「登記研究」平成22年6月号第748号48ページより引用
ところが、新法施行後における「みなし規定」である規則九二条は、「第三章登記手続」の「第二節表示に関する登記」中の「第一款通則」に規定されていることから、権利に関する登記については適用されない規定振りとなっている。そのため、行政区画に変更があった場合であっても、権利に関する登記については当然に当該行政区画が変更されたものとはみなされないことになる。
(中略)
なお、権利に関する登記について、行政区画の変更が当然に変更されたとはみなされないとしても、当該行政区画の変更は、公知の事実であることから、住所移転を伴わない行政区画の変更だけが行われた場合には、所有権の移転登記等の前提登記としての行政区画の変更による登記名義人の住所変更の登記を申請する必要がないことは、従来どおりである。ただし、行政区画の変更による登記名義人の住所変更の登記を申請しても差し支えないことは、いうまでもない。
佐賀地方法務局は、次のお知らせを出している。
http://www.city.kanzaki.saga.jp/gapei/docs_18/homukyoku051226.pdf
松山地方法務局は、昭和48年11月1日民3第8187号民事局長回答により処理しているようだ。
具体的には、住所移転後市町村合併があった事例で、両方併記して非課税扱いで申請した事件について、昭和48年の回答を根拠に、登記原因を訂正の上、登録免許税を納付するよう補正の通知があったようだ。
本件取扱いは、不登法だけの問題ではなく税法の問題でもあり、全国的に統一した取扱いをすべき問題である。