リッスン・トゥ・ハー

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ナックラヴィー Nuckelavee(妖精辞典)

2010-02-02 | 若者的字引
『スコットランド人の想像力が創り出した、最もおぞましい生き物の一つ。実際、スコットランド人は恐ろしいものを考案するのが得意である。一種のケンタウロス。海から出てきて、作物を枯らし、家畜を殺し、出会う人間を皆殺しにして、行く先々で災害をまき散らした。淡水には勝てない。』(抜粋)

「ナックラヴィーが出たら休校とす」と張り出されたのでナックラヴィーは安心して試験勉強をさぼった。

(で、いや関係ないけどスコットランド人とトモダチになりたいわ、これ。悪すぎるやろナックラヴィー。淡水には勝てないってなんやね。)

ガンジーの遺灰、海へ

2010-02-02 | リッスン・トゥ・ハー
ガンジーの意志であった。それによりガンジーは海となり、海はガンジーとなる。海は凪いていて、ガンジーの灰を舞い上げた。海が拒んでいるようだった。ガンジーなどなりたくない、わしはわしのままでいい、そうつぶやいているように灰は高く高く上昇気流に乗って舞い上がった。灰は雲のない空に広がり、集まりガンジーを形作り、雷を落とし、海を沈めて、下りてきた。海はもうガンジーを受け入れる決心をしたように、穏やかさを取り戻し風も止む。人々は船の上で一部始終を見ていた。ガンジーと海のやりとりは新鮮であった。海と渡り合うガンジー、またガンジーと渡り合う海、どちらも自分たちのいる位置とは次元の違う高さにあって、憧れや恐れの対象にすらならなかった。ガンジーという存在を、海という存在をありのままに受け入れていた。なすがままであった。やがてひとつになったガンジーと海。ガンジーが沈んだ場所に小さな渦ができた。渦は瞬く間に大きく成長し、船を巻き込みはじめた。船はあっけなく飲み込まれた。人々は海の中に取込まれた。続いて空を巻き込みはじめて、空を取込んでいく。空がなくなり、太陽や月、手当り次第に取込みはじめた渦は、今では地球上に存在できないぐらい大きくなった。すでに人類や生命はすべてうずのなか。宇宙を取込む。渦の中、それまでとほとんど同じ宇宙、世界が形作られている。ただひとつ大きな違いは、暮らす人々の、生命の中で微笑んでいるガンジー。

SINGLES BEST~Archives~/キリンジ

2010-02-02 | 若者的図鑑


キリンジのベストアルバムはグッドミュージック最後の生き残りと呼ばれていた当時、誰も読んでいませんが、話題になりました。甘んじていいのですか教授、と誰もが口を揃えて言いました、誰も言ってませんが。

しかし、この良質な音楽の束。太い束。1000年杉か。
いつ聞いても、どこから聞いてもキリンジであり、流れ出すのは繊細なタッチで粘るベースラインと木琴の音。プロデューサー富田恵一さんの手腕をまず堪能したなら、続いて歌詞の奇をてらった感じ。決して真似してはいけない領域です。一歩間違えれば闇、天国と地獄を行き来するバランス感覚がキリンジの魅力なのです。感情を排除した歌、しかし時折見せる絶妙な感情が非常に鮮やか。

アコースティック音楽の最高峰。

キリンジはオリジナルの質がいずれも高く、外さない兄弟だけに、ベストアルバムが必要かどうかという議論はほったらかして、入門盤としてとてもよいCDです。

ようこそ!