日中越境EC雑感

2008年に上海でたおばおに店を作るところから始めて、早もうすぐ10年。余りの変化に驚きの連続

上海における日系レストラン事業に関して 2

2009-02-10 | 日本・日系企業
 上海で日系料理屋を開店しても成功が難しいという話への、素人コメントです。
一つのアイデアとして白人対象をあげましたが、私個人が知っている範囲で幾つかのお店をここに紹介しておきます。もしレストラン経営を目指すなら見ておくべきでしょう。

焼肉や: 水城路x仙霞路の交差点近所のビルの2階か3階。シーチャンホイに最近出店したみたい。ここは、昔別なところにあって嫁とたまに行ってました。嫁が美味しいと思って、中国人向けのレストランサイトに紹介記事を載せたそうです。1年半ぶりに帰国したらそのサイトの評価が偉く高くなっていて中国人客が増えたと聞いていますが、帰国後一度も行ってないので実態は知りません。安くは無かったけど肉は美味しかった(上海レベルでは)

古北○湾酒店の日本料理屋: 花見というカラオケ(昔行ってこっちの方が記憶にあるのです。。恥ずかし。。)と同じホテルの中に有ります。食べ放題で200元位。私が述べたように雰囲気重視の店です。味も個人的には良かったと思っています。客はもう中国人のほうが多いですね。

鉄板焼きや: 水城路と虹橋路の交差点付近に日本料理屋韓国料理、カラオケの集まっている広場が有りますが、相模の隣です。店が狭く日本人客が多いのですが、我々が行ったときに中国人客が半分位いました。

 何れもネットの上で高く評価されています。当然誰かが良い評価を与えても継続性が必要ですし、味、価格、サービス態度等が露骨に書かれてしまいますので、店の経営がちゃんと行われていることが前提になりますが、上海人にはやっているという店の一部です。最初の店を除き、嫁がネットで調べて行った所です。

 餃子屋という意見がありましたが、以前シーチャンホイのガンフイの隣が広場になっていて一口餃子を提供する店がありました(今その広場そのものが再開発されており、店がその後どうなったかは知りません)。個人的には好きでしたが、客は日本人のみ。嫁及び、中国人スタッフの評価は低かったです(ちなみに嫁とは禁断の社内恋愛だった物で、会社の行事で一緒に行きました)。

 日本の中華料理は、戦前台湾が日本の占領かに在ったころの台湾人が開いた店が源流のようです。味も当然日本人向きにアレンジされており、嫁によると50年前の料理だ。不味い。との事です。これには個人差があるでしょうが、一般に在日中国人の意見も量が少ない、美味しくない、で知る限り共通しています。

 コンシェルジェ等の日本のフリーペーパーに記載されていたと思うのですが、

・日本人には貧乏遺伝子?という物が有り油の消化能力が国際的に見ても低い。これは淡白な日本料理を食べ、肉食の習慣も明治維新までなかったことによる。

・腸の長さが日本人が7-8m, 欧米人は5m,中国人はその中間

 という記事を見た記憶があります。全くの引用ですので事実かどうかはしりませんが、日本人と中国人は外見が似ていても肉体は相当異なる。確かDNAでも韓国と日本は似ているが中国人とは離れているそうです。

 ということで、日本人と中国人の好む味は、食生活習慣は勿論の事、肉体構造のレベルでも異なってくるのが当たり前と考えるべきでしょう。まず日本人より一般に大食いですね。

 さて、では上海人が日本料理を食べないか?

 あのアメリカでも日本料理はブームになった。但し、それは健康に良い食事というイメージが強い。中国では自国の食文化に非常につい良い自身を持っており、反面まだ健康に気を使うほどの民度ではない。その点アメリカより難しいのかもしれません。元々生の食べ物は食さない文化ですし、儀父母は刺身は食べません。

 一方、嫁の従兄弟関係(外銀勤務や、外資の中国法人社長)は、少なくともたまには食べています。あくまでも、常食ではなく時々楽しむというレベルでは有ります。幾つも種類のある食の機会の一つとして日本料理や日本風イタリア料理の機会はあるだろうと思います。

 この国のエリートさんは欧米志向が強いですから、早晩健康食品関係は伸びる余地があると確信しています。上海の比較的恵まれた人間は既に有機食材か、そこまで行かなくても外の市場で野菜を買うことはありません。そして、ビジネスマンの多くが連日の宴会の為に太りすぎに気をつけろとか、日本で言うメタボみたいな概念も出てくるようになっています。そういう意味でアメリカでも受けている(もちろんアメリカでもニッチ)日本食に関して最初からあきらめる必要は無いと思っています。勿論二本みたいにメジャー料理にはなりえないですが。

 何度も記載しますが、私はレストランビジネスはど素人です。但し一つのビジネスとして捉えた場合、どうマーケティングするかというのは他の事業と同じだと思います。上記は日本料理屋で上海人に人気はある(収益性とかは調べてないので知りません)店ですが、中国系で非常に人気のあるレストランも今後は紹介していこうかと思います。

