もう、大会日記の方で、既にいろいろと書いてしまっていますが・・・あくまでもジュニアレスキューの話です。
今回の世界大会の準備状況は、(私が参加した世界大会の中で)最低でした。
今回の経験で、世界大会は「物(material)」「人(volunteer)」「運営力(OC)」の協調(バランス)が大切だということを痛感しました。
これまで、物が足りなかったり、人が足りなかったり・・・でも、今回は物も人も足りませんでした。
これまでの世界大会で、運営に苦労したワースト3(あくまで、私の感覚)
ワースト3:2017年の名古屋世界大会(日本)
物は素晴らしいく揃っていましたが・・・人が足りていませんでした。Rescue CoSpace は、ボランティアの人数が足りないので、Strategy Challenge が実施できませんでした。(実施をあきらめた)
で、他のジュニアレスキュー(Maze と Line)は、足りない人数を作業時間で補ったので、ボランティアの休みが無かったり、蛍の光が流れるまで作業をやっていたりと、ブラックな状況でした。(笑)
※ボランティアの人数が足りなかったのは開催日程が日本の大学の試験期間と重なっていたため、ほとんどの大学生が参加できませんでした。じゃあ、なんでそんな開催日にしたのかというと、スポンサーの都合を優先したため・・・ということなので、根本原因は運営トップ(名古屋市!?)の問題!!
ワースト2:2014年のJoão Pessoa世界大会(ブラジル)
ジュニアレスキューの競技アリーナ(今でいうフィールド)が出来ていませんでした。材料だけが揃っていて(!?)、国際ボランティアが一生懸命、切って貼ってアリーナを作りました。チームメンバーが受付をするセットアップ日(いわゆる練習日)の午前中にも、なんとか練習用のアリーナ1つを提供しようと一生懸命アリーナを作っていました。
仲良しのドイツチームのメンバーが「練習日なのに練習できない・・・」と言っていました。
ワースト1:2018年のMontreal世界大会(カナダ)
はい、今回の世界大会ですね。
今回は、物も人も足りませんでした。
まずは物です。
ジュニアレスキュー用のアリーナ(フィールド)が出来ていません。木の板や棒が置かれているだけでした。
なぜか・・・Maze の傾斜路だけはできています。(笑)
「明日には用意する・・・」「明日には完成する・・・」と、いう言葉に何度も裏切られました。
このままでは、もう競技ができない・・・と判断したOCは、そこに有る材料を駆使して、何とか競技フィールドをでっちあげました。
カナダのジュニアレスキューのLOCは、勿論昨年の名古屋世界大会に来ていて、競技運営の方法や、使った物(競技フィールドや被災者などのモノ)をきちんと見て行ったハズなのですが、全く理解していなかったようです。
まずは、フィールドの基板を作るのに、大きな木の板に脚を取り付けるところからやります。もう何個のテーブルを作ったことか・・・
セットアップ日の前日は、夜中まで掛かって練習用のフィールドを作成ました。
翌日は、やっぱり夜中まで掛かって競技用のフィールドを作成しました。
ここまで苦労したのは、本当に初めてです。
プリンタもジュニア全体で1台(いや2台!?)しか無かったし、紙がすぐ無くなりました。(何で補充してくれないの!?)
そもそも、テープやハサミなどの、要求したマテリアルが、無かったり足りなかったり・・・もう、どうにもならない状況でした。
次は、人ですが・・・
(ローカル)ボランティアが全く足りていませんでした。
ジュニアレスキューに、来てくれた(ローカル)ボランティアは3~4人位でした。それも、時間制限があったり・・・
いや、来て下さった方は大変尽力してくださったのですが・・・絶対的に人的資源が足りませんでした。国際ボランティアが7~8人居たので、(休まずに作業をして)どうにか競技ができた・・・という感じです。
事前の情報では、十分なローカルボランティアが揃っているので、国際ボランティアは、特に来なくていいよ。来ても良いけど、何も補助はしないよ。(食事とか、水とか、交通費とか・・・)
ということで、国際ボランティアは何も優遇措置がありませんでした。(ボランティアTシャツだけは貰えましたが・・・)
それなのに・・・十分だと言っていたローカルボランティアはどうなったんでしょうか?
ボランティアの絶対数が少ないので、バドックの出入口にゲートキーパーを配置することも出来ず、メンターが勝手に入ったりして、追い出すのが大変でした。
で・・・最後は運営力についてです。
上に書いた2つ(物と人)が揃わなかったのは LOC の責任ですが・・・運営力はOCの問題です。
例えば、もともと10試合を予定していて、そのためのボランティアが20人必要です。でも、ボランティアが10人しか来ませんでした。さあどうする・・・
ここで、10人しかいないのだから、10人でできる競技規模に縮小して5試合にしよう! と考えてくれる勇気のあるOCは居ないようです。(苦笑)
ほとんどのOCは、10人しかいないのだから、その10人を2倍働かせて、予定していた10試合をこなそう。と考えるようです。
だから、名古屋世界大会では、審判が昼食もとれずに何時間も働いたり、蛍の光が流れるまで作業してました。
今回のモントリオール世界大会も、長時間の連続審判や、毎日夜遅くまで働かされました。
こんなことを続けていたら・・・誰もボランティアをしなくなりますよ! ねぇ!
私も、今回の競技運営のやり方に・・・もう勘弁してくれ・・・と思いましたよ。
物や人に合わせて、身の丈に合った競技会にして欲しいものです。
今回のモントリオール世界大会が終ってから、「昨年の名古屋世界大会のボランティアは良かった!」と何度も聞かされました。それほど、今回の大会は大変だった・・・ということです。
ちなみに、これまでで一番良かったと思うのは2016年の Leipzig世界大会です。物、人、運営力の全てが高度に揃った素晴らしい大会でした。
いやっ本当に、今回はこんな状況で、よく競技をこなせたものです。(笑)