地盤強化と地震防災 ⑰

2022年05月10日 | 防災と琵琶湖


作成日:2022.5.9|更新日:2022.5.10

地域循環共生圏概論 52
□ 地盤強化と地震防災 ⑰



第5章 津浪と建造物
5-1 地震別の災害シナリオ

2014年度の「滋賀県地震想定」(概要版)によれば「地
震別の災害シナリオ構成はつぎのようになる。 



また、災害シナリオの前提となる南海トラフ巨大地震
(基本ケース)による被害概要被害概要では、 
・県全域で震度6弱・5強
・県域の死者は約 10 人、負傷者は最大 1,300 人
・建物全壊2,400棟、半壊22,000棟。一部で火災も発生
・地震直後の県域停電率は約 8割、3日後にはほぼ回復
・固定電話・インターネットは電力供給に依存、携帯電
 話の輻輳(通話困難)は 1~2日間
・地震直後の県域断水率は約 4割、復電とともに回復
・県域の道路被害は約 700箇所、多くは液状化被害
・県域の鉄道被害は約400箇所、県全域で運行停止、安
 全点検・応急復旧後に区間限定で運転再開
・県全域の下水道処理場・中継ポンプ場で停電による運
 転停止、汚水流出
・地震と大雤が同時発生した場合、停電・通信障害等に
 より避難勧告の困難性

以上のように、県内での津波災害想定がなされていない。
従って、ごみ焼却場及び関連設備・器機類への津波対策
が設計基準などが反映されていない。次項のような設問
を設定し被災想定をイメージ想定してみよう。

5-2「琵琶湖に津波はあるか」
      最大で4・9メートル 滋賀県試算

 2014年3月17日、産経ウエストによると、琵琶湖で津
波は起こるのか、滋賀県が住民の不安に答える形で試算
したところ、最大で4・9メートルの津波が湖内の離島
に到達する恐れがあることが分かった。県は本土側でも
高さ3メートルに達する可能性があると試算した上で「
津波を伴う地震の発生確率は極めて低い」とみている。
東日本大震災後、琵琶湖で津波が起こる可能性について、
県などに問い合わせが相次いでいる。このため県は、湖
底付近を通る5つの断層を対象に、シミュレーションを
実施。考えられる最大規模の地震を断層ごとに想定して
津波の状況を解析公表。確率こそ低いが危険性、それに
よると、湖西部にある断層「西岸湖底断層系南部」では、
最大でマグニチュード(M)7・6の地震が発生。その
場合、湖内最大の離島で唯一の有人島「沖島」の西岸に、
4・9メートルの津波が到達する恐れがあることが分か
った。また、同断層系北部でM7・2の地震が起これば、
長浜市沿岸に3メートルの津波が達する、とした。県は「
西岸湖底断層系南部は活断層だが、300年以内に地震
が起こる確率はほぼ0%。他の4断層はいずれも活断層
ではなく、津波を伴う地震が発生する恐れは極めて小さ
い」と説明している。入倉孝次郎・京都大名誉教授(地
震学)は「琵琶湖でも津波が起こり得ることを知っても
らう意味で有意義な調査だ」と評価。琵琶湖の津波をめ
ぐっては、長浜市の遺跡から平安時代末期のものとみら
れる津波とみられる痕跡が見つかっている。



5-2-1 M7程度の地震発生が起これば
直近の琵琶湖周辺での被害地震は、1909年に発生したマ
グニチュード6.8の姉川(江濃)地震であり,その後
の約百年間は,大きな被害を生じる地震は発生していな
い。この事が「滋賀県には地震が少ない」という一般的
な滋賀県民の感覚につながっている.しかし,それは決
して正しいものではないと地震の発生確率は交通事故の
それより大きいと小泉尚嗣滋賀県立大学教授は指摘する。
琵琶湖周辺における震災リスク|9・3 公開シンポジ
ウム「巨大震災は海洋沿岸の生物にどのような影響を与
えたか?東日本大震災から学んだこと 該ブログ、2017
年9月6日)
。琵琶湖の周囲は、比較的新しい堆積層で形
成されており、いわゆる軟弱地盤である。このような地
盤は、琵琶湖から離れた場所で発生した地震に対しても
揺れを増幅する性質かある。今後30年間の発生確
率が
70%と考えられている南海トラフ(東海~四国冲)の
巨大地震では、滋賀県は震源域からかなり離れているの
にも関わらず、震度6弱以上の揺れが滋賀県の広い範囲
で想定され,その場所は,軟弱地盤の分布とほぼー致し
ている。また、そのような場所では,地盤の液状化のリ
スクも高い。M7以上の地震発生確率は、自動車事故よ
り遙かに高い発生確率、想定津波は水深が百メートルと
海より浅く、最大で1.5メートル、それより、天井川
が多い河川の亀裂による二次災害の洪水が心配だと指摘
している。

   

また、河川からの越水や堤防破壊などによる二次災害が
起これば、電力、浄水場、下水道、ごみ処理などの被災
など----被災ごみなどの処理----出来なくなり、住民の
サービスが滞ってしまう。従って、津波・洪水よる事前
設計及び対策を計画しておく必要がある。
                   この項つづく

【エピソード】

  




5月9日、滋賀県立琵琶湖博物館は大津市沖の琵琶湖で
チョウザメが定置網にかかったと発表(読売新聞オンラ
イン:2022.5.9 22:43)。琵琶湖にチョウザメは生息し
ておらず、同館は、飼い主が観賞用を放流した可能性が
高いという。同館によると、6日午前、大津市北部沖の
琵琶湖で、地元漁師が小型定置網を引き揚げたところ、
体長約1メートルのチョウザメを発見。捕獲し、同館に
連絡雌雄は不明だが、成魚とみられ、うろこやひれの形
から「ベステルチョウザメ」の可能性があるという。同館
は保護し、今後、粘液から採取したDNAを分析し、種
類を特定する予定。
個人的には、「丘水産業」は不可避と考えており、ブ
ログ(極東極楽:ごくとうごくらく)の副課題。鍵語は、
丘水産業/食糧安全保障/高度農林水産業/地域循環共
生圏/共通化(丘水産管理法整備)。浸透圧・高度水循
環処理・遺伝子編集・食品安全追従システム・特定食品
認定登録制度などの国際制度整備が不可欠になると思っ
ています。

【脚注及びリンク】
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