なんて、偉そうな題名ですが、そんな専門知識も能力も実は持ち合わせておりません。ハイ。素人のほざきと思ってみていただければ。
先日上海の2009年上半期の経済成長が中国で最低の5.6%という記事をご紹介しましたhttp://blog.goo.ne.jp/muchida3527/d/20090723。その後上海市統計局から内訳の数字が出ていたので、その紹介と勝手な意見を。。
尚、上海市統計局のサイトはこちらですhttp://www.stats-sh.gov.cn/2008shtj/index.asp。
上半期の上海市の経済成長の概況として、
上海市上半期GDPは5.6%増加。約5000億円増加。
1次産業は前年比マイナス0.5%。2億円マイナス。
2次産業は前年比マイナス3.6%。1400億円マイナス。
3次産業が前年比14.2%の成長。6600億円プラス。
⇒工業の不振をサービス業がカバーしたという事ですよね。
工業生産は前年比マイナス5.1%で、工業企業の利益は前年比マイナス29.7%。利益の減少額は約3000億円。軽工業がマイナス7.2%。重工業はマイナス5%。
⇒まぁやむをえないのでしょうが、後でご紹介しますが輸出の65%が実は外資系企業によって生み出されていますので、日系に限らず外資系製造業でリストラが行われているのは当然かと思います。
第三次産業としては金融業が、上海株式市場の株価上昇と貸付金の増加で前年比27.2%の成長。不動産業が前年比22.6%成長。卸小売が14.3%成長となっています。そして交通運輸はマイナス7.7%。
⇒金融業が前年比で2500億円、不動産と卸小売は夫々1000億円GDPの増加に貢献したとされています。不動産に関しては、だいぶ流通が回復してきたとはいえ、下のように不動産開発は減っていますし、なんで増えたのでしょう?卸小売の1000億円の増加は納得のできる分野であり、内需拡大になっていると素直に受け止めれます。
問題は金融業で、上海株の好調さと融資の増加がGDP増に寄与しているという事ですが、これはどう解釈すべきなのでしょうか?ロジックが良く解らないのですがバブル効果という気がします。
貨物運輸量は、前年比16.5%のマイナス
不動産開発は住宅がマイナス11%で、事務所はプラス1%。一方固定資産投資は国有投資が前年比24.9%の増加。この国有固定資産投資の増額が約3000億円。固定資産投資全体は前年比で2650億円増(+9.6%)だが、国有資産投資を除けば前年比-300億円(マイナス2%)。
貿易は出ている数字とコメントが乖離しているので良く解らなかったのですけど
輸出 625億ドル 前年比-22.3%
外資系企業の輸出 415億ドル 前年比-23.7%
国営企業輸出 126億ドル 前年比-21.7%
輸入 579億ドル 前年比-24.8%
外資系輸入 383億ドル 前年比-22.1%
国営企業輸入 128億ドル 前年比-20.9%
輸入の大半が家電やハイテク機器の製品や部品のようで、輸出はハイテク関連が262億ドルもあるようです。アパレルが49億ドル、繊維が18億ドルというように紹介されていましたの。
⇒上海市は中国の代表みたいな存在ですが、GDP比に占める第三次産業が既に58%まで来たのですね。昨年でも53%でした。工業生産がまず最初に経済をリードし、それに伴い第三次産業が発展するというモデルを歩んでいる事になります。
さて、上海の輸出は中国の貿易の一つのはぶになっているからでしょう、GDPが9兆円程なのに6兆円もあります。そして輸出の減少額は1.7兆円。輸入もそれに伴い1.9兆円も減っています。そして、輸出の65%が外商投資企業(外資系企業)が占めており輸出減1.9兆円中1.2兆円となんと70%も占めています。輸出製品を作る場所は上海市だけでなく蘇州や、所謂華東地区を指す事になるでしょうが、中国に生産拠点を置いている日本、欧米等の外資系企業の輸出入に相当に依存していることがわかります。
輸入に関しては燃料や資源もあるようですが、電気機器やハイテクがかなり占めているようです(正確には読み取れませんでした)。輸出はハイテクがNo1で、それに続いてアパレルや繊維、靴等が上げられていますが、この辺は元々華東地区でも強い分野で中国製の材料で作られたものと考えられます。
簡単に行ってしまえば、上海の経済は未だに外資系企業の製造拠点として、海外で作られた部品や原材料を加工して、また海外に輸出するという旧態依然としたアッセンブリー拠点がベースになっている。
