光をどうするか」というものであった。
気が付いたら、機は着陸態勢に入っていた。
「その案は捨てないで、なにか方策があるかもしれませんよ」
別れ際、携帯番号を交換して別れた。
30年前、沖縄に来たとき、驚いたことがふたつあった。
ひとつは、「日本で最後の大和撫子が残っている」ことと、
いまひとつは、地方なら、当然県外に出ていたであろう「才能ある素晴らしい先輩たちがいる」ことであった。
縁あって、その先輩たちの酒席に同席することになった。
ゴルフもした。旅行もした。
驢馬が駿馬の群れに紛れ込んだようなものだった。
彼と別れて、ふと、その事を思い出した。
滑走路に入ったところで、この写真を撮るのが精一杯だった。
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久々に更新うれしく拝見しましたよ!
東京行きのお話、興味深く読ませて
いただきました。
まだ、このつづきがあるのでしょう~
楽しみにしていますよ!
PCが使えなくなった少しの間、
ランクが45位まで下がってしまい毎日、
ポチしたのですがやっぱりご主人さまがいないとランクは30位くらいしか上がりませんでした。
それがnoratanが復帰したらどんどんと
あがってきましたよ!
やっぱり、ちゃんと知っているんだね!
飛行機の隣に座った方のお話、興味深いですね。
noratanさんが興味を持つぐらいだから、深いお話なんでしょうね(*^^*)
飛行機の中は、まだ飲み物は無料ではなかったですか(^^)
外国の飛行機では、有料が当たり前になってきましたが(^^ゞ
LCCは全てのサービスに料金がかかりますね。
それなら通常便と変わらなくなると思いましたよ。
ちゃんとしたサービスを受けられる、通常の飛行機で旅行する方が、
旅行の気分を味わえます、特に海外便はね(^_-)-☆
仕事で使うならLCCでも良いかもね、荷物が少ないから(^_^;)
妹さんも元気で居られたのですね、行って良かったですね(^O^)
留守中はありがとうございました
忘れない内に記事にしておこうと思っています。
今朝は早かったでしょう
毎朝、6時前には起きているのですよ
軽いストレッチを小1時間やって一日が始動です(ここまで7:30)
(ここから10:10)これがいつものパターン
いつの間にやらこうなってしまいました
朝早くからありがとうございました
今度の旅行で一番ビックリしたのは航空運賃です。
予約したのは三ヶ月前でしたから片道9010円でした。通常運賃が43710円ですよ。
暇で、少し余裕のある人間には好きな旅行が出来ますね。
因みに、沖縄~松山は11000円ちょっとでした。
海外線もLCCでなくとも安くなりましたね。
私の時代からみたら、パッケージ旅行も安くなりました。
昔は旅行費の大半は航空運賃でしたから。
写真の拡大機能の操作を忘れてしまいました。
イチから出直しです
とても珍しい色々なショット、見せていただき、siawase気分です。
ありがとうございました。
ブログ交流で、ちょっと得した気分、いいものですね。
応援ポチ。
この方法でやってみてください。
多分一番簡単なやり方ですから、e(^。^)9 ファイト!!
http://www6.plala.or.jp/mamoho/HTML/lesson6/gazou.html
練習してみてね、大きい画像(1000~1200Pixel)を用意しておいてね(^^)
記事が長文なので申し訳ありません。
今日は久しぶりの晴天で気分爽快です。
午後からやってみます
ありがとうございました。
コメントが遅れて申し訳ありません。
久し振りのブログでじっくり読ませていただきました。
東京は久し振りのようですが、noratanの気持ちが良く分かるような文書で良かったです。
流石です。
②はまた後でコメントします。
ベルさんのコメントにもありましたが、隣に座った男性の話気になります。
又、つぎの機会に紹介して下さい。
沖縄は雨が降っているようですが、こちらはまだ梅雨に入っていません。
ダムが80%をきり、水不足が心配です。