おっさん先生と愉快な仲間のぶろぐ

先生って楽しい仕事だと思い続けることができたしあわせな爺っさまのつぶやきです。

夏の思い出

2014-09-14 15:58:26 | Weblog
長い教師生活をしていると、
たまに身震いしたくなるような出来事に出会うことがあります。

今年の夏の終わりに、
そんな出来事に出会いました。

簡単に言えば、
ある町で盛んなサッカー大会に四年生から出場し、
0対二桁のスコアで惨敗しつづけていたチームが、
6年生になって、やっと一点を勝ち取ったというお話です。

6年生でも一回戦は7-0で敗退、
敗者同士の対戦がその舞台でした。

大会前の彼らの目標は
「二桁で負けない」「一点を取る」というささやかなものでした。

なぜなら、サッカーの盛んなその町では
スポーツ少年団やサッカークラブがたくさんあり、
大きな学校の子どもたちは
そうしたところでの経験を持っている子どもたちがたくさん参加します。

大会のルールで男子の部、女子の部に分かれるため、
小さな学校で男女混合のチームを組むと
男子の部に参加するしかありません。

女子だけで11人そろわない、
男子だけでも11人はそろわない場合は混合です。

今夏の構成はサッカー経験皆無の女子6人男子5人、
ぎりぎり11人でした。

だから彼らは目標を「二桁で負けない」「一点を取る」ということにしました。

それも無理かもしれない、
というのが正直な気持ちでした。

経験した男子ばかりのチームとの対戦に交代要員もいない男女混合チーム

体力的にも技術的にも、
なによりもモチベーションが、と考えると結論は見えていました。

それでも大会の2日前
担任と初めて運動場で円陣を組み声を出す子どもたちに、
「君たちなら絶対に一点取れる」と言ってしまいました。

そして青空高く上がったボールがゴールに吸い込まれた瞬間、
子どもたちも担任も大喜びで、
今にも泣きそうな顔がいくつも見えました。

試合終了の笛がなった後、
対戦相手若い教師が
「子どもたち輝くような顔がすごくて、
うちが3-1で勝ったのに負けたような気分でした」
という言葉をかけてくれました。

0が1になるとき、そこには感動があるんだということを
子どもたちに、また、教えてもらいました。

やっぱ、教師という仕事いいですよね。
コメント
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