先に配達

ある地方の町。昨年の大晦日の昼間のこと。町の菓子屋さんが、依頼を受けた鏡餅を配達して回っています。みんな顔見知りの小さな町です。予約時は「大晦日に取りに行くよ」というようなやり取りが交わされたのでしょう。

「取りに来るって、ぜんぜん来ない。こっちから押し掛けて行く」。若い跡継ぎは、そう言って軽自動車を走らせていました。都会の和菓子屋やケーキ屋なら、こうは行かない。客へのサービスというより、「早く仕事を終わらせてゆっくりしたい」というのが本音かもしれませんが、なんとなく心温まる話です。

荷預かりだけでなく配送も請け負うと回転率が高まる、と新領域に進出した倉庫会社の事例をビジネス誌で読みました。それで、約1年前に見聞きした菓子屋さんのことを思い出しました。