その日、私はちょっと変わった服を着ていました。
ちょうど1週間前、6周年バーベキューの当日の朝。
とにかく夏の暑さが苦手で、屋外だし、炭火だし、いちばん涼しい服を…と手に取ったのは、
スリランカ添乗の際に買い求めた薄くてひらひらのブラウス。
ろうけつ染めで亜熱帯の真っ赤な花が浮き上がっていて、
そでのところはヒラヒラになっていて、
ゆっくり手を広げると「ミニ小林幸子」という感じ。
海辺のリゾートにはぴったりです。
…が、その日は案外すずしくて、薄曇りの森のなかでは寒々しく見えたのでしょう。
「寒くない?」 「上着は?」
何人ものお客さまから、そう声をかけられました。
(たしかに肌寒くて、時折、さむイボを立てていました)
…そんな1日が明けて翌日。
前日のバーベキューにもご参加いただいた、あるお客さまが来店されました。
私は電話中で、別のスタッフが対応に出ましたが、
敷居の向こう側から聞こえてくるお客さまの声に、自然と耳がダンボに。
「昨日のAさんの服をみて、私も勇気づけられたのよ!」
ん?
「あれ、あの、蝶みたいな服、外国のでしょ」
ふんふん。
「で、私も思ったんよ、やっぱり、トライして着なきゃって」
うん?
ようやく電話を終えて、出ていってみると、
「あ、Aさん、見て見て!」 と手を広げてポーズしたお客さま。
見た瞬間、失礼…と思う間もなく、しゃがみこんで笑ってしまいました。
だって、アンデスの民族衣装(?)を着ておられたのです。
「もう何十年前になるかな、学生時代、グァテマラに行ったときに買ったのよ」
私の笑いは止まりません。
「我ながら似合わないなぁと思ったきり、ずうっとタンスの中で眠ったままのを
昨日のあなた見て引っぱりだして」
笑ってごめんなさい、でもそれ、ぜんっぜん似合ってないですよ。
「え~やっぱり? でもそんなにはっきり言うなんてひどい!」
一緒に小学生のようにケラケラと笑いながら、
なんだか子どもだった頃のその方が見えたように思いました。
似合ってはいない。
でも、でも、本当にかわいい。
もし、同じクラスだったら…
ありえないことをふと思うのは、そんなときです。
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