そして、その外資系企業に牽引された工業に対するサービス分野が成長を遂げてきて、現在は既に第二次産業を上回る所までは来た。しかし、今年に関しては、政府の公共投資が昨年比3000億円も増加した。固定資産投資が順調に伸びているというが、政府の投資を除けば前年比マイナスなのが実態。そして、金融機関の融資が
昨年比で6.4兆円も増加しており、このお金が株式や不動産市場を支えている。
この上半期上海市のGDPは昨年比5.6%増。これは5000億円増加したことになる。そして、第二次産業が1400億円減少したが第三次産業が6600億円増加して工業の落ち込みをカバーした。しかしその実態は、小売が1000億円増加したのを除くと、3000億円の政府の固定資産投資と、6兆円もの金融機関の貸し出し増加によって支えられている。
上海市の年間経済成長目標は9%ですが、その達成は難しいだろうと市政府の幹部がすでに発表しています。中国の公共投資は評価されていますが、銀行の融資増加に付いてはそのリスクも言われるようになりました。そして、是だけ無理をして社会の安定を目指す為に経済成長を図る中国の、現段階ではNo1の都市である上海の実態は公表数字を見ても上記の通りです。
外資がポシャレば経済全体に大きな影響を与える現在の構造を国家として変えなければ成らないと考えるのは当然で、だから独自技術の開発や、国内企業に対する運用面でのさまざまな優遇がなされるのも当然かと思います。そして、お金を生まなくなったよそ者のアヒルからは、絞れるだけ搾り取る。是もまた、実情を見ればやむを得ない措置かと思います。やられる側はたまりませんが。
億元 億円 対前年億円
GDP 6,612 6% 92,568 4,909
1次産業 34 -1% 481 -2
2次産業 2,761 -4% 38,652 -1,443
3次産業 3,816 14% 53,424 6,643
工業 2,324 -5% 32,529 -1,748
工業企業利益 513 -30% 7,181 -3,034
金融 849 27% 11,889 2,542
不動産 412 23% 5,765 1,063
卸小売 704 14% 9,854 1,233
交通運輸倉庫 329 -8% 4,601 -384
先日上海の2009年上半期の経済成長が中国で最低の5.6%という記事をご紹介しましたhttp://blog.goo.ne.jp/muchida3527/d/20090723。その後上海市統計局から内訳の数字が出ていたので、その紹介と勝手な意見を。。
尚、上海市統計局のサイトはこちらですhttp://www.stats-sh.gov.cn/2008shtj/index.asp。
上半期の上海市の経済成長の概況として、
上海市上半期GDPは5.6%増加。約5000億円増加。
1次産業は前年比マイナス0.5%。2億円マイナス。
2次産業は前年比マイナス3.6%。1400億円マイナス。
3次産業が前年比14.2%の成長。6600億円プラス。
⇒工業の不振をサービス業がカバーしたという事ですよね。
工業生産は前年比マイナス5.1%で、工業企業の利益は前年比マイナス29.7%。利益の減少額は約3000億円。軽工業がマイナス7.2%。重工業はマイナス5%。
⇒まぁやむをえないのでしょうが、後でご紹介しますが輸出の65%が実は外資系企業によって生み出されていますので、日系に限らず外資系製造業でリストラが行われているのは当然かと思います。
第三次産業としては金融業が、上海株式市場の株価上昇と貸付金の増加で前年比27.2%の成長。不動産業が前年比22.6%成長。卸小売が14.3%成長となっています。そして交通運輸はマイナス7.7%。
⇒金融業が前年比で2500億円、不動産と卸小売は夫々1000億円GDPの増加に貢献したとされています。不動産に関しては、だいぶ流通が回復してきたとはいえ、下のように不動産開発は減っていますし、なんで増えたのでしょう?卸小売の1000億円の増加は納得のできる分野であり、内需拡大になっていると素直に受け止めれます。
問題は金融業で、上海株の好調さと融資の増加がGDP増に寄与しているという事ですが、これはどう解釈すべきなのでしょうか?ロジックが良く解らないのですがバブル効果という気がします。
貨物運輸量は、前年比16.5%のマイナス
