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中央に小さなドアー、それを囲んでいる大きなドアーがある。中央の方のは、子供用ペット用で、大きなものは大人用、そんな風にも見える。それらのドアーの色は黒であり、模様がある。3という数字がちいさくドアー上側についている。模様は、ドアーの中心から広がっていく星型。そして、ドアーを囲む柱、ちょっとした屋根、壁は黄色、左右対称の模様、贅沢でどこか物々しい出窓がふたつ、それも左右対称、ドアーのすぐ上にある。やがてその窓が開く、向かって右側の、いや、左側の窓が開くゆっくりと、ぎぎぎぎぎと音を立てながら。完全に開く、がそこには誰もいない。続いて開きだす向かって右側、やはりぎぎぎぎぎと音を立てて、完全に開く。誰もいない。部屋の中は暗すぎて見えない、差し込む光だけでは、部屋の中をはっきりと照らすには頼りない。逆に暗闇が漏れてくる。そんな気がするぐらい向こう側は暗い。と突然、左の窓にむっくりと立ち上がる人影。彼が、あるいは彼女が、何かを投げる。その白いものがふわりと風に乗り、すぅっと流れていく。と右の窓にむっくり立ち上がる人影。ふたつの影が近づいて窓枠から消えて、中央に重なる、ぐらいの時、近づいてくるものが、やがて紙飛行機だと気づいて僕の足元に見事に着陸したんだ。
中央に小さなドアー、それを囲んでいる大きなドアーがある。中央の方のは、子供用ペット用で、大きなものは大人用、そんな風にも見える。それらのドアーの色は黒であり、模様がある。3という数字がちいさくドアー上側についている。模様は、ドアーの中心から広がっていく星型。そして、ドアーを囲む柱、ちょっとした屋根、壁は黄色、左右対称の模様、贅沢でどこか物々しい出窓がふたつ、それも左右対称、ドアーのすぐ上にある。やがてその窓が開く、向かって右側の、いや、左側の窓が開くゆっくりと、ぎぎぎぎぎと音を立てながら。完全に開く、がそこには誰もいない。続いて開きだす向かって右側、やはりぎぎぎぎぎと音を立てて、完全に開く。誰もいない。部屋の中は暗すぎて見えない、差し込む光だけでは、部屋の中をはっきりと照らすには頼りない。逆に暗闇が漏れてくる。そんな気がするぐらい向こう側は暗い。と突然、左の窓にむっくりと立ち上がる人影。彼が、あるいは彼女が、何かを投げる。その白いものがふわりと風に乗り、すぅっと流れていく。と右の窓にむっくり立ち上がる人影。ふたつの影が近づいて窓枠から消えて、中央に重なる、ぐらいの時、近づいてくるものが、やがて紙飛行機だと気づいて僕の足元に見事に着陸したんだ。