米国原子力規制委員会の新会長のアリソン·マクファーレン
7月9日に就任後初めての米国議会での記者会見で、使用済み
核燃料処分方法のリスク再評価なしに新たな核燃料施設建設
認可は認められないと発言している(「New U.S. Nuclear
Regulator Says Spent Fuel a Top Priority」2012.08.14
Bloomberg Businessweek)。
記事によると、国内の104基の原子炉の使用済み燃料の永久
的な処分に関するリスク評価が完了するまでNRCはホワイト
ハウスのオバマ大統領から許可されている原子力発電所の新
規建設決定を保留するとのこと。使用済み核燃料物質の水中
プールや専用乾式貯蔵容器での永続的な貯蔵欠如足を解消す
るためのネバタ州のユッカマウンテン核廃棄物処理場への搬
入はこれにより宙に浮く事態となっている。
6月8日、ワシントン州の米国裁判所は、核廃棄物の永久的保
存のためのNRC規則がリスクを評価が不備だとして、NRCに対
し改善命令を下しているが、原子力エネルギー研究所のスポ
ークスマンの Steve Kerekesは、使用済燃料は安全かつ確実
に管理されていると電子メールで述べているという。これに
対し、地質学的事項が重要と述べ、福島事故の教訓を生かせ
なかったとしたら何となる(If that wasn't the main les-
son of Fukushima, I don't know what was.)と述べている。
実際、米国の原子力研究所よると、2011.03.11以降様々な見
直しを実施してきており、地震リスク分析成果は2013年後半
には生かされるだろうという。マクファーレンは、また、昨
年8月23日に5.8マグニチュードの地震時のドミニオン·リソ
ーシズのバージニア州のノースアンナ発電所の対応を賞賛し
「それは追加措置の安全増し設計(マージン)により担保さ
れた」と言いつつ、地震後の福島原発の使用済燃料プールに
ヘリコプターで水を噴霧する画面を思い出し、使用済核燃料
の格納方法に乾式貯蔵容器の代わりに<水封>システムを推奨
し「使用済核燃料貯蔵プールから乾式貯蔵容器への移転を急
ぐべ必要があるのかしら」とも語ったという。
【エピソード】
学習能力が高い。貴重な?犠牲の代償をプラスに転化する米
国の統治能力にここは素直に脱帽だ。
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「今更ネタではありますが、ご存知の通り関西電力大飯原発
は3号機(118万kW)が発電を再開、その陰で火力発電所8
基を止めました(300万kW相当です)。何のことはない、余
剰電力は十分あるんですね。ちなみに止めた火力発電所のう
ち5基は長期計画停止中のため、再稼動するには「2~3年
程度必要」とのこと(関電談)。制度上、関電に限らず発電
事業者は原発を1日稼働すると5億円を儲け、その代償とし
てヒロシマ型原爆3発分の死の灰を生成します。このやっか
いな放射性廃棄物は、最終的に<仮置き>と称して全て青森
県の六ヶ所村へ集約されます。、、、ガレキどころの話じゃ
ないですね。」( 不定期日記(2012))
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最終処分方法が明確でないものを使うという原発は「無免許
運転」と同じだ(だからいくらコスト計算で安いとはじき出しても、そ
れは虚構にすぎない)。
政府は早急に(1)衆参を同時解散し、総選挙を実施するか(2)原
発稼働方法めぐって国民投票するかの二者選択を決定すべきす
べきだ
【脚注及びリンク】
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・「世界はどのように「核のゴミ」を処理しているのか」
・「大飯発電所」ウィキメディア
・「高浜発電所」
・「関西電力は大飯原発を再稼働して、火力発電所8基を停
・「不定期日記(2012)」2012.7.21
・「NRC website」
・「NRC public blog」
・「Post-Fukushima」Wikipedia
・「Allison Macfarlane」Wikipedia
・「Allison Macfarlane Talks Nuclear Storage」YouTube
・「Yucca Mountain Disposal Plan」
・「Nuclear Energy Institute」
・
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