日中越境EC雑感

2008年に上海でたおばおに店を作るところから始めて、早もうすぐ10年。余りの変化に驚きの連続

可愛そうな日本の労働者

2009-02-09 | 日本・日系企業
 上海エクスパトリアットという欧米系駐在員サイトを除いていたら、こんな記事が有りました。かなり納得できるトレンドだったのですが、ふっとこのチャートを見てびっくり。。

 中国は経済が脅威的な急成長を遂げているのですが、そのスピードが余りにも速いために人材の育成が追いついていません。日本企業と異なり欧米系企業の場合は、中国進出をしている企業に大企業が多く、役職ごとの職務要件等も世界基準で明確に記載しますので、その辺は日本企業の中国人社員に対する見方より厳しいと思います。

 特に、会計、法務、テクニシャン、IT及び経営陣に関してはできる人材が不足しており、そのために多少とも使える人は給与が滅茶苦茶上がっている。下記はモナーク大学の調査のようで、ある程度技術のあるテクニシャン(日本では向上現場の主任クラスでしょうか)の比率が、先進国では30%なのに中国では5%に満たないとしめしており、これは現場で格闘している日本人エンジニアの実感だと思います。

 まぁ、このレベルの低さを補うのが駐在員に掛かっているという解釈をしているようですが、上海では2007年以降契約社員の比率が1%以上増加したそうです。その理由として、高度なスペシャリストの不足、テレコムやIT,研究開発分野における中国の人材不足が原因と分析しています。
 又、Economist誌によれば、中国における部長クラスは、アメリカに比べて能力が75%しかないのに20%高い給与を貰っているとのことです。欧米企業の中国人社員の給与の高さは、米国系人事会社の給与調査などで示されていますが、アメリカ以上というのは凄いですね!

 昨年中国が労働法を改正して、従来の中国人社員との雇用契約が1年契約だったのを、10年以上勤務した社員は永久雇用にする,等とした影響で欧米企業や中国企業は幹部クラスやスペシャリスト的な社員に対して、契約ベースにするケースが増えたそうです。

 日本企業ではどうでしょう?永久雇用になるという事で雇用契約や就業規則の見直しその他で、人事コンサル会社や弁護士事務所の特需になっていたようですが、そこそこ使えるけど長期的に要らない人間に対して契約社員として対応するという対応はあまりしていないでしょうね。

 私がここにいて日本企業の方と接して実感したのですが、日本企業は他の日本企業の動きには非常にセンシティブなんですが、欧米企業や中国企業の動きには全く感知しない会社が多いようです。何時の間にやら給与水準は中国企業以下になってしまい、良い社員をやとえなくなてしまった企業も多いのでは?
 
 逆に、中国人社員の能力もよく解らず、ひたすら権限を譲渡してしまった危ない会社もたくさんあります。

 まぁ、人がどうしようが、他人事なのでどうでもよいのですが、最初のチャートは結構日本人にはショックでは?日本で解雇するときに労働法では1ヶ月の給与保証があることはしっていますし、現実には工夫をこらして色を付けて穏便に退社してもらうのが日本風です。でも中国って91週間分なんですか(2年分)?改正労働法よく見ていませんがすさまじいですね。一方日本企業がこれだけドラスティックになってきたにもかかわらず、日本の労働法は昔の終身雇用前提の仕組みに留まっている気がします。法的な保護ではイギリスはともかく、ブラジルやメキシコ以下なんですね、日本のサラリーマンは。。。


  



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中国不動産投資の怖さ

2009-02-09 | 中国不動産
 淘宝の上でのネット小売では事業展開が知れており、次のステップに移るべく現在店舗を探しています。こういう事業の関係か、日本商品の上海での販売の依頼件数も増えてきているのですが、物としては中国人向けではなく日本人向けに限定される物が多いのが実情で、まぁ、10万人居る日本人市場向けの店にしようかかどうか迷って、日本人の多い古北カルフール周辺の不動産を回ってきずいた事を。

・上海市内の不動産販売価格はだいたい20%下落
・物件によるが賃料は30-50%下落している物がある。

 中国不動産投資は、2001年から外人に解放され、一方、外資の不動産投資が不動産価格のバブル形成に大きく影響しているとの判断から2007年6月には改めて制限されるようになりました。

 2003-2005年頃にかけては、中国不動産投資会社、もしくは上海市内の日系・中国系不動産会社が上海の不動産投資を促し、日本人駐在員や、日本の投資家にかなり販売していました。当時のコメントの中では

1.中国経済は長期的に成長が望め、一旦バブル崩壊という自体が発生しても今後10-20年というタームで考えれば基本右肩上がり。
2.人民元のさらなる上昇が望める
3.物件を購入するなら外人向け物件、中国人向け物件とは全く別物の仕様

 というもので、私自身上の1.2についてはその通りと思った居ますので、自分の事業のメニューにも加えております(元々不動産建設関係出身ですので知己が多い分野でもあるのですが)。

 問題は3です。本当に外国人向け物件か??

