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日中越境EC雑感

2008年に上海でたおばおに店を作るところから始めて、早もうすぐ10年。余りの変化に驚きの連続

これまた非常にお勧めの本です。でも耳が痛いところも

2011-05-26 | 中国関連書籍書評
二十一世紀の大国中国を読む「新語」
クリエーター情報なし
日本放送出版協会


 もさんって上海人だったんですね。ダイヤモンドや朝日新聞に中国関連の記事も出稿されていますね。本を拝読するのは実は初めてです。ダイヤモンドに寄稿されている記事が好きで買ってみたんです。

 同志が今では同性愛者の意味だとか、知らない言葉もたくさん載っていますが、その言葉が出た背景を事実に沿って書かれていて、中国の社会事情が良くわかるなと感心しました。

 新富という言葉は、豊かになった中国人が観光ブームに載ったり、高い携帯電話を買っている姿が描かれています。2007年の本のようですが、その後ますますこの傾向は強まっていますね。携帯電話なんてアイフォンなんてザラに持っていますし、腹が立つことにうちの嫁は2回も落としてしまいました。10万円近いんですよ、中国では!!2回目は2使って僕にくれるやつだったのに、結局なくなったために私のは取り上げられ、私は作者の1400元より安い400元の携帯をいまだに使っています。

 キッツ、と思ったのが、競争力という所
・日本に地方政府にあうと、中国は日本の地方から学ぶものがあるでしょうと積極的に売り込んでくる。著者が逆に中国の田舎から学ぶものはないでしょうか?と聞いても、日本側は聞き流してとくとくと日本の素晴らしさを訴え続けた。
 今の日本には昔ほど貪欲に、謙虚に他人に学ぶ姿勢はないのだと著者は思われたそうです。一方で中国に対しても、この謙虚さを続けてほしい、でも中国側も既にこの日本と同じ態度が見えるようになってきたと記されています。

・首門制という、中国企業の中で顧客のクレームなどをたらいまわしにしてはいけない仕組みがあるそうです。レノボでは5日目にはCEOのところにそのクレームが届くとの事。政府機関にもこういう監視機関を置いている組織もあるそうで、日本企業より進んでいるとの事。

・日本企業より中国企業の方が家電に関してはアフターサービスが圧倒的に良い。一方、一生保障のような制度まで作っているので、あとで中国企業の首を絞めるのではないかと心配されている。

・レノボや華威の、仕事の成績で怪%を切る仕組み。もとになっているのはGEのようですね。

・そのほか携帯キャリアごとにショートメッセージが回せないとか(今は違うのかな)、スイカとパスモの並列と上海の交通カードとの比較(当然上海の方が便利)、日本の地方旅館に行ったらネットが使えないことがいまだにある。などなどの指摘もありますね。

 日本をくさすわけでもなく、中国の現実と抱えている問題も紹介しながら様々な新語を説明しているのですけど、さすがだなぁと思いました。


 日本に対する印象は、私もブログとかで良く愚痴っていますが、本当にある分野では酷いんですよね。確かに中国の方が進んでいる分野もあります。も先生も、技術力や生産力で日本に追いつくのはまだまだだけど、サービス分野では既に日本を上回る分野も結構あると指摘されています。


 日本のサービス業って、元々生産性が低いと言われていますよね。まぁ提案営業とか、アメリカとかなら営業がやらない仕事をしている面もありますし、ゴルフや会食などの接待も多い。法律や行政の規制も多い。

 今後日本ン企業が中国やほかの国に出ていくのは中堅以下のメーカーか、サービス業じゃないですか。メーカーはまだやりようはあるのですけど、そうでない企業の苦戦は免れないのでしょうね。

 思うのですが、中国関連のおビジネス書とかいろいろ出ていますけど、日本に長い中国人の方の本の方が正しいのかなと思ってしまいます。しょうがないのかな。徐向東さんとかも具体論はともかく一般論については良くご存じだなと思いますし、日本人の本で感心したのはダイキンの宮崎さんのだけかな。あくまでも日本人の中でどうのこうの、日本人としてどうだ、という視点が多いし、それはやむをえないのでしょうね。

 でも、やはり現地の営業現場できったはったをしたことがないと深みがないんですよね。


 全然話変わりますが、東京電力福島第一発電所の吉田所長が海水放水を継続していたことに関して非難もあれば、評価する声も出ていますよね。地震直後になんかで見たのは、「評論家の言うことなんか聞いてられるか」という趣旨の発言があったと聞き、ちょっとほっとしたんですが、実際にそういう方のようですね。たった4歳先輩の方なのですが命を懸けて現場で戦っていらっしゃるんでしょう。こういう方が、東電みたいな会社で、またこういう問題のあるところにいたというのは、僕らにとってはまだ運があったということでしょう。

 前中国にいた時の会社で、途中から入社していきなりお偉いさんになった方が、知ったかぶりして僕がアレンジした所属企業の、競合企業への売却話壊してくれたんですね。現場にいてそれ以外に企業価値維持する可能性なしと判断して、本社口説き落としてたんですけど、まぁアウト。で、僕は怒ってすぐやめたんですが、その会社3月後に中国側経営陣がやめてぼろぼろ、結局数十億円の損害になったんです。驚いたのはその時のお偉いさん、今はアジア向けのコンサル開業してらっしゃるんですよね。クライアントはご愁傷様ですわ。なんで日本ってこうなんでしょう?外資の世界でこんなトラックレコード残したら食えなくなるのに。。


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