✺ 地域循環共生圏概論 ㊹
□ 地盤強化と地震防災⑨
第7章 プラント計画および土木・建築計画
7.1 熱回収施設のプラント計画
(2)主要設備計画
1) 受入・供給設備
2) 前処理設備(可燃粗大ごみ破砕機)
可燃粗大ごみは、リサイクル施設に一旦搬入され、
一定量が貯まった段階で、車両等により熱回 収施設
に運搬し、可燃粗大ごみ破砕機の受入ホッパに投入し
て処理する。また、処理物をごみピットに投入する設
備を設ける。可燃粗大ごみ破砕機は一般的に使用され
ることが多い「竪型切断機」とする。なお、破砕刃は、
耐久性の高い材質とするとともに、交換が容易なもの
とする。
3) 燃焼設備
燃焼設備は、炉内に供給するごみを受け入れるごみ
ホッパ、炉内にごみを円滑に供給するために 設けら
れた給じん装置、ごみを焼却する燃焼装置、燃焼が円
滑に行われるようにするための炉材等で構成された焼
却炉本体、ごみ質の低下時あるいは焼却炉の始動また
は停止時に補助燃料を適正に燃焼するための助燃装置
等で構成する。なお、燃焼条件は「ごみ処理に係るダ
イオキシン類発生防止 等ガイドライン」を遵守する
ものとする。
① ごみ投入ホッパ
ごみクレーンから投入されたごみを一時貯留しなが
ら、詰まることのないよう円滑に炉内へ供 給でき、
ごみ自身で炉内と外部を遮断できる設備とする。さら
に、万一詰まった場合のためにブリッジ解除装置を設
置する。また、炉停止時等でホッパが空になった際に
外気を遮断できる開閉蓋を設置する。
② 給じん装置
ごみ投入ホッパ内のごみを燃焼装置へ供給するため
の給じんプッシャーを設置する。ごみを炉内へ安定し
て連続的に供給し、かつ燃焼量に応じたごみ量を調整
できる設備とする。
③ 燃焼装置
焼却方式は「ストーカ式焼却方式」とし、ごみ層へ
の空気供給を均一に行い、ごみを連続的に撹拌し、燃
焼後の灰および不燃物の排出を容易に行える装置とす
る。また、自動燃焼制御装置により、焼却処理量の定
量化、安定燃焼、燃焼温度・酸素濃度・一酸化炭素濃
度等に留意した焼却量一定制御機能を有するものとす
る。ボイラー効率を高めるために、低空気比高温燃焼
が行えるものとする。定格の70%~80%負荷において
も安定した焼却処理が行えるものとし、かつ低質ごみ
時100%負荷においても助燃焼を行わず、安定燃焼が
維持できるものとする。
④ 焼却炉本体
焼却炉および再燃焼室は、その内部において燃焼ガ
スが十分に混合され、所定の時間内に所定のごみ量を
焼却できる構造とする。また、高温燃焼を行うことか
ら、炉内側壁にクリンカの付着を防止する対策を施す。
⑤ 助燃装置
焼却炉立上げ時において、ダイオキシン類対策とし
て必要な温度に速やかに昇温できるものとする必要が
ある。耐火物の乾燥、炉の立上げ、立下げおよび燃焼
が計画どおりに促進するために、助燃装置を燃焼炉・
再燃焼室等に設置する(助燃バーナおよび再燃バーナ
)。使用燃料は LPGまたは灯油とし、低NOx バーナ仕
様とする。また、バーナ安全装置、燃料供給設備およ
びその他必要な付属品を含むものとする。
4) 燃焼ガス冷却設備
燃焼ガス冷却設備は、ごみの燃焼によって生じた高
温の燃焼ガスを適正な温度に降下させるための設備で
あり、冷却方式はごみの焼却熱を有効に回収・利用す
るため「廃熱ボイラー」とする。本設備は、廃熱ボイ
ラーおよびその周辺設備で構成する。
① 廃熱ボイラー
廃熱ボイラーは、燃焼ガスを適正な温度に冷却する
ためのボイラー本体、過熱器およびエコノマイザ等に
より構成される。なお、ボイラーは熱回収効率の高い、
高温高圧ボイラーとする(過熱器出口において 3.8MPa
以上×370℃以上)。また、エコノマイザは伝熱面積
を大きくして、より低温域の排ガスからも熱回収が可
能な「低温エコノマイザ」とし、熱回収の効率を高め
る。
② 脱気器
給水中の酸素、炭酸ガス等の非凝縮性ガスを除去す
るもので、ボイラー等の腐食を防止することを目的に
設置する。
③ 蒸気だめ
廃熱ボイラーで発生した蒸気を受け入れて各設備に
供給するためのもので、高圧用と低圧用蒸気だめを設
ける。
④ 蒸気復水器
タービンの余剰高圧蒸気や低圧排気を復水するため
の設備であり、冷却方式は空冷式とする。冷却効率を
低下させないよう、ショートサーキットが生じない構
造とする。なお、施設外部に面する装置であるため、
十分な騒音対策が必要となる。冷却ファン駆動部、冷
却ファン、ダクトサイレンサ等、騒音・振動・低周波
