銀ステ根なし草

銀のステッキ旅行・スタッフの雑記帳

新潟は泣けます

2015年06月23日 | Hの生きる喜び、それは

果たして、どれだけの人があの日のことを覚えているでしょうか
2004年10月23日午後5時56分
新潟県を震度7の地震が起こりました
中越地震です
死者48名、住宅被害10万棟、山古志村は孤立し
全村民避難となりました

あの大震災から今年で11年
あらたな災害が次々と起こるなかで
過去の記憶は上書きされるように忘れさられていくようです

 埋まったままの家屋

悲しいかな、私もそのひとり

今回の企画がなかったら、記憶がよみがえることはなかったように思います

私たちは、新潟県山古志村、牛の角突きを訪ねました

千年続いてきた牛突きでしたが、地震により一時途絶えました

あの全村避難となった時も、半数近くの牛が犠牲になりました
家族同然に大切に育ててきた牛を見殺しにはできない
村民の強い思いが届き、ヘリが出動
残された牛たち全てを救出することに成功したのです

一時、途絶えてしまった牛の角突きですが、4年後見事に復活
復興の証、地元の人々の誇りとなったのです

全国でも数少なくなってきた、いわゆる“闘牛”
闘い、というのですから、勝敗がつくまでとことん闘わせる、
というのが牛突きの基本ルール
ところが、唯一、山古志だけは違います

勝敗をつけず、全取り組みを引き分けにさせるのです

その理由が山古志独特です

*死闘を繰り広げる様はかわいそうで見ていられない
*牛、というのは、いったん負けると闘志がなくなり
その後、二度と闘えなくなるので、牛を守るため
*勝敗が目的ではなく奉納を意味を強めるため
*牛の犠牲を最小限におさえるため

山古志の人々は、牛との関係を大切にし、守り抜くことを第一としているのです

その意味で、国指定重要無形文化財に指定されている唯一の牛突きなのです

かと言って、お遊び感覚の牛突きではありません!
闘い自体は真剣そのもの
1トン近い巨体と巨体がぶつかりあう時の、あの鈍い音
普段は穏やかで優しい眼をしている牛たちが
闘いともなると、眼は引きつり、血走り、鼻息粗く闘志むき出しとなります
勢いあまって、柵に激突してくる巨体もあり
観客席からは、歓声とも悲鳴とも聞こえる声が響きわたります!

最前列で観戦していた私たちの席近くにも
牛が猛烈なスピードで目の前に迫ってた時には、普段穏やかなお客様方も 「ぎゃ~!!」
・・・そうなりますわね

山古志の牛の角突きのもうひとつの見どころは、
牛と人間との闘いです
勢子(せこ)とい呼ばれる牛使いが、勝敗をつけさせないため
何名も束になって闘志が残る牛に飛び乗り引き分けにさせるのです

それがまた、冷や汗もの!

命がけで牛を守る山古志の人々、そんな姿に見えました

のどかな山あいの村で、これほど勇壮で郷土愛にあふれた祭りが
地震を乗り越えて、今こうして引き継がれている
そして、復興の証として、住民の誇りとなっている

その事実が山古志を支えているのです
誇るべき日本の姿そのものです

山古志の美しい自然、伝統、文化、そして震災の記憶
変わらない心が、ここにはありました

新潟は泣ける!
この一言に尽きる旅でした

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