ないない島通信

「ポケットに愛と映画を!」改め。

華やかかりし頃・・(続き)

2016-06-22 21:06:48 | 日本語
先日、テレビのナレーターだかレポーターだかが
「華やかかりし頃・・」と言っているのを見て、「ん?」と思ったという記事を書きましたが、その続き。

今日は、外国人に日本語を教える際の文法から考えてみようと思います。

外国人に日本語を教えるとき、私たちが中学高校で習った文法とは全く違う文法を使います。これが、実にシンプルで合理的にできているんです。

形容詞は二つあります。

イ形容詞・・語尾がイで終わる形容詞。寒い、暑い、遠い、近い、美しい・・等
ナ形容詞・・漢語や外来語にナをつけて形容詞化したもの。元気な、平和な、綺麗な、
      ゴージャスな、ユニークな、マイルドな・・等

イ形容詞の否定形は・・寒くない、暑くない、遠くない、近くない、美しくない・・
ナ形容詞の否定形は・・元気じゃない、平和じゃない、ゴージャスじゃない・・

「美しい」は語尾がイなのでイ形容詞ですが、「綺麗」は語尾がイですが、実はナ形容詞なのですね。
 したがって「綺麗」の否定形は「きれいじゃない」です。
 ところが、最近、
「きれいくない」という使われ方を目にするようになりました。

これは、「綺麗」をイ形容詞化して、「・・じゃない」ではなく、「・・くない」と活用させた結果ですね。

これを「華やか」と「若い」に当てはめてみると、

「若い」はイ形容詞なので、否定形は「若くない」そして、過去形は「若かった」になりますが、
「華やか」はナ形容詞なので、「華やかじゃない」「華やかだった」になります。

ところが、
「華やか」をナ形容詞ではなく、イ形容詞として活用させるとこうなります。

「華やかだった」→×「華やかかった」(古い言い方だと「華やかかりし」)

「きれいくない」も「華やかかりし」も、イ形容詞とナ形容詞の混同から来ている間違いだったのですね。

外国人に教える文法のほうがわかりやすいですね。

というわけで、形容詞のお話でした。



話題はコロッと変わりますが、
アントン・イェルチンが亡くなったそうです。
まだ若かったのに。
「オッド・トーマス」面白かったのに。続編楽しみにしてたのに。
残念です。
映画の話はまた次回ね・・
コメント
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