リッスン・トゥ・ハー

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ラルフローレン

2007-10-31 | リッスン・トゥ・ハー
ギターを弾くと、あなたが今座っている場所でいつも弾くんだけど、頭の中が空っぽになる。良く分からないけどそれは、いいことなんだと誰かが言ってた。頭を空っぽにする。できそうでなかなかできないんだ、だからその方法を心得ている君は素晴らしい。だからそうだ、さあ僕とセックスしましょう、と誘ってきたから、その辺に転がってた国語辞典でしばいてやったけど。彼、頭はいいから、嘘は言ってないと思う。殴られた国語辞典熱心に読んでるし。確かにギターを弾くようになるまで、頭なんて空っぽにできなかった。全く、いつも、なにかうっとうしいことだったり、楽しいことだったり、頭の中に何かあって、良くも悪くもあるんだけど、完全に集中できないというか、そんなものなんだなと思ってたけど。いや、もっと小さい頃は違った。あることをはじめたらそれだけに完全に集中してた。少し前のこともこれから起こることも全く考えない、ただひたすら、私は笛を吹いていた。そのうちうるさいと怒鳴り込んでくるまで、延々と吹き続けたこともあったというのに。いつのまにか、大人になるってそういうことなんだろう。でギター、それを弾いてると、子供の頃に戻ったみたいに頭が完全に空っぽになる。

TOKYOMAN/KAN

2007-10-30 | 若者的図鑑
今日びのヤングよ、本当の漢を知っているか?

KANさんは「愛は勝つ」という大ヒット曲が目立ちすぎ、他が完全にかすんでしまっているんですが、飛んだメロディメーカーです。

このアルバムに入っています「まゆみ」これは完成度の高い名曲です。
というわたしもあんまり知らなかったんですが、ミュージックステーションで平井堅さんと矢井田さんだったかな、が好きな曲としてあげていたの、ちょっと聞いてみようかしらと買いまして。なんと、これはすばらしい曲だよ。

「可もない不可もないそんな性格に/好きじゃない悪くない責任取れなくて」

平井さんもおっしゃっていたように詩の乗せ方が絶妙。
日常会話を乗せる手法、槙原さんが一般的にして、そういう曲があふれていた時代、こんな曲もあるんですね。愛は勝つだけではない、KANさんの姿を。

斉藤和義さんの「君の顔が好きだ」あたりが好きなら、きっと気に入るでしょう。
あ、今日びのヤングは君の顔が好きだも知らないのかもしれないな。

ピアノ/原田郁子

2007-10-28 | 若者的図鑑
クラムボンの原田郁子さんのソロアルバムは、共同プロデュースにポラリスのオオヤユウスケさん。
クラムボンライブにゲスト出演したり仲の良いようですが、オオヤさんの書くメロディは癖があり、それが中毒性を帯びています。
悪く言えば、どれも同じような。

しかしこのアルバムに入っている曲は、原田さんと半々といったところ、
上手なバランス、ちょうど良い、腹八分目。後を引くんですよね、これぐらいの方が長く聞ける。さて、疲れたときにながそっと、て思ってしまいます。
ちょっと個性的な顔に、音楽に、ライフスタイルに癒されるべし。

その後、オハナ等を一緒にやっている永積タカシさんも曲を提供しています。
ラストを飾ってて憎い。

ピアノのシンプルな演奏に乗せてあの独特の癖のある声。

土曜日の午前に、少し早起きしてパンケーキを焼いて、カフェオレと食べるのブランチ。
そんなときに流れていて欲しい音楽。
生活の中に必ず必要な音楽。

そういう音楽はとても大切だと思います。彩れ!音楽よ!存分に。

坊ちゃん

2007-10-27 | 若者的詩作
坊ちゃんが帰ってきた!
坊ちゃんが帰ってきた!

