先日お伝えした、RoboCupJunior Rescue Simulation 2023 の改版されたルールを読みました。(Last updated 2023-05-21版)
とりあえず、私が「んっ!」と思った部分を列挙しておきます。
まず最初に・・・ルールを改版したら、「改版しました」をフォーラムとかに投稿してくださいよ! ねぇ!
ここからコメント
Before you read the rules の中の
The English rules published by the RoboCupJunior Rescue Technical Committee are~
現状「Rescue Technical Committee」というのはありません。 正しくは「Rescue Committee」でしょう。 こういった、変更になった用語の取り扱いをしっかりしてほしいです。
Sections of the rules that apply specifically for in-person competitions and online competitions will be marked with a " * ".
*印の説明なのですが・・・これが意味不明です。
訳すと(Google 先生による 以下も緑色は機械翻訳)
「*」マークが付いた競技ルールのセクションは、直接集まって実施する競技とオンライン競技の両方に特に適用されるルールです。
オンサイト競技とオンライン競技の両方に適用される・・・これ、正しいの?
本文の*印を見ても、なんで*印が付けられているのか分かりません。
本来であれば、オンライン競技の時に適用するものと、オンサイト競技の時に適用するものを分けるべきなのではないでしょうか?
Scenario の下にあるフィールドの絵が、あいかわらず2022年ルールの絵で、2023ルールにマッチしていません。
ルールなんだからさぁ、ちゃんとルールにマッチした絵を掲載してよ!
(せめて、この絵は昨年のルールだから古いよ、と掲載してよ)
2.1.5. Teams are encouraged to develop their worlds and upload these to the forum to enable sharing.
そのまま直訳すると
チームは自分たちの世界を開発し、それをフォーラムにアップロードして共有できるようにすることが推奨されます。
「自分たちの世界を創る」・・・神様になれ、と言っているように思えますね。(笑)
RoboCupJunior Rescue Simulation では競技フィールドを world と言っているので、こういう記述になっているのですが・・・わかりにくいですね。(初めて、ルールを読んだ人が、理解できませんよね)
2.2.1.3. All areas are connected by a passage of one standard tile in width. A color will mark the floor of this passage.
全てのエリアがつながる・・・と書かれていますが、なぜかすべてのエリアは接続しません。 例えばエリア1とエリア3は接続しません。(エリア2とエリア4も接続しません。)
2.3.2. Silver tiles will be placed randomly at the start of each game.
普通に訳すと・・・
各競技の開始時に銀タイルがランダムに配置されます。
と、銀タイルが適当に(ランダムに)配置されるような感じですが・・・そういう意味ではなく、「各競技ラウンドで銀タイルの配置が違うことを示している」のだそうです。(本当かよ!)
これさあ、Rescue Simulation のルールを作成するときに参考にした Rescue Maze のルールが残ったままになっているだけなんじゃないの?
2.4.2.4. Area 4 will not exceed one-quarter of the entire arena.
ルールのここにだけ arena という言葉が使われていますが、これは field が正しいと思います。(用語統一の漏れと思われます)
3.5.2. Students will be asked about their preparation efforts. The RoboCupJunior Rescue Committee may request them to answer surveys and participate in videotaped interviews for research purposes.
ここに出てくる「videotape」
今の時代、そんなのないよね!
3.5.5. All teams have to submit their source code before the competition. The organizers will share them online after the competition such that other teams can draw inspiration and learn from them.
翻訳すると
すべてのチームは、競技会の前にソースコードを提出する必要があります。 競技運営者は、他のチームがインスピレーションを得て、それらから学ぶことができるように、大会後にそれらをオンラインで共有します.
チームは競技会の前にソースコード(プログラム)を送付するのですが・・・提出したソースコードはオンラインで共用されちゃう!
以前、フォーラムで質問したら「チームの承諾を得て共有するようにルールを改版する」という回答だったのですが、変更されていません。
ということは、やっぱり、提出したソースコードは公開されてしまう、ということ !?
