「『宇宙の中心』への鍵だ! 渡してもらおうか、そいつを」
第二の男が、吼えるように言葉を投げつけた。
ペパーは極力平静を保った。その名を聞いても、顔色一つ変えてはならない。常々からそう自分に戒めてきた。
だが――誰も知るはずのないその名を、不意打ちに投げつけられ、ペパーは一瞬、その名前が指し示す場所を想起した。厳重に、幾重にもプロテクトされた扉の奥底、この世界の存亡にかかわる秘密の眠る場所を――『宇宙の中心』を。そして記憶をなぞるその一瞬が、瞳に揺れるわずかな不穏となって映し出された。
第一の侵入者は、それを見逃さなかった。
「知っているな」
確信と満足を込めて、侵入者は言った。
「何のことだ……」
虚しい抵抗と知りつつ、ペパーは空とぼける。
「いいかね。俺たちはあまり下品な真似はしたくない。それが証拠に、俺を招き入れてくれたあの家政婦も、いまは眠っているだけだ。だがペパー、あんたがおとなしく従ってくれないなら、彼女の喉にナイフを突き立てる。ということで改めて聞くが――鍵のありかを、教えてはくれないかね?」
第二の男が、吼えるように言葉を投げつけた。
ペパーは極力平静を保った。その名を聞いても、顔色一つ変えてはならない。常々からそう自分に戒めてきた。
だが――誰も知るはずのないその名を、不意打ちに投げつけられ、ペパーは一瞬、その名前が指し示す場所を想起した。厳重に、幾重にもプロテクトされた扉の奥底、この世界の存亡にかかわる秘密の眠る場所を――『宇宙の中心』を。そして記憶をなぞるその一瞬が、瞳に揺れるわずかな不穏となって映し出された。
第一の侵入者は、それを見逃さなかった。
「知っているな」
確信と満足を込めて、侵入者は言った。
「何のことだ……」
虚しい抵抗と知りつつ、ペパーは空とぼける。
「いいかね。俺たちはあまり下品な真似はしたくない。それが証拠に、俺を招き入れてくれたあの家政婦も、いまは眠っているだけだ。だがペパー、あんたがおとなしく従ってくれないなら、彼女の喉にナイフを突き立てる。ということで改めて聞くが――鍵のありかを、教えてはくれないかね?」
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