 一つは一昨日浦東で行った店です。(4号線で世紀大道から南に2駅目)

西貝抜西村: 東方路1535
 自宅の近所に西北料理(羊肉)を提供する店が有り、そこと系列かと思って入りました(自宅近所の店はつぶれたみたいです)。店は行列で6時頃行った為に30分町でした。1階がロビー兼待合になっており、2階がレストラン。個室もあれば一般席もある(まぁ普通ですか)。2階の上がったところでサラダや、蕎麦を作っているところが見える。又、食後子供向けに蕎麦を原料とした人形みたいな物を無料サービスで作って提供している。1階の待合ではひまわりの種を提供し(中国人は、リスではなく人間が食べます)、テレビでは子供向けのTom&Jerryを放映している。
 料理は当然美味しいですね。これは日本人にも向くと思いますが。

 中国は広大な国ですので、その地域によって名物料理があることはご存知と思います。では、その料理が同じ形で提供されているか?

 違います。私は四川料理や湖南料理など辛い物が好きですが、上海の四川料理は日本人にとって辛くても相当に上海風にアレンジされています。人気があるところは、やはりさほど辛くない。赤いスープを見てめげる日本人が多いと思いますが,成都に行くと黒いスープでなべをし、それにさらに唐辛子をまぶして食べています。私も上海の四川料理は食べれるけど四川本場の物は無理でした。

 日本でも陳マーボー豆腐というチェーンがあり、そこそこ人気が有りますが、これは日本人にとっては辛いのですが、上海の四川料理よりもっとゆるいです。日本ではやるタイ料理店、中華料理店、フランス料理店、イタリア料理店、どれもおんなじで日本風に微妙に味を変えています。日本の中華料理を在日中国人は不味いという。中国で日本料理やるのなら、日本人が不味くても中国人が旨い料理を提供できれば良いですよね。日本人の料理人ですと職人気質が強いので、そういう考えは拒絶されると思いますが、料理ビジネスの成功と発想を変えたら経営者はどちらを選ぶのか?
 
 「上海タイフーン」というドラマを一度紹介しましたが、主人公の日本人デザイナーがランジェリーの中国市場販売に向けて上海に出張。中国側が主張する赤い下着がブランドイメージを損ねると拒絶して、それがきっかけで退社していますよね。もし上海に住んでいればそのデザイナーに言えるのは「馬鹿」の一言じゃないですか?そんな事も事前に勉強していない人間を中国プロジェクトに入れること自体が会社の経営判断ミスだと思います。でも事例は多いのでしょうね。

 相手の市場を知らないでビジネスなんてできるわけが無い。海外ではその市場を知るのが日本よりは難しい、でも中国だからというのは理由にならない。何処だって同じ。唯中国に進出する日本企業が、中国は一衣帯水の国だとか、似ているから、後進国だからという事で甘く見ているのが最大の失敗の原因では?また、アジア市場向けに本格的に進出しているサービス業はまだ無いのでノウハウが無いのでしょう(メーカーは出ています)。

 もし上海で日系レストラン事業をするのであれば、上海人スタッフを確保しネットで評価されているレストランを中華系、日系、欧米系かたっぱしから食べて回る事。当たり前にやるべき事じゃないでしょうか?その上で日本の料理で何が売れるのか、どういう売り方がよいのかを考えるべきでしょう。何処言ったって、日本に比べれば対して高くないですよね。

 事業機会はたくさんありますよ。今の自分のやっている分野だけでなく、中国はまだまだ遅れています。そして、チームワークが悪い。物事を広く見る目ができる人間が少ない。今のところ人の物まねで簡単に稼げてしまう。オリジナリティのある分野は無い。まだまだ穴だらけで、日本のようにニッチマーケットを作るか高度技術の開発くらいしか市場が見出しがたいのに比べれば、やりやすい部分もたくさんあると思います。

 最大のネックは、一つ作って受けたら直ぐ真似されるというところかと思っています。これは防げないでしょうね。。
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中国国営銀行のサラリーカット

2009-02-10 | 中国ビジネス関連
 中国の国営銀行の経営層のサラリーをカットする方向で北京政府が方針を出したそうです。所得格差を解消するというのが表向きの理由ですが、邦銀も見習うべきでしょうね。

1.国営銀行の経営者の給与を2.8M元(3千万円)を上限にする。
2.銀行の頭取の年収は、5万元(70万円)から70万元(1千万円)をベースサラリーとし、業績によってその年収の3倍までの賞与を受けるようにする。
 
 アメリカで国の支援を受けた銀行経営者のサラリーを5千万円にした事を考えれば、これは国際的な傾向と言える。また、銀行の利益の60%か貸付金の金利から来ており、これは中央政府が設定した預貸利率の差が貢献している(つまり経営努力ではなく国家の支援によるところが大ということ)。



※この記事の続きは有料となります⇒中国市場進出/販売実践会

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