ないない島通信

「ポケットに愛と映画を!」改め。

「ラストレシピ~麒麟の舌の記憶~

2023-08-20 10:53:42 | 映画

発熱してから一週間が経過しましたが、あいかわらず微熱が続いています。

夏風邪はしつこいので、まだしばらくかかるかもしれない。

でも、いずれは治るので辛抱強く待つしかないでしょう。こう暑いと外に出るのも恐ろしくてね。

集中力も途切れがちで、映画も3回くらいに分けて見ています。昨日見終えたのは、

「ラストレシピ~麒麟の舌の記憶~」(滝田洋二郎監督 2017年)

なかなか重厚な映画で面白かった。

二宮和也、綾野剛、西島秀俊、宮崎あおい・・という豪華な顔ぶれです。

二宮和也扮するところの佐々木充は「麒麟の舌」を持つ男と称されています。

一度食べたものの味を決して忘れることなく、再現できる稀有な料理人です。

音楽でいう絶対音感のような味覚を持つ男。

その彼が、天職である料理人に見切りをつけようとしているところから、物語は始まります。

相棒の健(綾野剛・・孤児院で一緒に育った仲間)は何とか彼を引き留めようとしますが充は聞き入れません。

その時、中国料理界の重鎮、楊晴明からとんでもない依頼が飛び込んできます。

1930年代、日本が満州国を支配していた時代に、同じく「麒麟の舌」を持つ男と称された料理人山形直太朗(西島秀俊)と楊晴明たち料理人仲間が勅命を受けて考案したレシピ「大日本帝国食菜全席」、しかし、戦時下に失われてしまったこの幻のレシピを探し出し、再現してほしいというのです。