振動等の発生する機器・装置は、低騒音・低振動型と
する。
5) 排ガス処理設備
排ガス処理設備は、燃焼によって発生する高温ガス
中に含まれるばいじん、硫黄酸化物、塩化水素、窒素
酸化物、ダイオキシン類、水銀、およびその他有害物
質を、公害防止基準値まで除去するために必要な除去
設備、ろ過式集じん器等で構成する。なお除去設備は、
費用対効果を考慮し、反応生成物を乾燥状態で回収す
る「乾式法」とする。ボイラー効率を高めるために、
低空気比高温燃焼が行えるものとする。定格の 70%~
80%負荷においても安定した焼却処理が行えるものと
し、かつ低質ごみ時100%負荷においても助燃焼を行
わず、安定燃焼が維持できるものとする。
④ 焼却炉本体
焼却炉および再燃焼室は、その内部において燃焼ガ
スが十分に混合され、所定の時間内に所定のごみ量を
焼却できる構造とする。また、高温燃焼を行うことか
ら、炉内側壁にクリンカの付着を防止する対策を施す。
⑤ 助燃装置
焼却炉立上げ時において、ダイオキシン類対策とし
て必要な温度に速やかに昇温できるものとする必要が
ある。耐火物の乾燥、炉の立上げ、立下げおよび燃焼
が計画どおりに促進するために、助燃装置を燃焼炉・
再燃焼室等に設置する(助燃バーナおよび再燃バーナ)。
使用燃料は LPG または灯油とし、低NOx バーナ仕様
とする。また、バーナ安全装置、燃料供給設備および
その他必要な付属品を含むものとする。
4) 燃焼ガス冷却設備
燃焼ガス冷却設備は、ごみの燃焼によって生じた高
温の燃焼ガスを適正な温度に降下させるための設備で
あり、冷却方式はごみの焼却熱を有効に回収・利用す
るため「廃熱ボイラー」とする。本設備は、廃熱ボイ
ラーおよびその周辺設備で構成する。
① 廃熱ボイラー
廃熱ボイラーは、燃焼ガスを適正な温度に冷却する
ためのボイラー本体、過熱器およびエコノマイザ等に
より構成される。なお、ボイラーは熱回収効率の高い、
高温高圧ボイラーとする(過熱器出口において 3.8MPa
以上×370℃以上)。また、エコノマイザは伝熱面積
を大きくして、より低温域の排ガスからも熱回収が可
能な「低温エコノマイザ」とし、熱回収の効率を高め
る。
② 脱気器
給水中の酸素、炭酸ガス等の非凝縮性ガスを除去す
るもので、ボイラー等の腐食を防止することを目的に
設置する。
③ 蒸気だめ
廃熱ボイラーで発生した蒸気を受け入れて各設備に
供給するためのもので、高圧用と低圧用蒸気だめを設
ける。
④ 蒸気復水器
タービンの余剰高圧蒸気や低圧排気を復水するため
の設備であり、冷却方式は空冷式とする。冷却効果を
低下させないよう、ショートサーキットが生じない構
造とする。なお、施設外部に面する装置であるため、
十分な騒音対策が必要となる。冷却ファン駆動部、冷
却ファン、ダクトサイレンサ等、騒音・振動・低周波
振動等の発生する機器・装置は、低騒音・低振動型と
する。
5) 排ガス処理設備
排ガス処理設備は、燃焼によって発生する高温ガス
中に含まれるばいじん、硫黄酸化物、塩化水素、窒素
酸化物、ダイオキシン類、水銀、およびその他有害物
質を、公害防止基準値まで除去するために必要な除去
設備、ろ過式集じん器等で構成する。なお除去設備は、
費用対効果を考慮し、反応生成物を乾燥状態で回収す
る「乾式法」とする。
① 減温塔(必要に応じて)
燃焼ガスを所定のろ過式集じん器入口温度まで冷却
するための設備であり、ダイオキシン類の再合成が生
じやすい温度域を急冷により素早く通り過ぎるための
設備である。湿潤したばいじんの付着や内部に付着し
たばいじんが水滴を吸収して生じる、本体の酸性腐食
および低温腐食対策 を施すものとする。また、ケー
シングは耐熱・耐腐食性に優れたものとし、耐酸腐食
鋼相当以上 とする。
② 塩化水素および硫黄酸化物除去設備
ろ過式集じん器入口ダクトに粉末アルカリ剤(消石
灰等)の薬剤を吹き込み、排ガス中の塩化水素、硫黄
酸化物等の酸性物質と反応させ、反応生成物はろ過式
集じん器で除去する。また、そのための薬剤サイロ基
準ごみ 2炉運転時の使用量 7日分以上の容量)等の
設備とする。
③ ダイオキシン類および水銀除去設備
ろ過式集じん器入口ダクトに粉末活性炭を吹き込み、
排ガス中のダイオキシン類および水銀濃度を低減化し、
ろ過式集じん器で除去する。また、そのための薬剤サ
イロ(基準ごみ 2炉運転時の使用量7日分以上の容
量)等の設備とする。
