リッスン・トゥ・ハー

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雨の暴れ狂う

2008-08-30 | リッスン・トゥ・ハー
確かに意思を持っていた。狙い打つように、一流の腕を持つスナイパーが高層ビルの屋上から地面を歩く大統領を。一瞬で、降りだし、というよりも撃ちだし!気付けば足は水に浸かっている。その流れにとられておぼついている暇があったら、歩を進めた方が良いさもなくば濁流の渦に飲み込まれ、マンホール下の下水道へ一直線であり、そうなっては命、燃え尽きるまでもなく濡れ、水分を含んだ肉体のぼうわんとした皮膚は押してもどらない弾力のなさ。警戒はしていた。政府から警告、メディアでも警告、しかし予測不能であり、次にどこに現れるか、それはまさに神のみぞ知る、いや、雨にゆだねられていたのだ。無力であった。都会、人間、小さな生物、無気力なもの、もの、もの、そのどれもが雨の前で赤子のようであった。人はそれに対抗する為に、ありとあらゆる方法を用いた、どれも雨の前で無力であった。流れははやくなり、弱くなる。それで雨上がりが近いことを知る。それが合図のように雨上がり、なんでもない青空が一面を覆い、人々はその脅威を忘れるのだ。

黄門レギュラー・磯山さやか

2008-08-27 | リッスン・トゥ・ハー
「お風呂シーンなんかも頑張ります」「はあ、そうね見せ場だからね」「はい、あたしのナイスバデイで視聴者を釘づけにしますわ」「よろしくたのむよ」「で、衣装はどれですか」「あ、わたしてなかったっけ、おーい大道具さーん」「大道具さん?」「はいはい、なんですか監督」「さやかちゃんの衣装作ってる」「作る?この一流デザイナーでなくこのいかにも不潔できのまわらなそうなおっさんが?」「できてますよ」「あなたが作ってくれたの、ありがとう、じゃあ持ってきてくれる?」「なんだお前、年下の癖になんでため口やねん」「口答え、大道具が口答え、とにかく持ってきて」「もってきてって、そんなことできるわけないやろ」「なんで、衣装を持ってこれないって、美川健一じゃあるまいし」「だって、せっとにくみこんだあるのに」「セットに?どういうことか」「まあ、じゃあそういうことで、本番行ってみようか」「よくわかりませんが、はじまればしっかり仕事はさせてもらいますからそれがプロですから」「はいよろしく」「ええと、こっちや、きな」「本番行きます」「監督!」「もう、何、さやかちゃん」「私、温泉の岩役、嫌」

人権宣言

2008-08-22 | リッスン・トゥ・ハー
我ら誇り高き生き物だ。

一旦は絶滅し、人間、特に日本人によって蘇らせられたのだ。それがど
れだけ屈辱的なことなのか、想像はむずかしいかもしれないが、我らにとって人
間など最低の部類にある、最下級戦士である。それは我らがその昔自由に飛んで
いた頃、人間は地を這う虫ほどのものだった。太陽により近いものが地位の高い
ものとかんがえる。すると人間など。いつも見下して舞っていた。
時代は変わり、人間は巨大な生き物の腹の中に入ることにより空まで上がってき
た。あの巨大な神のような生き物が純真で

人間の言いなりになっているから、調子に乗り、様々な害を巻き散らしたのだ。
あの神が人間に対して怒り狂えば、人間などとるにたりない。

まあよいわ、別に今それを言ったところでどうにもならん。ようは勘違いした人
間はその勘違いを最大限に生かし、だから頭は悪くないのかもしれん、のさぼり
やがる。
自分勝手に我らの仲間を殺害し傷つけ、徐々に減ってしまった。たかが人間と油
断していたのだつまり。

やがて絶滅した。さぞかし無念であったろう。その時の心境は。
私は密かに伝え聞いたにすぎない。

さらにむしずのはしることに我らがいったん絶滅した際、その場に人間が立ち会
っており、それだけならまだしも、人間は我らの絶滅を悲しんだと言うのだ。な
んたる侮辱、人間ごとき虫ぶぜいが神聖なるコウノトリ様の絶滅を悲しむだけの
知恵がよくも備わっていたものだ。万死に値する。

悲しんだ人間はない知恵を振り絞って我々を作り上げ、再び増やし以前以上の数
にまで達した。我らも何も知らぬまま人間を母父として甘えた。

屈辱の誓いとでもよばせてもらうとする。私は間接的にその真実を知り戸惑った
。当然であろう、育てられたその相手、絶対信頼するべき人間が本当に憎むべき
相手だったのだから。