坊ちゃんらしいマントを翻して高笑い
それでは諸君とヘリから垂れ下がった縄梯子につかまってちいさくなった
降りる時とても苦労したすごいゆれるからもうやらないと駄々をこねた
坊ちゃんならなんでもできますと清は言う
心配するな清は事前に2億ほど積んでいたので誰も文句は言わないさ

坊ちゃんが帰ってきた!
坊ちゃんが帰ってきた!

旅路二季節ガ燃エ落チル/eastern youth

2007-10-26 | 若者的図鑑
濃いバンド続きます。

わたしはまだあまり足を踏み入れてないのですがサンボマスターの前身、いや、失礼なこと言ってる?わたし失礼なこと言ってますか?でもどこか愛らしいサンボマスターとは違って、硬派という感じがします。
女?そんな生き物知らねえぜぼけ。さあ叫ぶぞロドリゲスよ。
日本語で歌うということ、日本語を最大限に遣うということ、日本語しか使えない不器用さは、耳障りなノイズしか鳴らせない不器用さは、貴重よ。
文芸ロック。とか言われてましたね、初期くるりなんかもそう。

叙景をなぞるだけ、感情を詩で具体的にどうこう表現するのではなくて、歌で、ギターでベースドラムスで表現してるんです。

もはや貴重な日本語ロック最強の3ピース!

轟音に負けてない声、かすれて声、ああカッコええわ。

サンボマスターもそろそろ、ブックオフあたりで安くなってきた頃でしょうから、聞いてみようかな。
いや、そのまえにイースタンユースの別音源に手を出したほうがいいかな。

SCHOOL GIRL DISTORTIONAL ADDICT/NUMBER GIRL

2007-10-24 | 若者的図鑑
概念から覆す。

わけでは決してないのですがナンバーガール。
やはり大きな存在です。音楽にとって、日本音楽パンク、バンドというものを根こそぎ追い抜かしていった。まあ困った。困りました、投げかけていくものは数知れず、嗚呼ソウカ、俺まだわかっていないその存在の大きさ、なんも知らんまま生きていくことになったとしても何ひとつ変わらんこどだろう。

絶対に媚びない。そういう芯が通っています。自分たちが信じるもののみ吐き出す。
付いて来れないならいいよ、勝手に甘い恋愛でもしてて。
貫き通した数年間。

本作収録曲「透明少女」で、全国を駆け巡った丁稚奉公は数知れず、そのそれぞれの右手に鎖鎌、左手にチェーン、桃色のマスクをつけて、ガーターベルトにジャックナイフ。彼らは奇声を発しながら駆け巡ったのです。
現在も、狂わせられたナンバーガール信者として。あたしもまだ。

すいかし、ナンバーガールというバンド名はすばらしい。
カッコええし、お洒落やし、青臭いし、色んな要素を含んでいる。

さて。なきあと、残されたもののそれぞれ。

ミルクラブミルク

2007-10-23 | リッスン・トゥ・ハー
 牛乳を飲む虹は女子大生のような若々しさと妖艶さで僕をどきりとさせる。
 コップを使ったりせずに、直接パックに口をつけて、のどの鳴りようといったら、思わず誰しもが牛乳を飲みたくなるだろう。腰に手を当てて胸を張り、斜めに顔を傾けて。
 川原から帰ってきてまず最初に虹は牛乳を飲んだ。
 実際のどがかなり渇いていて、もう10月だというのにこの暑さといったら。
 「虹、一気に飲んだら胸が痛くなるよ」と僕は注意する。
 んぐんぐ、と僕のほうを見ながらさらに飲み、うぐはあ、と息を吐いた。牛乳のかけら、床に飛び散って、やれやれ。
 「とおちゃん」
 「なに?」
 「ボーレンジャーショーみたい」先に言えよ。
 「今から」
 「まだはじまってない」
 「じゃあ、ジャスコ行く?」
 「つれていって」
 「仕方ないなあ」
 僕は水道水を飲んで、やれやれとつぶやいた。