④ ろ過式集じん器
ろ過式集じん器本体は、低温腐食等に耐え得る耐食
性を有した構造および材質とする。
⑤ 窒素酸化物除去設備
窒素酸化物は、燃焼制御により炉内での発生を抑制
することが基本であるが、発生した窒素酸化物は除去
設備により除去する。窒素酸化物除去設備は、窒素酸
化物にかかる公害防止基準を遵守することができるよ
う、以下に挙げるものから適切な装置を選択する。
(ア)無触媒脱硝装置(必要に応じて) 無触媒脱硝は、
アンモニアを炉内に噴霧して窒素酸化物を選択還元す
る方法である。炉内にアンモニア水を噴霧するための
タンクやポンプ等により構成され、設備構成が簡単で
設置も容易なため簡易脱硝法として広く採用されてい
る。本方法を選択する場合は、後段でろ布損傷等の原
因となる塩化アンモニウムや亜硫酸アンモニウムなど
を生成しないよう、アンモニア噴霧量が多くなりすぎ
ないように留意する必要がある。
(イ)排ガス再循環装置(必要に応じて) 排ガス再循
環は、集じん器出口の排ガスの一部を炉内に供給する
方法である。これにより炉温がおさえられるとともに
燃焼空気中の酸素分圧が低下することによって燃焼を
抑制し、窒素酸化物発生量を低減させる「燃焼制御法
」の一種である。本方法を選択する場合は、排ガス再
循環ラインで腐食のないよう適切な材質を選択する必
要がある。
(ウ)脱硝反応塔(必要に応じて) 窒素酸化物除去効
率の高い性能が期待でき、ダイオキシン類の酸化分解
も可能である「触媒脱硝法」によるものである。本方
式を選択する場合は、発電効率の向上のため、排ガス
温度が低温でも高い除去効率を維持する低温脱硝触媒
設備を採用する。触媒設備の入口前において排ガスの
再加熱を行う必要がある場合は、蒸気式ガス再加熱器
を設置する。
6) 余熱利用設備
本施設では、廃熱ボイラーから発生した蒸気を利用
して、発電のためのタービン設備、燃焼空気加熱用予
熱機を作動させる。また、蒸気を媒体として、熱交換
器および温水発生器などにより温を発生させ、その温
水を利用して、冷暖房設備、給湯設備などを作動させ
るものとする。次表に廃 熱利用の形態を示す。
この項つづく
【脚注及びリンク】
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- 焼却が復旧も「予断も許さない」- 貯留ごみの処分
他市町に要請 滋賀彦根新聞 2022.1.29 - 彦根の新ごみ処理場で反対意見書提出 毎日新聞
2021.2.11 - 彦根愛知犬上地域新ごみ処理施設整備事業に 係
る環境影響評価方法書一般意見に対する事業者の
見解 2021.4.20 - 彦根市清掃センタ焼却炉 2基(3基)停止、 1号炉の
みに 滋賀彦根新聞 2021.12.25 - 県内初!管水路用マイクロ水力発電システム、2020.
7.28 管水路用マイクロ水力発電システム - 「グラスゴー気候合意」採択し COP26 閉幕、石炭の
段階的削減へ ジェトロ,2021.11.16 - 「感染拡大〜新型ウイルスの起源を追う〜」 NHK、
2020/12/27 - ESG地域金融』で地域を元気にする 環境ビジネス
- スウェーデンでゴミの99%を有効利用する「リサ
イクル革命」が起きている(動画)ハフポスト - 滋賀県に根づく『三方よし』の経営を実現,環境}
ビジネス,2020年冬季号 - 環境への取り組みCSR(企業の社会的責任)佐川
急便株式会社 - 彦根市一般廃棄物処理基本計画の 進捗状況評価
について(平成30年度) - 滋賀県出身の人物一覧 Wikipedia
- 琵琶湖市民大学 2003.3
- モントリオール議定書の成果について Nature
Communications, 2015.5.27 - 地球温暖化, フリー百科事典『Wikipedia』
- 「自然災害により被害を受けた場合に 彦根市が
発行する証明書」,社会福祉課・農林水産課・地
域経済振興課 彦根市 - サステナビリティにコミットしなければ、 魅力
的な会社であり続けることはできない,PwCJapan
グループ, 2021.8.1 - シグニファイに学ぶモノ売りからコト売り, SAP
ジャパン ブログ, 2019.6.19 - 特集 デジタルを梃子にした事業変容 ビジネス
エコシステムの作り 知財試算創造 2021.5
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