そして、話は1930年代の満州国へ。

「麒麟の舌」を持つ男、山形直太朗(西島秀俊)とその料理人たちの物語へと場面は移っていきます。

現代の佐々木充のいる世界と、満州国時代の山形直太朗一家の物語がリンクしていき、

最後は、思いがけない結末へと導かれていく。

山形直太朗は当時、軍部が掲げた満州国の理想「五族協和」を信じていた。

日本、中国、ロシアの各民族が融和して平和な社会を作り上げるという理念なのですが、

日本の軍部はそんな山形の理想を軽くあしらい踏みにじり、仲間である料理人への裏切りを強要するのでした。

料理という軸を中心に、当時の戦時下の人々の想いを交差させ、

民族融和とは一体何だったのか、単なる絵に描いた餅にすぎなかったのか、と問いかけます。

山形直太朗たちは「大日本帝国食菜全席」に情熱を傾け、百種類を超えるレシピを考案するのですが、そのレシピ考案にかける彼の情熱がこれでもかと描かれます。

私自身は美味しいものはもちろん好きだけど、ここまで食にこだわる気持ちがよくわからないので、

人にはそれぞれ得手不得手があるのだなあ、

食が好きな人にはたまらない物語だろうなあ、

と勝手に想像しながら見ていましたが、物語自体は非常に面白かった。

重厚長大な物語で、当時の満州国の様子も細かく描かれています。

 ~~~~~

さて、

風邪っぴきで公園にも一週間行ってません。

この酷暑の中、池のカイツブリたちは元気でいるだろうか?

 

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抗原検査キットを使ってみた

2023-08-17 16:06:59 | 日記

月曜日から続く熱はあいかわらずで、今朝も38℃を超えました。でも不思議なことに昼間は熱が下がる。夜になるとまた上がる。その繰り返し。

昨日、Amazonから抗原検査キットが届いたので、さっそく検査してみました。

本当に簡単で15分で結果が出ます。

で、結果は、

・・陰性。

よかった。

でも、熱は相変わらずだし喉の痛みもすごくて水を飲むのも一苦労。

咳も出てきて痰がからんでぜーぜーする。

なので、今朝近所のクリニックに駆け込みました。

最近は抗原検査キットの性能も上がってきているので、たぶん陰性ならコロナじゃないでしょう。と先生。

念のため、インフルエンザの検査もしましょうということで、こちらも陰性。

結局、夏風邪、ということのようです。

夏風邪ってこんなに激しいものなのか。

猛暑で免疫力が落ちているせいでしょう。

気付かないうちにじわじわと身体を蝕んでいく酷暑。

風邪薬を四種類も処方してもらい、しばらくは安静にしているしかないようです。

普通の風邪ならそのうち治るから、しばらくの辛抱です。

いっそコロナだったらよかったのに・・抗体もつくし箔もつく・・なんて。

でも、実際コロナに感染した人の話では、生易しいものじゃないみたいですね。なので、コロナじゃなくてよかった。

皆さんもどうかお体お大事に~

 

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「先生、私の隣に座っていただけませんか?」

2023-08-16 10:55:52 | 映画

同じく漫画が原作の映画ですが、これはすごく面白かった。

「先生、私の隣に座っていただけませんか?」(堀江貴大監督 2021年)

黒木華主演です。

黒木華といえば「小さいおうち」で松たか子と共演していて、おお、松たか子より存在感があるではないか、と思ったのを覚えています。

佐和子(黒木華)は漫画家。

夫も漫画家なのですが、最近夫は仕事をしていない。

この佐和子が描く連載漫画がストーリーの軸になっています。

不倫の話。しかも妙に現実的で、夫はこの連載を見てぎょっとします。

なぜなら心当たりがあるから。

妻は知っているのか、知っていてこれを描いたのか?

虚々実々のストーリー展開で目が離せません。

どこまでが創作でどこからが現実なのか・・

そうした危うさを秘めていて、

それはとりもなおさず、佐和子と夫の関係の危うさであり、佐和子自身の危うさでもあります。

これがねえ、実に見事に描かれているのですよ。

ネタバレすると面白くないので、何も知らないで見ることをお勧めします。

日本の映画で、しかもどちらかというとまったり系のテンポ遅い映画でも、こんなことができるんだ、

という驚きがあって、

興奮しました。

不倫を経験した人、今経験中の人、あるいは将来不倫するかも・・という人は必見の映画ですねん。

いや、別に不倫を勧めているわけじゃないけど。

日本も変わったなあ、とこれを見て思いました。

「メタモルフォーゼの縁側」よりずっと面白いです。

 

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「メタモルフォーゼの縁側」

2023-08-15 18:26:12 | 映画

ついに熱を出しまして昨日からダウンしてました。まだ熱は下がってません。

もしかするとコロナかもしれない。38℃台の熱が出たり引っ込んだり。低いときは37℃くらいまで下がるけどまた39℃近くまで上がる。

病気には耐性があるので大丈夫。こういう時はあきらめて寝てるしかない。

ついでに、映画を何本か見ました。

「メタモルフォーゼの縁側」(狩山俊輔監督 2022年)

日本の漫画が原作です。

主演が芦田愛菜と宮本信子なので、観てみました。

見終えてほっこりする映画です。

が、

邦画ってなんでこんなに間延びしてるんだろうか。

ハリウッドのバリバリアクションや展開の速いストーリーを見慣れていると、まだるっこしくてしょうがない。

ともかく、

これは、BL(ボーイズラブ)漫画にハマった75歳(宮本信子)と17歳(芦田愛菜)の物語です。

ある日、本屋の店頭で表紙に惹かれて漫画本を手にとった75歳の雪は、本屋でバイトをしていた高校生のうららにBL漫画について教えてもらい、やがてうららは雪の家に足しげく通うようになります。

雪は夫を亡くして一人暮らし。うららは地味で人付き合いの苦手な高校生。

この二人がBLで意気投合し、ついに、うららの描いた漫画をコミケに出品することになる、

というのが主なストーリーで、

他には、うららの幼馴染とか雪が教えている書道教室の生徒が出ているだけ。

何より、75歳と17歳が友達になる、というのが珍しいのでしょう。

また、75歳が漫画にハマるというのも珍しいのでしょう。

でもね、

私も雪とほぼ同じ年齢なのですが、私と同世代の友人たちは、こんなにお婆さんじゃないよ。

もっとアクティブだし、もっと前向きに生きている人たちが大半です。

漫画だってドンドン読むし、若い人たちとも付き合ってるし。

バリバリ現役で仕事している人たちもいます。

娘と同居するために引越すなんてこと、私の友人たちの誰一人として選択しないと思う。

まあ、世の中にはそういう人達もいるのでしょうけれど。

これって、世間一般のステレオタイプの年寄像じゃないの、と思ってかなりがっかりした。

つまり、エイジズムですね。

75歳がBLにハマることがそんなに珍しいのか?

75歳と17歳が友達になることがそんなに珍しいのか?

まあ、私が目くじら立てることではないのですが。

「きのう何食べた?」の時も書きましたが、ゲイに対する見方(シロさんの両親の受け止め方)がこの程度なのかと心底がっかりしたように、

いろんな意味で、日本はまだまだ遅れているなあ、

と、こういう映画を見るたびに思います。

たぶん、漫画の原作者は若い人なのでしょう。

身近に年寄がいないのでしょう。

あるいはステレオタイプの年寄しか見てないのでしょう。

ま、ここでブツクサ言ってもしょうがないけどね。

熱が下がらないので、抗原検査キットをAmazonで取り寄せ、今待っているところです。

喉も痛くなってきたし、いよいよ病は佳境に入ったかも・・

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池のカイツブリたちは健在ですが、酷暑はボディブローのように効いてきて・・

2023-08-13 09:16:26 | 散歩

4日ほど朝散歩をサボりました。

出かける用事があったのと、出かけると次の朝起きられなくなったのと。

この夏の酷暑はボディブローのように効いてきて、気づかないうちにダメージがたまっている感じです。

自覚ないけど歳も歳なので。無理はしないことにしようと決めました。

昨日の夕方、久しぶりに公園の池に行き、カイツブリ親子が健在であることを確かめました。

この猛暑で池の水がかなり濁ってきています。

噴水が水をかき混ぜてはいるけど、追い付かない。

ヒナ2羽は取水口の柵の内側の比較的水のきれいな場所にいましたが、まだ母ちゃんにくっついているヒナ1羽はあまり水のきれいじゃないところにいました。

まあ、よっぽど水質が悪くなれば、飛び立って別の池を探すでしょう。

ヒナたちも親鳥と同じくらいの大きさになってきたので。

でも、ヒナたちにとって世界はこの池だけ。

他の場所を知らないので親鳥の先導が必要です。

それって、

私たち人類にとって世界はこの地球だけ、というのに似てる、と思いました。

地球が汚染され、あるいは灼熱地獄になって住めなくなったとき、私たちはどこかに移住するのだろうか。

カイツブリたちが井の頭公園や別の公園の池に移住するように、

ロケットに乗って、プロキシマBあたりに移住するんだろうか。

思えば、私自身だって、小さな島国の小さな町の片隅にいて、飛び立つこともかなわず、

鳥たちを見ては、いいなあ、飛べるって、と思う日々を過ごしているわけですが。

ともかく、この夏の酷暑は、生き物たちすべてに生きていることの厳しさを教えてくれている気がします。

とにかく生き延びよう、秋は必ずやってくるので、

と思う今日この頃です。

 

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