「停電になります」
「またですか?」
「そういわず困っている人がいるのです」
「わかった協力しますよ」
「ありがとうございます」
「でも仕事ができませんねえ、どうしようかな」
「今日は早く帰ったらどうですか?」
「でもなあ、家に帰っても何もすることがないし」
「ゆっくりしたらいいじゃないですか」
「ゆっくりしようにも、停電じゃ本も読めないし、ゲームもできない」
「なにもせずに家族とお話をしたらどうですか」
「話すことなんてありませんよ」
「あらためてしてみるのもいいですよ」
「そうかなあ、もうずいぶん話してないや」
「こんなときですから、ぜひやってみてください」
「わかった、どうせすることないんだから話してみるか」
「御協力ありがとうございます」
「いや、こっちこそ、なんか久しぶりにドキドキするわ」
「楽しみですか?」
「ちょっとね」
「ちなみにどんなはなしをするんですか?」
「そうだなあ、娘の小さい頃の思い出でも話そうかな」
「それはいいですね」
「娘はね、身体が弱かったからよく病気をしたんだよ」
「そうなんですか」
「いつかなんて、夜中に急に泣き出して、熱を測ったらすごく高い」
「はい」
「これはやばいぞって、思ったけれどあいてる病院もよくわからないし」
「そうですねえ」
「そのときの妻と言ったら」
「なんですか?」
「フライパン握りしめて、にんじんにんじんと叫びながら」
「は?」
「外に駆けてったんだ」
「意味が分かりませんが」
「そういうことがあったの」
「そうですか」
「じゃあ、帰るわ」
「はい、お気をつけて」
「またですか?」
「そういわず困っている人がいるのです」
「わかった協力しますよ」
「ありがとうございます」
「でも仕事ができませんねえ、どうしようかな」
「今日は早く帰ったらどうですか?」
「でもなあ、家に帰っても何もすることがないし」
「ゆっくりしたらいいじゃないですか」
「ゆっくりしようにも、停電じゃ本も読めないし、ゲームもできない」
「なにもせずに家族とお話をしたらどうですか」
「話すことなんてありませんよ」
「あらためてしてみるのもいいですよ」
「そうかなあ、もうずいぶん話してないや」
「こんなときですから、ぜひやってみてください」
「わかった、どうせすることないんだから話してみるか」
「御協力ありがとうございます」
「いや、こっちこそ、なんか久しぶりにドキドキするわ」
「楽しみですか?」
「ちょっとね」
「ちなみにどんなはなしをするんですか?」
「そうだなあ、娘の小さい頃の思い出でも話そうかな」
「それはいいですね」
「娘はね、身体が弱かったからよく病気をしたんだよ」
「そうなんですか」
「いつかなんて、夜中に急に泣き出して、熱を測ったらすごく高い」
「はい」
「これはやばいぞって、思ったけれどあいてる病院もよくわからないし」
「そうですねえ」
「そのときの妻と言ったら」
「なんですか?」
「フライパン握りしめて、にんじんにんじんと叫びながら」
「は?」
「外に駆けてったんだ」
「意味が分かりませんが」
「そういうことがあったの」
「そうですか」
「じゃあ、帰るわ」
「はい、お気をつけて」