2013.12.28(土)15:00 大阪能楽会館
はじめに、番外として仕舞「紅葉狩」。養成会一年目の研修生(女性だった)が舞う。舞に対して批評できるほどの理解力はわたしにはないが、丁寧にきちんと舞っているなあと思う。そういう楷書の感じが、研究発表会全体にある。
能は「田村」。東国の僧が、京都・清水寺で掃除をしている童子に会う。童子は坂上田村麻呂が創建した清水寺の来歴などを語り姿を消す。 . . . 本文を読む
2013.12.23(月)14:30 大槻能楽堂
能は三番。
『橋弁慶』
京・五条橋での決闘。一般的な話と違って千人斬りをしているのは牛若丸の方。
この能の主役は子方の牛若丸だなあと思う。もちろんシテは弁慶なのだが、つい目が子方の方にいってしまう。この子方は声が大きく、言葉の最後まではっきりしていて凛々しい。
『杜若』
在原業平に愛された杜若の精が、業平形見の衣を纏って舞う。
杜若の装束はたい . . . 本文を読む
2013.12.15(日)13:00 ウイングフィールド
「私は皆に愛されました。」ある少女がいた。関係者はそれぞれに、アノ娘を思い出してみる。それぞれのイメージは違っている。少しずつ違う彼女のイメージを我々は少しずつ摺り合わせる。我々はアノ娘について考えてみる。 ――というあらすじがチラシに書かれている。
そのコンセプトに忠実な芝居。父親、クラスメイト、親友(わたしにはクラスメイトと親友の違 . . . 本文を読む
2013.12.8(月)アトリエS-pace
サンタクロースが降りてくる。
サンタクロースは手紙を取り出すと小さなおうちに入れて去る。と、そのあと突然、おうちは音を立てて壊れてしまう。
そんなふうにおうちが壊れてしまったあとのお話。
サンタクロースは文字どおり「降りてくる」。舞台下手奥の天井(楽屋か事務所があるだろう2Fからいえば床)の一部が開いていて、往き来できるようになっている。
左右だけ . . . 本文を読む
ラジオドラマ&朗読劇シリーズ「イストワール」の3
2013.12.6(金)19:30 大阪ガス㈱エネルギー・文化研究所 都市魅力研究室
今年春、奈良県立図書館であった朗読劇(といっても動きもあるし、テキストを手に持っているだけでふつうのお芝居の感じ)の再演。バージョンアップ版。
奈良にあった旅館・日吉館の女将さんとそこで働いていたのろちゃんをモデルにしたお話。
写真は舞台美術の一部。
のろ . . . 本文を読む
肉球のまわりは毛でふわふわです
2013.11.23(土)15:00 ほんやら洞
コラ(マリの民族楽器)演奏をするひきたまさん、街頭紙芝居の古橋りえさん、武井武雄普及者のおかもとりよさん。
それぞれ別の場所で会っていた3人が一緒にやる催しのお知らせをもらった。
タイトルからもわかるとおり、3人とも猫好き。
(古橋家では愛猫が大往生を遂げ、新しく子猫を飼い始めたそうで、写真を見せてもらった。 . . . 本文を読む
2013.11.24(日)11:00 ウイングフィールド
蓮っ葉な響きのあるタイトルとは裏腹に、とても丁寧に作られた作品。
いっそもっと大きく出て、「おまえら」ではなく「この世界に」くらいにしたほうがふさわしいんじゃないだろうか。
舞台、ドーナッツ状に衣類が積み重なっている。
開場時から役者がひとりいて、その部屋でごろごろしている。たぶん幼稚園児くらい(彼女に限らず、ビジュアルでは設定年齢が . . . 本文を読む
2013.11.16(土)19:00 ウイングフィールド
さまざまな社会的問題を真正面から取り上げる。
被差別、障害者、人工中絶、いじめ、死刑制度…逃げないでいようとする姿勢がすごい。精一杯に踏ん張っている感じがする。ただ、同時に踏み込みが甘いとも感じる。
死刑執行を待つ青年。彼はいかにしてここに至ったのか。
直接に見る彼は穏やかで、凶悪にも衝動的にも見えない。若い刑務官は、あなたはどうい . . . 本文を読む
2013.11.16(土)13:00 王寺町地域交流センター リーベルホール
長屋王の変のあたりの時代を舞台にした王道エンタメ。
洗練しきれてないところもあるけど、力一杯、という感じはひしひしと伝わってくる。 . . . 本文を読む
2013.10.21(月)14:00 アトリエ劇研
小高い山のてっぺんにある展望台に、疲れ切ったようすで3人の男女がたどりつく。
彼らは役場の職員で、登山道の調査のために登ってきた。1時間で辿り着けるハイキングコースのはずが3時間半もかかり、すでに日暮れ時。山道で暗くなると危険だし、空模様もあやしい。たったひとり女性のミドリは抵抗を示すが、展望台で一夜を明かすことになる。
(展望台、という設定 . . . 本文を読む
2013.11.9(土)17:00 カフェ+ギャラリーcan tutku
舞台。白い枠が低い位置で宙吊りになっている。
喪服の男女。夫の父親が亡くなり葬儀のため帰省した島から、フェリーで三時間ほどかけて大阪へ戻る。その船の客室。二人はまだ夫婦だが、離婚の話が進んでいる。船にはもうひとり、親族らしい英二が乗っている。
妻は『ゴドーを待ちながら』を読んでいる。面白いから、大阪までの三時間で読めるから . . . 本文を読む
2013.11.4(月)18:00 中津Vi-code
いまどき、こんなアングラらしいアングラは見ないなあと思う。
昨年、廻天百眼の『少女椿』のときもそう思った。そのときもだったが、ふだんわたしが行く小劇場などとは完全に客層が違う。若い。彼らにはこういう芝居はどう見えているのだろう。
わたしにとっては、なんとなく懐かしい。幻実劇場の『糸でんわ』を思い出してしまった。
(かなり濃い)薄闇のなか鳴り . . . 本文を読む
2013.10.20(日)17:00 金戒光明寺永運院
門を入ってすぐの前栽から鈴の音がする。白い衣の女性がゆっくりと歩いてくる。
本堂の畳の間で色の無い三人が舞う。その後半でそれぞれに小袖を纏う。
この、高橋裕博さんの染めた小袖を纏うというのがテーマでもある。
その後場所を移して、彼らがお庭で舞うのを座敷から眺める。
昼頃少し降ったので、雨の日バージョンだったらしい。龍神の幟が掲げられてい . . . 本文を読む
2013.11.2(土)19:00 OZC GALLERY
このコトリ観察のもっとも正しい方法は、最初とまん中ぐらいと最後を定点観測することみたいだ、と思った。
土曜日の13:00から日曜日の19:00まで、3、4時間おきに10回の公演。22:00、2:00、6:00公演なんてのがある(24時間表記です)。
20分ほどの作品のオムニバスで、お話内容に連続性はないが、ひとつめの作品で野菜を切っ . . . 本文を読む
2013.10.25(金)19:00 ウイングフィールド
言葉の選び方にセンスがあってリズムのつけ方が巧い。
言葉遊びの部分以外でも、男の恋愛基準は定価だが女の基準は時価だから振り回されるのだ、というボーイズトーク(!)など、とても面白かった。
舞台美術もがんばって、舞台壁面を埋めている環状のものが客席後方にも吊されている。舞台と客席を区切ってしまわず、全体が舞台空間だという演出意図だろう。けれ . . . 本文を読む