不動産開発は住宅がマイナス11%で、事務所はプラス1%。一方固定資産投資は国有投資が前年比24.9%の増加。この国有固定資産投資の増額が約3000億円。固定資産投資全体は前年比で2650億円増(+9.6%)だが、国有資産投資を除けば前年比-300億円(マイナス2%)。
貿易は出ている数字とコメントが乖離しているので良く解らなかったのですけど
輸出 625億ドル 前年比-22.3%
外資系企業の輸出 415億ドル 前年比-23.7%
国営企業輸出 126億ドル 前年比-21.7%
輸入 579億ドル 前年比-24.8%
外資系輸入 383億ドル 前年比-22.1%
国営企業輸入 128億ドル 前年比-20.9%
輸入の大半が家電やハイテク機器の製品や部品のようで、輸出はハイテク関連が262億ドルもあるようです。アパレルが49億ドル、繊維が18億ドルというように紹介されていましたの。
⇒上海市は中国の代表みたいな存在ですが、GDP比に占める第三次産業が既に58%まで来たのですね。昨年でも53%でした。工業生産がまず最初に経済をリードし、それに伴い第三次産業が発展するというモデルを歩んでいる事になります。
さて、上海の輸出は中国の貿易の一つのはぶになっているからでしょう、GDPが9兆円程なのに6兆円もあります。そして輸出の減少額は1.7兆円。輸入もそれに伴い1.9兆円も減っています。そして、輸出の65%が外商投資企業(外資系企業)が占めており輸出減1.9兆円中1.2兆円となんと70%も占めています。輸出製品を作る場所は上海市だけでなく蘇州や、所謂華東地区を指す事になるでしょうが、中国に生産拠点を置いている日本、欧米等の外資系企業の輸出入に相当に依存していることがわかります。
輸入に関しては燃料や資源もあるようですが、電気機器やハイテクがかなり占めているようです(正確には読み取れませんでした)。輸出はハイテクがNo1で、それに続いてアパレルや繊維、靴等が上げられていますが、この辺は元々華東地区でも強い分野で中国製の材料で作られたものと考えられます。
簡単に行ってしまえば、上海の経済は未だに外資系企業の製造拠点として、海外で作られた部品や原材料を加工して、また海外に輸出するという旧態依然としたアッセンブリー拠点がベースになっている。
そして、その外資系企業に牽引された工業に対するサービス分野が成長を遂げてきて、現在は既に第二次産業を上回る所までは来た。しかし、今年に関しては、政府の公共投資が昨年比3000億円も増加した。固定資産投資が順調に伸びているというが、政府の投資を除けば前年比マイナスなのが実態。そして、金融機関の融資が
昨年比で6.4兆円も増加しており、このお金が株式や不動産市場を支えている。
この上半期上海市のGDPは昨年比5.6%増。これは5000億円増加したことになる。そして、第二次産業が1400億円減少したが第三次産業が6600億円増加して工業の落ち込みをカバーした。しかしその実態は、小売が1000億円増加したのを除くと、3000億円の政府の固定資産投資と、6兆円もの金融機関の貸し出し増加によって支えられている。
上海市の年間経済成長目標は9%ですが、その達成は難しいだろうと市政府の幹部がすでに発表しています。中国の公共投資は評価されていますが、銀行の融資増加に付いてはそのリスクも言われるようになりました。そして、是だけ無理をして社会の安定を目指す為に経済成長を図る中国の、現段階ではNo1の都市である上海の実態は公表数字を見ても上記の通りです。
外資がポシャレば経済全体に大きな影響を与える現在の構造を国家として変えなければ成らないと考えるのは当然で、だから独自技術の開発や、国内企業に対する運用面でのさまざまな優遇がなされるのも当然かと思います。そして、お金を生まなくなったよそ者のアヒルからは、絞れるだけ搾り取る。是もまた、実情を見ればやむを得ない措置かと思います。やられる側はたまりませんが。
億元 億円 対前年億円
GDP 6,612 6% 92,568 4,909
1次産業 34 -1% 481 -2
2次産業 2,761 -4% 38,652 -1,443
3次産業 3,816 14% 53,424 6,643
工業 2,324 -5% 32,529 -1,748
工業企業利益 513 -30% 7,181 -3,034
金融 849 27% 11,889 2,542
不動産 412 23% 5,765 1,063
卸小売 704 14% 9,854 1,233
交通運輸倉庫 329 -8% 4,601 -384