アリババ帝国 ネットで世界を制するジャック・マーの挑戦張 剛東洋経済新報社このアイテムの詳細を見る |
例のごとく日本に帰ってくると仕事に関係するのやら、全く関係ないのやら本屋さんを回ってたくさん買ってきています。
中国のEC関係とかタオバオ関連とか色々な本が出ていて驚きました。お客さんと面談しても本に書かれていましたとか言われてちょっと困ってしまいましたね。なんせ、自分がまだ読んでいなかったのでないよう解からなかったですし。
さて、アリババ帝国という本ですが、アリババの創業者ジャックマーさんに関して日本語の本としては2冊目じゃないでしょうか?アリババの創業から今までの色々な経緯がでています。
会社そのものは中国では大成功している企業ですし、ご本社もお伺いしているのであえてコメントしませんが、ユニークな経営者みたいですね。
一方で、途中入社の幹部層がころころ転職しているようで、社風は結構かたよっているのかな。それに、実際のところはかなりの独裁者じゃないだろうか。その辺日本のオーナー企業とにているのだろうと想像します。
物凄く印象に残ったのは、最後の方なんですけど
タオバオには偽者が横行していると言うがそんなことは無い。自分が香港で買ったシガーケースは20万円だったがタオバオでは1万円で売られている。同じく10万円委譲するコインも5千円で売られていた。調べたら本物だった。
その商品はいったんアメリカに輸出され、その後香港に逆輸入されるからこんなに高いのだ。これは製造者にも消費者にもフェアな取引ではないでしょう
この発言は、日本にいる日本人は普通さらっと流してしまうでしょう。でも、中国で勤務する人はどう思うでしょうか?
免税の香港で10万円以上の消費単価になるシガーケースやコイン(これって具体的には良くわかりませんが)って、通常考えると国際ブランド品の可能性が高いのでは無いでしょうか?
そしてタオバオでうられている安いものは、ものが本物と言うことであればOEM生産している工場が、ブランド保有者に無許可で販売しているものでは無いか?
中国では偽者が多いです。メーカーの立場では、本物をコピーする商品も、工場から流れる商品も共に偽者です。当然撲滅したい対象の商品ですね。
そして、ジャックマーさんは一民間企業の経営者である反面、中国中央政府のEC委員会3名の一人であり、その分野では官僚と変わらない立場もお持ちです。となると。。
個人のうがった見方かもしれませんが、今タオバオが薦めている偽者撲滅運動も、前者のコピー品はとりしまるのだろうが、工場の横流し品は取り締まらないのでは無いか?そして、そういうものに関しては中国政府も基本感知しないのでは無いだろうか?
中国の外国企業で企業犯罪が起きても、刑事事件で無い限り、基本中国の公安
は「企業内の管理の問題」ということで日本の警察以上に民事不介入の原則を強くもっています。つまり、自社工場や、OEM先が商品を横流ししても、其れが本物である限り、対象となる企業の管理責任だから、ということで取り締まりは無いのかもしれません。
その辺知財関係でご苦労されている方のお話を聞かないとなんともいえませんが、日本企業にとってはちょっと怖い話だなと本を見て感じました。
まぁ杞憂ならよいですし、僕らの商売には何の影響も無いのですけど。