あれやらこれやら いろいろ沖縄

沖縄に住み30数年の県外居住者が見た沖縄の生活や人情・自然や文化、観光。「あれやらこれやら」気ままに。

沖縄の社会~本土復帰を夢見た沖縄の心②~4・28屈辱の日 5・15本土復帰の日 6・23慰霊の日

2012年05月17日 20時26分39秒 | Weblog
昨年6月25日本土行き機上から撮影。
沖縄戦の実質的な終戦の記念日6月23日「慰霊の日」の2日後である。
那覇空港を飛び立って間もない沖縄の上空。
本島がもうこんなに小さく見える。
20数万人の人々がこの島で死んでいったことを思うと胸が詰まった。

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 きょうは沖縄が1972年5月15日に本土復帰して40年の記念の日。

 13日は数日前、本島各地から発した平和行進の最終日。
行進した人々は、13日(日)宜野湾に集結して集会を開いた。
その模様は「琉球新報」と「沖縄タイムス」にリンクした。

   5月14日 琉球新報一面トップ記事。

   5月14日 沖縄タイムス記事。 

 昨日(15日)午後、先月放映された「朝まで生テレビ”沖縄で激論!”」再放送があった。
沖縄で収録されたものらしい。
元大田沖縄県知事をはじめ在沖縄の人たちも多く参加していた。
議題は「沖縄にアメリカの海兵隊が必要か。普天間どうなる」というものであった。
この番組の特色で議論は八方に飛んでいく。
司会役の田原聡一郎も交通整理ならぬ議論整理に四苦八苦するが、司会者なのかコメンテーターなのか判然としないのも相変わらずである。
 ある者は沖縄の現状と苦渋を訴えるばかりで「だからーーーしよう」がない。
またある者は「米軍であれ、自衛隊であれ、兎に角軍隊は沖縄には要らない」という議論にもならない発言をする。
ある者は日本政府がどんなに苦労してやっているかを訴える。
 その中で森本敏拓殖大教授の発言は傾聴に値した。
日本全国どの地域でも「基地」を歓迎するところはないだろう、というものだった。
ならば日本の安全保障をどうするかという「日本」の方針を「日本」が決めるべきだという。
全く同感である。
日本自体の安全保障が決まってから日米安保の交渉がはじまるというものだ。
それが決まらないまま、沖縄の基地や日米安保を論じても実のあるものにはならないだろう。
 葉千栄東海大教授の発言も的を得た問題提起だった。
「安全保障の対象国はどこか、中国だろう
ならば中国を対象国として議論に具体性をもたせるべきだ」という主旨の発言であった。
葉教授の発言の真意は幾通りもの解釈があるだろうが、はっきりとものを云わない日本人の最大の欠点を指摘したものに思えた。

 2時間ほどの視聴を終え、やるせなさと空しさばかりが残った。
私が沖縄県民を代表するわけにはいかないが、毎日毎日、紙面の多くを埋める基地と政府の対応を目にしてきた私には、このテレビ討論さへ県民の心を捉えているとは思われない。
しかし田原氏はこれらの議論に深入りすることを避けているように捉えられた。
森本敏拓殖大教授、葉千栄東海大教授の発言も司会者はもう少し掘り下げてほしかった。

 終戦から復帰まで27年。
終戦の年に生まれた子は、親となっているほどの長い年月。
沖縄の戦争は終っていないと多くの県民は云う。
 復帰運動は熱いものであった。
復帰すれば全てが本土並みになると期待した。
ところが復帰後も実態は変わらないと県民は落胆し憤慨している。
この曲折した県民の心がわからずに基地問題を議論する。
県民は
「相も変わらず沖縄に押し付けている」と更に怒りを増幅させている。
県民の偽らぬ「心」を知るべきだ。

 「沖縄の心」を知るべきだといっても2年や3年くらい沖縄にいても判るはずがない。
基地問題はいろいろな場面で語られるが、各論の論点がばらばらで議論にもなっていない。
森本教授が問題提示したように、先ず、議論を日本の安全保障を「日本自身」がどうするかを議論の出発点にすべきだ。
そして、日米安保が必要というするならどういう安全保障体制を組むべきかを考える。
それから基地負担を如何に分散するか、または集約するかを検討すればよい。
そうすれば基地問題を国民は自分の問題と考えるだろう。
「沖縄には米軍であれ自衛隊であれ軍隊はいらない」という知識人の発言があった。
「沖縄の経済は基地で成り立っているだろう」という者もいる。
これでは基地問題は解決しない。議論も何もならないし、やっても無意味だ。

 先の県知事選で「沖縄独立」を主張する候補が1万票を獲得した。
独立論はまだ少数かもしれない。
が、2,3日前の琉球新報では「沖縄の独立について」というテーマで1ページにわたる企画があった。いろいろな人たちの論が掲載されていた。
このページを見たとき、ひどいショックを受けた。
ここまで沖縄県民を押しやった政府や本土の責任は大きい。

 枝葉末梢にとらわれた論理や空論だけでなく、葉教授がいうように本質論を本音で議論するべきだと考える。
今の状況では何も進まないだけか、沖縄県民の心は蝕まれていく。
私は日本人だ。
日本という国が好きだ。
同じ日本国民が閉塞感に苦悶している姿は見るに耐えない。

 同胞が苦しんでいる。


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