おかえり、情緒。
花の水鉄砲。なんでしょうこの情緒醸す感じ、そういうものがあるんでしょうか。伝統工芸品か、祭の道具か、創作和菓子?いや知らんけど。小気味よい、リズムに乗せて刻むギターの調べはやはりエキゾチックジャパン。あるいはゴーバックチャイナ?当時のメンバー、ドラムのクリストファーがもうノリノリで叩いてて、その喜びが透けて見える気がする。いや見える。たしかにみえるのだ。少女とクリストファーが手つないで横断歩道を渡るのが。少女は片手にラムネを持っている。上手に渡ったら一緒に飲むつもりだ。クリストファーにもあげるつもりだ。
語感のよき、言葉をならべるだけで、こんなにまとまりある歌になっている、やりますね。侮りがたし。途中の、そうあいあいあいあいあー、がとても利いていて、曲全体をまとめあげていますね。
どうでもいいけど、ミュージックビデオの広島カープ帽子が、やけに印象深い。え、赤いから?
まあ、ひねりなくつけたタイトルだこと、嫌になっちゃうよ。
いやむしろ、ひねりあるたいとるのほうがめずらしいわ。だってほら、東京、虹、青い空、街、ってそれ以上ないくらいシンプル、内容がひねくれてるんだろうね。だからたいとるぐらいほら、わかりやすくありたいものだ、とかいうじゃない。その後も、春風、ワンダーフォーゲル、ばらの花、リバー。じゃっかんのひねりはかんじるもののまだまだ、副題とかつけだすアーティストに比べたら雲泥、どちらがいいわるいじゃないけど。そういう姑息さに頬張られたい日もあるんだし。
ワールドエンドで一転し、そのへんからふわふわ不安定にやりたいことを自由にするの姿勢で。果たしてたどり着いたのは奇跡と。一周も二周もしたのかな。周回遅れの誰かさんは気付かずにどこか誇らしげなのは、少し可笑しいけれど内緒。
唄からはじまるのはあまりなく、シングルでは街、ベイビーアイラブユーぐらい?けれど、使い方をよく知っている。使用頻度も含めて。
誇らしげに、時として女々しく、吹きならされるらっぱの調べが、新たなくるりなんだと思い出させる。ファンファーレ。静かな場所で、ひとりで聞いたらきっと涙がでるでしょう。生きててよかったと思えるでしょう。誰だってそう。新幹線が通り過ぎる瞬間の奇跡だって?ばからしい。まったく。けれど、信じる強さは確実にそこにあるね。
これはあくまでも静かに、思い出すように、語るように歌うべき。
真珠の川、夢の最果て、幻か、ただの戯れ言。
だとしてもかまわねえ、曖昧に誤魔化されてしまえば楽だ。駱駝に乗ってやって来た、喜多さんやい、この船はどこに向かっているのだい?知らねえ、知らねえ、知りたくもねえ、知ったところでなんの特にもならねえ。先っぽに立ってるのはあれだ、風が気持ちよくてよ、髪がばさばさ靡くじゃねえか。
喜多さんは架空の人物ですが、川の流れる音がして、ふわーっとはじまる、幻想的なメロディー、リズム、砕けちって苦悩。全体的にエフェクトかけすぎててちょっと食傷気味になるものの、たらふく食ったぞ、ザワールドイズマイン、その音楽としての完成度、そのデザートとして、成り立つ。不思議とすっきりした顔で店を出られるのです。
追いかけてくる声、デレイでしょうか、背中をやさしく押してくるから、さて、堤防に登り、夕焼け見ながらゆっくり歩いて帰ろうと思う。夕飯はあさりがはいったシーフードカレーらしい。
やあ、クラブ。
曲にはいろんな種類がありまして、古は子守唄なんかありますし、野良作業がはかどる歌、祭りの歌、祭りのあとは桑田佳祐、眠れない夜に会いたい人がいる、とがなりたてて歌っていましたよね。静かなるドン、サングラスかけるだけで別人になってしまうミラクル。まあ、もともと役割があったわけです。
いつしか、役割なんていらないよ、と王様が云い、かしこまりましたと爺が答えたあの夏以来、垂れ流しの音楽シーンへと変わり果てた姿に涙を拭いたのです。現代人の良いところでも悪いところでもある、あきっぽさや移り変わりの激しさにより、疲弊したシーンは安らぎを求めるのは、ごく自然の成り行き。やがて枝分かれしそれぞれ家庭をもち、社会の中で生き抜く強さを身に付けたのです。
カモンカモン、大音量で、もしくは気密性の高いヘッドホンできいてみてください。その波は血液を揺らし、からだ全体がゆれだすのはもはや止めようもなく、任せなさい、悪いことは言わないよ。
アルバム、またはライブのつなぎの役割なのかもしれません。しっかりつないでくれはります。
痛快な調べに乗せて、奏でるのは女トランペッター。
背伸びする感覚でペットを持ち上げて、膨らます頬がから吐き出す息はメロディーを奏でる。まるで雷に撃たれたような衝撃です。
みんながやけにスタイリッシュ、少し背伸びしてんだってこと知ってるんだ。けれどもいつものなんでもないようなかおしたままで、特に気取るわけでもなく、おしゃべりするような歌が、次から次へとでてくるんで、私たちは困ってしまう。
おそらく、あくまでもおそらく、近未来において、色褪せるにちがいないPV、だって最先端の格好っぽいじゃない。と反比例してますます輝きは増すであろう曲、年号や角栄なんて入れ込んであることに、なんの気負いもありません。それがいつのまにか、記念碑となるのです。