 私は2005年に今の妻と結婚したのですが、当時かなりマンションは高騰していたのですが、当地の習慣に習い、嫌々マンションを購入しました。物件は1992年に当時の外国人向けとして立てられて物で、外装はタイル張り、但し6階建ての為エレベーターはありません。価格は1500万円。ローンを組みました。でも結局個々には一度も住む事は無く最初は韓国人、後に台湾人に賃貸し、賃料は月3500元ですので利回りは5%弱というところでしょうか。預金金利より若干良いというレベルです。最終的には今回の事業の為、昨年売り払って資本にあたていますが、10万元程度の利益は出ました。この物件は、当時オーストラリア在住の中国人から購入したのですが、彼女曰く購入価格と我々の販売価格はほぼ同じだった。でも既に上海の不動産価格の下落がちまたで言われており、売却下とのことでした。色々資料見せてもらったのですが、税金払ったら若干の赤字だったようです。

 さて。。今でも外国人向け物件の中では、環境が良く我々自体が住みたいものの価格はさほど落ちていません。一方古北の日本人、台湾人、韓国人がかなり集まっている地区のマンションは全部賃料が大幅に落ちています。私が訪れた1件のオーナーは、数年前は1万元以上だったけど6500元でどうだろうかと、150m2ある綺麗なマンションを見せながら話してくれました。また、韓国が経済危機の為に相当大量に帰国者が続出しているようで、回った物件も帰国予定者や、最近までそこにすんでいたのが韓国人という物件がたくさんあります。

 まぁ、それはそれとして賃料が半分に落ちた最大の理由は、

 近所にそのマンション以上の物件が新たに建設された事。新しいマンションの賃料は1万元以上の賃料。

 そうなんです。

 中国不動産投資のリスクとして
・バブル崩壊
・為替
・プロジェクトの頓挫
・物件の瑕疵
 などが有り、

 業者は、外国員向け物件は建物の質が良いから安心、今後も外国人駐在員は増加しニーズは手堅いといったあたりから、高額物件を投資家に販売しようとするのが一般的です。

 でも、私の事例、そして最近の古北の事例をみただけでも、それが実は非常に危ないという事が解ります。

 現在の経済危機の影響で、多くのプロジェクトがストップしています。でも今後も次から次へと優良な物件が出てきます。上記は住宅ですが、事務所向けも同じでしょう。極めて短期間で急激な経済成長を遂げ、それ以上に大量に住宅などが建設されていく。質はだんだんよくなっていく。

 上海に関しては、今後も中国国内の外地出身者の人口が増加する可能性はあるでしょう。外人も増加するものと思われます。ですから住宅の供給と需要はバランスするかと思います。

 でも、外人向けマンションとローカル向け高級マンションって、どうみての建物に関してはそれほどの差はありません。だから、価格や賃料の格差を説明するのが困難な物件がたくさんあります。あ、もちろん非常に良い物件も有りますが。

 そして、今外国人駐在員向けのマンションも、あっという間に中国人の比較的豊かな層が居住する物件になるでしょう。そのとき今の価格差はありえません。

 駐在員向けの物件だから賃料が高いところという発送も、いい加減本社の総務部門がその中身の実態を知れば、コストカットのメスが入るはずです。

 長期という時間で考えた場合どうなるか?

 上海市は高齢化がけっこう進んでいて東京とあまり代わりません。中国が今の体制で順調に成長していっても2030年ころから高齢化社会に入ります。その後どうなっていくかは誰にもわからないですし、そこまで長期の投資を考える必要も無いでしょうが、中国の一人当たりの所得はその時点でも日本の半分にも満たないでしょう。

⇒私見:
 中国の住宅投資は、元々外国人向けに建築され、現在は中国人富裕層の物件を狙う事。
 業者の意見は参考にしても、自分で色々情報を集める事。

 まぁ、不動産もサービス業ですので。。日本の不動産会社でこっちに進出してもうまく行っていないという話を何回か聞きました。多分駐在員向け賃貸マンションの紹介をローカルスタッフ中心でやっていれば、そこそこ利益は出るでしょうが、賃料のサイズが小さいですし、そもそも市場が少ないですよね。所詮10万人都市(でも流動人口10万人と考えれば結構大きいですかね?)。やはり不動産の仲介事業は物件の売買の仲介手数料が基本になるはずです。
 投資というスタンスでも、香港ほどのアドバンテージがないので一流物件を日本企業が買うのは容易ではないでしょう。
 
 まぁ、でも私の経験程度の事は、中国の不動産を購入する人は知っておくべきであり、調べるべき事ですよね。日本から見た課題は、こういうネガティブ情報をどう捕まえてくるかなんですね。

 仲介業、コンサル業の収入が成功報酬型である限り、業者にとって努力をお金に買える手段がなんとしても取引の成立(物件の購入売却、中国への進出)になってしまうのが大きな問題なんですよね。これは業者が日本人であろうが、中国人であろうが代わりません。

 日本人は情報にお金を払わない。メーカーは、海外に出れば工場建設などの大きな設備投資を行いますので自社でかなり調べるでしょう。全体プロジェクトから見れば調査コストは知れている事が直ぐわかります。

 でもサービス業は、設備投資額が非常に少ないので、調査コストは自社でやろうが外部だろうが非常に高く感じるのでしょう。おどろくほど費用と時間をかけずに海外に行ってしまいます。

 そして数年後にはバイバイ。。。。

 







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