俺の翼に乗らないか?

スターフォックスの一ファンのブログ

『スターフォックス、宇宙の中心へ』その2

2010年11月28日 00時38分50秒 | アナザーストーリー
 応接間の戸口に現れた男の姿を見て、主は眉を寄せた。
 夜霧に湿ったコートを脱ごうともせず、ポケットに両手をしまったまま仁王立ちになっている。
 家政婦の名を呼ぼうとして、主は口を開いた。
「呼んでも来ない」
 コートの襟に隠された男の口元から、刺すような響きの言葉が発される。
 主はゆっくりと立ち上がり、言った。
「おまえは何者だ? 『山狩りの一団』の者ではないな?」
「いいや『山狩りの一団』だよ。多少、私的な目的のためにお邪魔しているがね」
 ぐぬう、と主は唇を噛んだ。いつの間にか、コートの男の後ろ、さらに第二、第三の侵入者が影のように現れていた。
「元・コーネリア軍最高司令官、ペパー将軍……。いくつか聞きたいことがある。ご同行願おう」
「なにが目的なのだ。いまの私はただの退役軍人に過ぎん。私を材料に政府を脅そうとしているのなら、見当違いだぞ」
「あんたの昔の肩書きなぞ、興味はない」
 コートの男の肩越しに、第二の侵入者の声が響く。声は若い男のものだ。黒いダウンジャケットから、茶色い鼻先と軽薄さのにじむ顔貌が見て取れ、二十代に入ったばかりかと、ペパーは推測した。

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