壁際椿事の「あるくみるきく」

東京都内在住の50代男性。宜しくお願いします。

『砂の器』を観た

2019年04月13日 | お願い

フジテレビ開局60周年企画『砂の器』を観ました。
原作の松本清張は大好きな作家で、ほとんどの小説を読んでます。
「砂の器」も小説を読み、映像化された作品も3~4回(種)観ています。

今回の映像化は、舞台を平成の世に移している。
だから、太平洋戦争の大阪空襲で戸籍が焼失といった原作の内容が、
和歌山豪雨で家が流され天涯孤独に、と置き換えてある。
酒鬼薔薇聖斗事件を思わせるエピソードを取り入れるなど、凝った内容でした。

今西刑事役の東山紀之の演技もよかった。
妻と離婚したアル中といった今西像も、
原作と違って、現代的に描かれていた。
和賀英良役の若い役者(←名前がわからない)の演技もよかった。
全体的に素晴らしい内容でした。

だが、一つ疑問に思った。
和賀はピアニストなのに、なぜ指を大切にしないのか、と。

犯人はコンクリの塊で三木憲一の顔を殴打する。
指の骨が折れ、潰れるかもしれないほどの勢いです。そうでないと人は殺せない。
もとより計画的な犯行です。
犯行場所は人目が届かないビル工事現場で、そこに誘い出してる。
計画的なら、凶器も計画的に用意しているはず。
ハンマーを使えば指のケガは確実に防げるし、ナイフでもいい。
凶器は犯行後、持ち帰ればいいだけのことです。

もっとも「指のケガまで気が回らないほど動顛していた」という演出かもしれませんが。
でも、計画的ですからねぇ。

エンドロールに「構成:橋本忍、山田洋二」とあった。
野村芳太郎の映画は、たしかこの二人が脚本を書いてる。
今回この二人は関与してないだろうが(橋本氏はすでに故人です)、
もし関わっていたら凶器をどう描いていたか。気になります。

以上、素晴らしい作品だけに、ちょっと気になったことでした。


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