リッスン・トゥ・ハー

春子の日記はこちら

舞姫3

2009-10-24 | 東京半熟日記
北極圏に入る。いとも簡単に北極圏である。ここではオーロラが見えると言う。嘘を付け、と余は怒鳴る。こんな陽気では、オーロラも引きこもっておるわ。どちらにせよ昼は、オーロラが眠っているわけであるから、することがないわけで、であるからして、余はスーパーマーケットに赴く。そして庶民の文化を堪能するそれすなわち、安価な食料品の宝庫である。これはフィンランドであろうが日本であろうがラオスであろうが同じこと。庶民の味方スーパーマーケット。ヨーグルトを購入すチョコを購入す水を購入す様々購入す、あとで試してみる。味が濃い。ここはロバニエミと言う町である。オーロラが見えるという町である。そこに3日ほど滞在するのである。そしたら見える確率は高いのである。9月から見えるとの情報がある。確かな情報ではない。余は聞くホテルのフロントに、どこに行けばオーロラが見えるでしょうか?は?は?と何度も聞き直されようやくオーロラのことを聞いていると理解したらしい。アホか、オーロラは気温がマイナスにならなでんわ!を丁寧にした言い方で言った気がする。仕方ねえ。ぞんざいな口調でつぶやいてみる。するとなんとなく気が安まる不思議である。ところでこの町はサンタクロースの出身地でもあるという。サンタクロースがいる村があるという。それならばサンタクロースに会いにいこうではないか、となるのが人情。人情。はぐれ刑事純情派。

舞姫2

2009-10-13 | 東京半熟日記
姫よ舞え、音楽に乗せ、足ぴんと上げ。お前は史上最強のロボットなのよ。

iPodに入れた1400曲余り。ところでこのiPodクラシックは素晴らしい。1400曲入れてなお、まだその10倍の容量が残っている。さらにポッドキャスト、つまりインターネットラジオである。人気のお笑い芸人から安住紳一郎というタレントせい強いアナウンサーのラジオ、150本ほど入れている。くりいむしちゅー、爆笑問題等、非常に面白い。これは楽しいおもちゃを手に入れた余である。

iPodを起動させる、ランダムで曲を鳴らす。1400曲の内訳は、くるりの120曲余り、サニーデーサービス並びに曽我部恵一関係の160曲あまり、をはじめとしてその他ソフトロック、マスターピース、モーツァルト、ドラゴンクエスト音源集、ビルエヴァンス中心のジャズ、柳家小さん等落語等、鳴らしてしっくりきた曲をここに記す。

順位ではない、思いつく順である。

●くるり、何にでも合うこの音楽、どんな国にでもフィットする。さらに森であれば森の、岩であれば岩の、町であれば町の、電車、フィリー、バス、徒歩、それぞれの場面場面で食い込んできます。オスロからミルダルに向かう電車、ランダム再生にしていた、ライブ版ブレーメン、鳴り止んだ瞬間、ここでこの音楽を聴けて余はなんて幸せなんだろう。美しいストリングスの響きと美しいメロディ、底なしの悲しさが漂う詞、絡み合って体を揺れ動かして持っていかれました。ぐるりんぱと屋外に持っていかれました。音楽は素晴らしい。かといえば、愉快なピーナッツの都会的なざっくざっくした質感がこれまた、ヘルシンキを包みます。

●サニーデーサービス24時、ベルゲンの異国情緒漂う町の、古くからあるというホテルの部屋、窓辺に座ってその風景をスケッチしてみる。色鮮やかな屋根屋根屋根、見下ろせば群青色のパラソルがあり、その下でお茶をする人々。物悲しい、このアルバムがよく合いました。

●モーツアルト、クラシックは場所を選びません。余は聞き慣れていないため、どんなクラシックの曲でも何か荘厳な空気を感じてしまう。わざわざ言うまでもないけれどとりあえず、旅行中は好んで聞いたのである。

●ドラゴンクエスト交響曲、これが意外にぴったりと合う。フィヨルドに分け入る船の上で、山を下る電車のなかで、歩いて森を抜けていくとき、自然と距離を近くしたときに、勇者の気分になるからであろう。それにしてもこの序曲はいつ聞いても、ハミングしたくなる。名曲である。

●爆笑問題カーボーイ、ネタ投稿コーナーがポッドキャストで配信されている。熟練の職人さんがしのぎをけずっている。タキシードは風に舞うさん、好きである。車酔いしたときもこれを聞いてほくそ笑んでいたよ。ずいぶん助けられましたよ。

●安住紳一郎の日曜天国、面白い、話術があります。



舞姫

2009-10-01 | 東京半熟日記
ヘルシンキで購入した余の派手なシャツは、日本の風土、気候には合うことなく、タンスのこやしに成り下がるのである。

娘は燦々と歩を進める。

トナカイ肉の匂いが鼻に残っている。

独特の臭み、ベリーソースの酸味、甘み、それらは余の体を地面に沈める。

地面すら、余を呼んでいるのである。

嗚呼、あの、曇った空の閉塞感、ビルディングが高くさらに空を追いやる。

迷い込んだ風は余の派手なシャツを緩くはためかす。

であるならば、トラムに乗り込み、ざんざんと折りたたみ傘を慎重に折る。

人々は行方を決めず彷徨う塵となりて、今もなおがんじがらめの余を囲む。

森にはベリーの木が立ち並び、その実をたわわに実らせて呼んでいる。

悲しい調べの歌がこの国にはよく合う。

マクドナルドはマクドナルドとしてそこに存在する意志を持つ城なり。

ゆで卵が美味である、塩が日本食の味とそう違わないことに溜息が漏れる。

JAZZを聞けば笑顔になる才能を大切にして生きていきなさい。

フィンエアーの人々よ多謝である。

イタリアンな夫妻がいて、余に陽気に話しかけてくるその英語はほぼ理解できないが、その笑顔が足腰を癒そうぞ。