あのへそ

2007-10-22 | 若者的詩作
あのへそだれのへそ
武田のへそ
あのへそだれのへそ
武田信玄のへそ
あのへそだれのへそ
武田信玄と同じクラスの西山のへそ
あのへそだれのへそ
西山のかあちゃんのへそ
あのへそだれのへそ
かあちゃんは山へ芝刈りにいった後川へ洗濯にいきましたら桃が流れてきて中の赤ん坊のへそ
あのへそだれのへそ
桃から生まれたので桃太郎と名づけましょうつまり西山桃太郎のへそ
あのへそだれのへそ
西山桃太郎と同じクラスの武田のへそ
あのへそだれのへそ
あのへそはつまり武田のへそ

頭にターバン

2007-10-21 | 若者的詩作
ターバンを巻いているのではなくて
ターバンが巻きついているのだから
あの男は湯船に浸かってもターバンを外さない

ターバンを巻いているのではなくて
ターバンが巻きついているのだから
あの男は店長にも会釈で済ます

少し酔っ払った男がシャワーを浴びる
赤い口紅を引いて私は毛布に包まって待つ
そのうちターバンは空気を読んで席を外すでしょう
シャワーで濡れたままターバンは夜の繁華街を彷徨うのでしょう

土手の風を縫うように

2007-10-20 | リッスン・トゥ・ハー
黄金色に見えたのは、沈みかけた太陽が、川とその周辺にある遠く向うまで染めていたから。どうしてかきらきら輝いて見えた。自転車で、ゆっくりと私は強い風を受けてよたよた。真っ直ぐ続く土手の上を進んだ。向うから、同じように自転車でおじいちゃんが近づいてくる。私は、だいたい毎日出会っている人だから、会釈して、やり過ごす。それから、やはりいつも出会っている犬とそれを引いているにいちゃんを追い抜かす。犬は私に気付くと、思い切り綱を引き、飛びつこうとするので、飼い主のにいちゃんは私が後ろからやってくるのにきづくと、道の端のほうに避けてくれる。そして、綱を短く持って、犬を制する。ぐんぐんとスピード上げる、と一瞬、流れていく風景の中に、取り残されているのは私のほうなのではないかという錯覚に陥る。

CYPRESS/ANA

2007-10-20 | 若者的図鑑
CD屋でスーパーカーなきあとのグッドセンスミュージックは彼らだ。

みたいな、コピーに踊って買いました。
スーパーカー解散の衝撃に浸って漂う毎日のせいです。
嘘です。別に衝撃でもありませんでした。ただ、ひとつ時代が終わったか、というぐらいで別段思うところもなくだって、スーパーカーあまり好きじゃないし、その時点で持ってるCDはジャンプアップだけでしたし、パッとせんバンドやなと思ってましたし。
それほど知名度もなかったしね。小学生でも知っているというぐらいの知名度は。

しかし、ひとつ時代は終わったかと。
で次の時代にあらわれましたANA。

サンプラーの漂う、ドラムが生み出す、ギターを入れて、詩はメロディとして、へなちょこボーカルで、漂う。漂流する音楽へ。ようこそ。

ああ、まだしんではいけない。とあたしは想いました。
暑い夏に想いました。

相田以西理論

2007-10-19 | 若者的詩作
時計の針は音の速度で
ちくたくちくたく叫んでいた
誰かと誰かと誰かは泣いて
それでも世界は回っていた

がたがたがた突っ走る、乳母車のように
がたがたがた突っ走る、町並みに溶けた

雨の降る夜に続くのだろう
この道の先にあるのだろう
あれもこれもそれすら僕は
知らずに歌を歌う馬鹿でした

声を上げて空を呼ぶ、何も変わらなかった
声を上げて空を呼ぶ、すぐに声はでなくなった

抱きしめる強く忘れるために
忘れるために、さようなら言えない
汗が流れて花束も流れ、
眩しすぎる太陽目を閉じる
時計の針は音の速度で
ちくたくちくたく叫んでいた
誰かと誰かと誰かは泣いて
それでも世界は回っていた