3.6.1. Teams must make modifications within the schedule of the tournament, and teams cannot delay tournament play while making modifications.
これも翻訳すると
チームは競技会のスケジュールの中で変更を行う必要があり、チームは変更中に競技会での競技を遅らせることはできません。
突然「変更」の話がでてきて、なんのことだか分かりませんね。 Rescue Line や Rescue Maze のルールを見ると、この項目の前に「検査規則に違反している場合、修正が加えられ、ロボットが検査に合格するまで、違反ロボットは競技することができません。」というのがあったのですが、Rescue Simulation ではロボットがルール違反になることが無いため削除されたものと思われます。 だから意味不明に・・・
「ルールに違反している場合は、ルールに合致するように変更を行う必要がある」という説明を追加したほうが良いと思われます。
4.2.2. The referee performs all operations of the simulation environment in-game, such as loading programs and operating LoP.
ルール4.2.2では審判がプログラムのローディングを含めてすべての操作をすると書かれているが・・・4.4.1ではチームがプログラムのセッティングをする。
と・・・ルールの中で整理されていません。
恐らく、4.2.2や4.4.6はオンライン競技の場合、4.4.1や4.4.2はオンサイト競技の場合、なのだろうと想像するのですが・・・もっとちゃんとルールを整理してよ!
4.4.1. * The next team in line should prepare the computer submitted at the beginning of the previous team’s round to run the program as a client to the game server. The referees will give a maximum of 2 minutes.
翻訳すると
前のチームの競技の開始時に、次のチームは提出されたコンピュータを準備して、プログラムをゲームサーバーのクライアントとして実行する必要があります。 審判は最大2分間を与える。
前のチームの競技が始まったら次のチームが準備をする。 これ、前のチームの競技中に他のチームがゲームサーバに接続したりしたらダメですよね。 フォーラムで質問したら「次のチームがゲームサーバに接続するのは、前のチームの競技が終了した後」という回答でした。 ということで、このルール4.4.1は、ルールとして間違っているようです。 ⇒ Forum
4.5.2 The Robot can be installed in any direction.
ロボットは任意の方向に設定することができます。
競技進行停止の後の再スタートの説明です。 ルール4.5.2では、再スタート時のロボットの方向を自由に指定できるような感じですが、実際には方向を指定できません。シミュレータ(競技システム)が勝手に方向を決めて(勝手に)再スタートします。
これも、Rescue Maze のルールの残骸と思われます。 ⇒ Forum
4.6.1. To identify a victim, the Robot must stop by the victim for 1 second. After 1 second, it must send a command to the game manager with the type of the victim in a platform-specific format.
被災者の発見。 ロボットが被災者の近くで1秒間停止します。 1秒後に、被災者のタイプをプラットフォーム固有の形式を指定して、競技システムにコマンドを送信します。
被災者の発見についての説明ですが・・・この項目のどこにも hazmat sign(危険物標識)が出てきません。 おそらく victim のところは victim or hazmat sign とすべきところの修正漏れと思われます。
今のままだと、危険物標識は発見してもルール上、得点にならない・・・そんなことないよね!
4.6.3 の図
上の図の右側の 「Hazard Maps」の表記は誤りで 「Hazmat signs」が正しいです。 ルール変更でHazard Maps ⇒ Hazmat signs に変更されたときの修正漏れと思われます。
4.6.9. Successful exit bonus (EB). A robot will be awarded additional 10% of the total score as an exit bonus if: it can identify at least one victim and return to the starting tile while sending an 'exit' command to the game manager to finish the game.
脱出ボーナス (EB)の成功。 次の場合に脱出ボーナスとして合計得点の10%を追加で獲得します: 少なくとも1人の被災者を発見し、開始タイルに戻り、競技システムに「終了」コマンドを送信した場合。
脱出ボーナスの説明なのですが・・・「少なくとも1人の被災者を発見し」と書かれていると、「被災者じゃないとダメなの? 危険物標識じゃダメなの?」と疑問が沸いてしまいますね。
まだ続くので・・・ここらでいったん切ります。(笑)