常に変化を続け、知らぬ間に三人編成にもどったくるりの今後に注目せざるを得ないと兄は以前言いました。わたしもそう思います。思うからこそ、兄を探すのです。
最初にいっとくと、かなりのおすすめ。
レンタルなんかじゃなく、買ってよかったと心から思う。たくさんの曲が入ってます。30曲ほど。そのどれもが普遍性のあるメロディーで歌われる。歌詞はほんのりユーモアがあり、時に励ましてくれる。すぐに口ずさめちゃう、がま口の広さたるや。
NHK教育の突っ走り具合がたまりません。朝6時55分からと、夜11時55分から。なんとなく区切りの時間をさわやかに彩る魔法みたい。油断してたらたちまち虜になることでしょう。中毒性があり、見ないと損した気分になります。特に月曜日恒例の爆笑問題田中さんによる、たなくじは見逃すと一瞬落ち込みます。まあ、すぐにわすれるんですが。
番組ではその後も名曲を惜しみなく量産し続けています。きっと第二弾でるでしょう。まちましょう、ステップを踏んで。それだけで、なんとなくちょっとハッピーに。
細野晴臣、YO-KING、木村カエラ、デーモン小暮閣下など、何気に参加アーティスト陣がすごいから、一度はきいてみて。
サカナアククョン。
まるで世紀を創造しうるような心意気で、かち合った価値観、世界観をどんどん撃ち放ってまいります。一貫してサカナクョンであることのメロディー、歌詞、演出、グルーヴなのに、なにか術にかけられたような気分です。
NHKのsongsに出てたのをみて知ったんですが、耳が聞こえなくなって、一時は活動休止の危機があったそうです。復活したのはメンバーの絆、とかただ美しいだけの展開におもえたものの、結果的に産み出したミュージックの完成度よ。演奏スタイルと合わせてなんと完成度が高いのか。時代はサカナクョンの背中に向かって台風をしむけます。ぐんぐん昇る一方です。
冬はサカナクョンの季節。寒さが身に沁みてきたら、おでん変わりにワードを聞くのが我が家のしきたりとなっています。雪はやみそうもなく、ストーブはかんかんと音をたて、窓ガラスの水滴は競って降りていく。サカナクョンはなおも日常の場面場面にいて、語り続けていくのです。
荒削りと精密機械のバント職人川相が同居する奇跡。
とでも言いましょうか、単調なるメロディで一定のリズムで、同じ言葉を何度も使って、
規則的なようで徐々に変化させています。
アコースティックと電子音は意外とよく合うんですよね。
サウンドプロヂュースは曽我部恵一さんでしょうか。たしかそうだったような気します。
見事でした。
さらに不意打ちのような言葉の暴力です。
ボーカルの子はささやき系の弱々しさで、朗読に近いんですが、
その歌と朗読の隙間にうまく入り込んでいます。
おいおいおいおい、と思ってたら畳み掛けてきます。巧みやね。
どれもが狂気です。
まるで狂気の沙汰、すべては幻想なのだから、大丈夫だよ。受け入れる覚悟はあるよ。
だから飛び込んでおいで、こちらに、この広い胸に飛び込んでおいで、と囁きかけてくるのは、
気のせいでない。
これは気のせいではないぞ、気をつけてください。
では、わたくしは防空壕に逃げ込み、冬を越しますのであしからず。
キングオブステージのライムスターのコンパクトディスクで、ゲストが豪華です。
カッコいいですねえ、もうこれはカッコいいに決まっているじゃないですか。
このバッドボーイたちよ。
1曲1バンドと行ったセッションアルバムということで、
わたしがこのために買ったとも言えるクレイジーケンバンドの肉体関係逆フューチャリング横山剣がすばらしいですよ。
あるカップルの性生活を淡々と描くんですが、その詩はまあいいなじゃいですか。
クレイジーケンバンドでは歌もなかったと思いますが、しっかり歌ってます。
熱いね。いぃね。けんさんの渋いボーカルが唸ります。唸っています。しっかりと唸って、いやほんまにこれは見事にマッチしていますよ。
でね、剣さんラップです。あの渋い声でラップしてます。これがかっこええ。
悶絶打ちますよ。打ちましたよ。
その他にもスーパーバタードッグ、高橋達也、ゴスペラーズなどなど。
豪華ですね。あら、豪華ですよ。ヒップホップってもともとこういうかんじなのかしら。
リップスライムもいろんな人たちとやってるし、他のヒップホップの人たちもねえ。
ラップと歌だからしっかりすみ分けができてるからでしょうか。
たいがいな欲望持ち続けるんだ。
って言ってる。きっと後悔してるはず。わたしなら後悔する。
若気の至りなんでその辺は許してくれませんかね、ええ。といいわけして、愛想笑いを浮かべる。
浮かべた所でなんということもない、どころか痛々しくなるだけで、
難しいこというなや、といなされる。
誰に?
青春の陰です。その時何があったのか、知らない。
少々難解な、路線にむかっていた頃のくるりは、
こんなスタンダードなポップソングを作ってそのバランスを保っていたわけです。
むかつくぐらいに感じの良い曲のワールドエンドなんかの中にあって、
シンプルだけど高感度抜群のリバーは、
結局こんなやつが一番良くて、結婚するならリバーだよね。
落ち着くよね、と思ってしまう力があるんです。
川の流れに身を任せるに限るの精神は、その後の三日月に通じるものがありますね。
リバー二部なんでしょうよ。