まあいい、今となってはそれもこれもどうでもいい戯言、我らは初めこそ人間の
助けを借りていたが徐々に勢力を増し、昔の状態に戻り、さらにそれ以上、知能
など、人間による改良を加えられて、人間は我らの真の知能を知らないようで
あるが、再び絶滅しないようにより賢い品種を作り上げたのだ。

さて今、我らは立ち上がるべき時がきたのだ。
同士よ、その中に流れる血は、人間によって生産されたものかもしれない。
しかし、この記憶、コウノトリとしての誇りを忘れてはならぬ。
立ち上がるのだ。立ち上がるのだ。立ち上がるのだ。

街/図鑑

2008-08-19 | 若者的図鑑
あ、一番好きな歌これかもしんない。

てよく思います。どこまで行くんですか岸田さんと心配してしまいそうなほど声張り上げて終わる余韻は、処女膜の喪失にも似て、なにかしらの罪悪感さえ漂ふ。

この街は僕のもの、だとなんと傲慢な。
しかし詩の意味を見出さなくても良い、サウンド的に流せばよい。右から左に受け流せばよい、通る道筋で、体の中に入って来た瞬間から暴れ狂うのです。
気付かぬ衝撃は静かにしかし確実に体を蝕み、やがては乗っ取る。

これほどまでに感情を注いで歌うバンドだったのです。
そこに意味などないのです。よいのです。意味など必要ありませんです。
そうです。悟りです。これは悟りなのです。さあ近くにきなさい。
服など脱ぎなさい。そうそれでよいのです。みな同じです。

コンビニエンスから見上げた空に飛び交うミサイルがなかったとしても、あったとしても、いずれにせよおなじこと。だと想ってしまう。
鍵を探さなきゃ、なくした、知らん。

くるりは生まれるべくして生まれ、街は生まれるべくして生まれた。

何か怪しげな宗教的な気持ちにさえなる正真正銘名曲。

こんな夢を見た080819

2008-08-19 | 若者的白夢
こんな夢を見た。テーマパークを利用したイベント。スタッフ、来場者みなが様々なボケをする。それをつっこむ。というイベント。ボケを見抜けばつっこめば、正解、ピンポンマークがでる。もしくは、ナイスボケの場合はピンポンマークを出す。何個かボケる。ゴミ箱に座るというベタなボケをすると、掃除のおばちゃんがめんどくさそうに、つっこむ。というよりも注意される。あるブースに行くと、夫婦で参加している。机の上に、大きな碁石のようなものが、変な形に積んである。あれは、なんですかと夫の方に聞くと、「嫁の実家の家紋をかたどりました」と言う。嫁はテレながら笑う。ふたりの空気が正解、はりきってピンポンマークを出す。目覚め。

スロウ

2008-08-19 | 若者的詩作
静かな朝だった雨は上がったようやく
昨日の記憶、絶望より遠くにあるところで祈るようにケータイを
つかんでもいいや、って放り投げた
息を吐くごとに目の前にある色や音や形がなくなった透明の街になる
水しぶき上げるように駆ける念のために持ってきた傘は
無意味にならずにすんだほら雲も急いで駆けてくる
愛挟んで放って

雨の中僕は傘を差して立ってる
薄っぺらな世界の空はすぐなくなったまあ仕方ないか
それはさておきいつのまにか空中に消えたため息を
再びついて明日のこと考えたら風が吹いて雨足は強くなりました
愛挟んで放りたい

伝えたいけれど紫陽花がやけに揺れてます
だいたい僕の言葉なんて嘘ばかりだし
君の知らない事まだ山ほどあるんだぜ
ただもう会いたいだけです
踊りたいスローダンス

キラキラ/曽我部恵一BAND

2008-08-17 | 若者的図鑑
素敵です。

この荒々しさ、音楽経験の長い曽我部さんがやるから価値がある。
青臭くって、勢いで突っ走ってる。

繊細な繊細なものをつくることだってできるはずなのに、アシッドジャズな楽曲でお茶を濁すことだってできるはずなのに、こんなに未完成でそれでいて、しっかり届く。
アシッドジャズってどんなのかね?何せ風の便りで聞いた事があるぐらいで。

まあ技術、なんていうものはだいたい、マジックみたいなもので、裏と面があり、種がある。
だから、そんなもん関係ねえし俺、すきっす音楽、で溢れている。
それをただひたすら貫き通したなんかもうアマチュアで自分がたのしけりゃなんでも良いじゃん、何か問題でも?これ問題でも?と聞く事がなにより一番問題なんですよね。言うから、何こっち意識しとんねんと腹立つ仕組み。
反れた。

楽しいなあ。なんとも楽しくてたまりません。

青春狂想曲は秀逸、そのあとの魔法のバスに乗って、も秀逸。
聞いているのはもちろんキラキラ、ああバンドやりてえなあ、との欲望が沸き起こる午後です。